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目のサプリメントとして頻繁に話題に挙がるブルーベリーがなぜ目に良いと言われるのか?を知りたくて調べてみることにした。

ブルーベリーはなぜ目に良いと言われているのか?の記事で、ブルーベリーの効能として、豊富に含まれているアントシアニンが


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網膜にあるロドプシンという光を認識する光受容器細胞の色素(視紅)の再合成に関与するという説明を見かけた事についてを触れた。

再合成というのが何なのか?について触れないと、ブルーベリーのアントシアニンの作用機構に触れる事ができないので、一連の流れを見てみる事にする。




以後の話は川村出 生物の光の利用―ロドプシンの光応答とその応用― - 化学と教育 65 巻 6 号(2017年)を参考にして進める。


ロドプシンは光に敏感な桿体細胞(かんたいさいぼう)に含まれていて、その中で光の認識にとって重要な役割を持つレチナールというものがある。

レチナールは、


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Beta-carotene-2D-skeletal

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ニンジンに含まれている事で有名な紅色の色素のβ-カロテン(ビタミンA)の中心辺りで2つに切断され、


cis_retinal

※図:川村出 生物の光の利用―ロドプシンの光応答とその応用― - 化学と教育 65 巻 6 号(2017年) 図3より引用


19と20の箇所の線が出ている所の間の11の箇所で折れ曲がり、右端にリシン(リジン:Lys)というアミノ酸が付与された形として、ロドプシンというタンパクの中に組み込まれる。

玄米食でリシンの摂取はどのように変化するか?


ここで重要なのが、途中で折れ曲がっているシス型は不安定(右端のN+の箇所に注目)で、眼球に入ってくる光の刺激により、


trans_retinal

※図:川村出 生物の光の利用―ロドプシンの光応答とその応用― - 化学と教育 65 巻 6 号(2017年) 図3より引用


安定な形のオールトランス型レチナールになり、レチナールを組み込んでいたロドプシンの形も変化(異性化)する。

変化したロドプシンの名称をメタロドプシンⅡと呼ぶ。


この時の変化が信号として脳に伝わり、脳は光を感じたことになる。

オールトランス型レチナールは視覚サイクルと呼ばれる過程で再びシス型レチナールになる。

※視覚サイクル中で、脂肪酸とNADPHを利用している。

レチナール#視覚サイクル - Wikipedia

ロドプシン - Wikipedia




話は戻って、ブルーベリーに含まれるアントシアニンがロドプシンの再合成に関与しているというらしいが、今までの話題ではアントシアニンが出てこなかった。

一体どのような形でアントシアニンが関与しているのだろうか?