徳島のネギの栽培者向けに施肥設計の話をしましたの休憩中、

公民館のトイレの窓から外をなんとなく見ていたら

江川の湧水という看板が目に付いた。


なんだって?

ここに名水があるだと!


名水といえば、

以前、湧いているところの地質が特徴的で、

その特徴から湧いた水だから美味しいということもあって、

きっとここにも何かあるのだろうとトイレでテンションが挙がった。

天川村洞川の名水のごろごろ水


勉強会で徳島に行く前から、

今回の勉強会の会場付近の地域が、


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日本シームレス地質図


三波川変成帯と呼ばれる低温高圧型変成帯の珍しい地質の地域で何かあると楽しみにしていたんだよ。

この地域では緑泥片岩(緑泥石)という変成岩がたくさんあるらしい。

三波川変成帯 - Wikipedia

結晶片岩 - Wikipedia




勉強会終了後、時間がない中わがままをいって、


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江川の湧き水に寄ってもらった。

ここの水は水温が夏季は10℃に下がり、冬季は20℃に上昇する異常水温の湧水という不思議な特徴があるらしい。


それでは早速入ってみると、


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全体的に石が緑っぽいぞ。

これがこの地域特有の緑泥石か!


これは期待できると進んでみると、


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あれ?

湧き水がない。


今日は湧いていないのか?

それだと運が悪すぎる。


なんて思ったけど、

水が少ないことで本来水があるところの川の(緑の)石を見ることができた。


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あれ?

この石って、


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ベントナイトに含まれる緑の石と非常に似ている。

もしかして緑泥石というのはベントナイトのことか?


とここを離れた後すぐに調べてみると、

緑泥石とベントナイトは異なるけれど、塩基性火成岩を源岩とする結晶片岩とのことらしいので、

化学組成的に全然違うというわけではなさそうだ。

※マグネシウムとアルミニウムを含むケイ酸塩鉱物

緑泥石 - Wikipedia

玄武岩を磨くと中は黒でした


地域的、化学組成的に見て緑色はマグネシウムの色で間違いないだろう。

夜久野高原の宝山の麓に落ちていた緑の石

※2019年4月27日追記 鉄分多めの石が緑色になる

枕状溶岩と出会いに高槻の本山寺へ2




江川の湧水周辺を車で走っている時、

道路沿いにある石材屋や石垣で緑の石が頻繁に見られ、


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立ち寄った方の畑でも緑色の石をたくさん見かけた。

これらすべてを緑泥石と見なして良いとして、

緑泥石は比較的に傷がつきやすい石なので、

畑ではマグネシウムを放出しながら粘土鉱物になっていると予想できる。


だとすると、

この土地での栽培は他地域と比較して栽培しやすそうだ。

今まで話題に挙げていないけど日照時間も長いし。