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穂いもちの発生に対して殺菌剤を使用して良いものか?の記事で、稲作のいもち病に対して、殺菌剤を使用したら負の状態から抜けられなくなるのではないか?という懸念を記載した。

殺菌剤の代わりにすることとして、土作りはもちろんのこと、物理性の改善に合わせて減肥をしつつ中干しをしないことが有効ではないか?と記載した。


対策を更に詰める為に、いもち病についてわかっている事を整理する。




α-1,3-グルカンを利用した植物病原性糸状菌の自然免疫回避機構-平成24年度の主な研究成果 - 農研機構

上記の研究報告はいもち病菌がイネの持つ自然免疫を回避する内容が記載されている。

具体的に記載すると、いもち病がイネに感染する時に、普通の状態であればイネはいもち病菌に気が付き、何らかの防御反応を示すが、いもち病菌はイネが認識できないα-1-3-グルカンに包まれることで、イネの免疫を逃れ感染する。

酵母β-グルカンを理解する為にグリコシド結合を見る

病原体関連分子パターン - Wikipedia


ここで興味深い内容として、イネに細菌由来のα-1-3-グルカン分解酵素を合成出来るようにしたら、いもち病の発生が減少した。


この内容を見て、イネの表層菌として、α-1-3-グルカン分解酵素を持つ菌、もしくは細菌がいれば、いもち病の感染が減るのでは?と思った。

矢野成和、若山守 真菌細胞壁を分解する細菌型α-1,3-グルカナーゼの特性 - J5M Mycotoxins 66 (1) 、 37 -43 (2016)