ハチは糖原性アミノ酸のプロリンを持って遠くへ行けるで、スズメバチは糖原性アミノ酸であるプロリンを自身の体に蓄積することで、その後に摂取せずとも長い時間活動できる。

という内容を記載した。


スズメバチを例にして、プロリンの蓄積の話を記載したけど、プロリンの特性を考えるとおそらく他の昆虫でも同様のことが言えるはず。




植物側の視点で見ると、根から吸収した硝酸態窒素は光合成の作用により何度か還元され、他の光合成の作用により合成された有機酸と結合することにより、グルタミン酸というアミノ酸となる。

光合成からアミノ酸の合成へ


プロリンはグルタミン酸を数回還元することで合成され、比較的はやくに合成されるアミノ酸に分類される。




これらの話を踏まえた上で、気になることが、植物は葉内でプロリンを高濃度で蓄積することはあるのか?


だけど、この疑問に対して、下記のドキュメントが応えてくれる。

植物におけるプロリン合成と水ストレス耐性 蛋白質 核酸 酵素 Vol.42 No.6(1997)


このドキュメントから概要を一部抜粋してみると、

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植物は乾燥ストレスや高塩ストレスなどの水ストレスを受けると、その体内にプロリン、ペタイン、マンニトールなどの物質を蓄積する。これらの物質は適合溶質とよばれ、浸透圧調整剤としての機能をもつと考えられている。この適合溶質の中でプロリンは細胞内に高濃度蓄積されても他のアミノ酸の生合成や酵素活性を阻害しない唯一のアミノ酸である。

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と記載されていた。

(上記リンク先のPDFの842ページより引用)


w_proline_model

(上記リンク先のPDFの843ページより引用)


植物が乾燥状態に置かれた時に、細胞内の水が浸透圧によって細胞外に移動しかかった時に、プロリンによって引きつけるというイメージになるだろうか?


とりあえず、植物がプロリンをたくさん合成して、たくさん溜め込むタイミングがあることはわかった。

そしてそのタイミングは高塩ストレス時であることもわかった。


栽培において、高塩ストレスはあり得るか?と振り返ってみると、あまりにも大勢の方が高塩ストレス状態に陥っていることが頭に浮かぶ。


この話は一旦置いといて、次回に一昨日からの話を踏まえてみたいと思う。


ちなみに一昨日の内容は


PC0500601

落ち葉の下からクローバ再び


溢泌液(いっぴつえき)でした。


-続く-