先日所用で宝塚周辺にある造園が盛んな地域に行ってきた。



造園が盛んな地域というのは上記の地図のあたり。


なんで宝塚周辺で造園が盛んなのか?

前々から不思議だった。


高級住宅地が多いから造園の需要も多いのか?

ということを思ったりしていたけれども、


造園業を営む方から聞いた話で納得した。


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宝塚周辺はマツの栽培に適していたから、

畑でのマツの栽培が盛んになったとのこと。


マツといえば、

生態系の観点から見れば、

草原から森に遷移する過程で草原の次あたりにくる植物で、

森の木々たちと比べるとはやくに消える木になる。


つまりは

土が肥えていないところで育つ木の一種として解釈できる。




続いて、

周辺の山を見てみると、


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20万分の1日本シームレス地質図


このあたりは粘性が高い部類に入る流紋岩質の火成岩、

もしくはこれまた粘性が高い花崗岩質の火成岩由来の土質で、

※花崗岩はピンク色の個所 南西の花崗岩は有名な六甲山の花崗岩

玄武岩を磨くと中は黒でした

有馬温泉の湯には何が溶けているか?


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真砂土にある粘土は引っ張る力が弱い?


典型的な真砂土の地域となる。

真砂土と言えば粘性の高い岩石が風化した時に形成される土で、

粘性が高いが故に腐植をためにくい土質となる。

枝は腐植になるか?


腐植をためにくいということは、

一般的にイメージされる森の土になりにくいということになるわけで、


森の土になりにくいが故に


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森への遷移初期に現れるマツが長く生存出来る環境であるということが分かる。


腐植がたまりにくいからマツを育てる。

宝塚という地域から先代の知恵というものを感じた。


余談


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マツは海岸の近くでよく見かける。

海岸の砂は粘性の高い風化しにくい砂で出来ている。

※撮影場所は香川県観音寺市


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