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近所の林にブナ科のクリの実を拾いに行った。

写真ではわからないが、林の手前は整備されていて、子供が頻繁に通るから


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クリのほとんどは毬(殻斗)のみになっていた。




ブナ科の木を学ぶほど、クリという植物が不思議に思えてくる。

クリは落葉広葉樹であるので、冬前に葉を落とす。


この内容であればブナ科の他の木、例えばクヌギやアベマキも同じだろうと思うのだけれども、不思議に思うのはここからだ。


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クヌギやアベマキは大きなドングリとして有名で、花が花粉を受粉してから翌年にかけて実を形成させる。

5月頃に受粉して、翌年の10月頃にドングリができるということで、実の形成に1年5ヶ月程の期間を費やす。


とても長い期間を経て出来たドングリは乾燥耐性を持ち、木としては過酷な林縁で生育が可能になるそうだ。

森林の縁から木々の棲み分けを学ぶ


林縁は太陽からの光をたくさん浴びることができるが、その代償として有害な紫外線も多く浴びる為、最適化として葉を薄く大きく展開しつつ、冬前に落葉するといった使い捨てになっている。

この特徴を落葉広葉樹だとすると、クリも同じだろうと思うだろう。


ただ、クリとクヌギらの大きな違いは


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クリは5月頃に受粉して、同年の10月に堅果が形成され落下する。

クリはクヌギの大きさの堅果(ドングリ)になるにも関わらず、1年という期間を前倒しして果実を形成する。


しかも、一つの毬(殻斗)の中に3個の堅果を形成する。

それでいて、林縁で生育できる乾燥耐性を持っている。

これが不思議でならない。




クリとクヌギらの堅果(ドングリ)の大きな違いはもう一つあって、クリは堅果にあまりタンニンを含まず、クヌギらの方はタンニンを多く含む。

タンニンはドングリを食す動物にとって毒であるため、クリの方が動物たちに狙われやすくなる。

ネズミがドングリを食す

各ドングリのタンニン


ドングリにとって堅果にタンニンを溜め込むコストは高く、クリはタンニンを溜め込まない為にいち早く堅果を形成するのか?


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タンニンよりも毬の生産コストの方が低くて、堅果は毬に包まれて落下させているのだろうか。

ただ、落下時に毬から堅果が出てしまっているものを良く見かけるので、毬から堅果が出なかったものが(比較的)動物に食されなくなり生き残るといったところか。




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冒頭の写真の箇所にはクヌギやアベマキらしき大型ドングリの木がたくさんある。

その中で、


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クリの木もあるのだけれども、


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周辺の木と比較して葉の黄化が早い。

大型の堅果であるクリの生産コストは高いのか?


なんてことを思ってしまう。