前回のシステイン合成の際にセリンというアミノ酸の名前が挙がった。

システインの前駆体としてのアスパラギン酸


せっかくの機会なのでセリンも見ておこう。


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セリン - Wikipedia


セリンは側鎖がヒドロキシメチル基(–CH2OH)のアミノ酸で、極性無電荷側鎖アミノ酸に分類に分類される。


生合成は解糖系の中間体である3-ホスホグリセリン酸から合成される。

解糖系という反応


この合成の際にグルタミンというアミノ酸が必要とされる。


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グルタミン - Wikipedia


グルタミンと言えば、側鎖が-CH2CH2CONH2の極性無電荷側鎖アミノ酸、中性極性側鎖アミノ酸に分類される。


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硝酸態窒素はどこで使われる?


グルタミン酸のヒドロキシ基(-OH)がアミノ基(-NH2)に変わることで生合成される。

光合成からアミノ酸の合成へ




話をセリンの生合成に戻そう。

セリンは解糖系の中間体の物質にグルタミンが関与することで合成される。


解糖系というのは、光合成により生合成された糖(グルコース)からエネルギーを取り出す最初の反応で、

以前作成した図に付け加えるとするならば、


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こんな感じになる。


この反応を見ていると、

某アミノ酸肥料のメーカーが、アミノ酸肥料を与えることによって、

光合成産物である糖の一部を使ってアミノ酸の生合成を施肥によって回避できるから、

植物がより活き活きするんだ。

という営業文句を作りたくなる気持ちもわかる。


グルタミンも光合成に必要なヘムタンパクの合成に重要なわけで、

グルタミンの消費も施肥によって回避できるのであれば、

それも営業文句として使いたくなる気持ちもわかる。

アミノレブリン酸のポテンシャル


他のアミノ酸も糖からエネルギーをたくさん取り出すクエン酸回路中にできるので、

なおさら営業文句として使いたくなるだろう。

光合成からアミノ酸の合成へ