植物の病気に関する本を読んでいたら、とある文章が目についた。


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植物病原細菌を含む多くの細菌はその増殖に必要な鉄イオンFe3+を菌体内に取り込むために、シデロフォアと呼ばれる低分子のキレート物質を菌体外に分泌する。菌体外に分泌されたシデロフォアは鉄イオンと結合するが、この複合体は細胞壁にあるレセプターを経由して菌体内に輸送される。その結果、シデロフォアを多く生産する植物生育促進根圏細菌(PGPR)ともよばれる細菌が土壌中で増殖するとほかの微生物は鉄欠乏状態になり、周囲の微生物による土壌伝染病の発病が減少すると考えられている。

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東京化学同人 植物病理学第2版 大木理著 63ページより抜粋


土壌中の植物病原細菌といえば、厄介な細菌であれば軟腐病と青枯病菌あたりだろうか。

クオラムクエンチングで軟腐病や青枯病の被害を減らせるか?


今までシデロフォアの話題が挙がった細菌といえば、バイオフィルムの内容の際に挙がった枯草菌あたりになる。

植物の根と枯草菌のバイオフィルム


枯草菌の話題の時はシデロフォアも触れたけれども、発根やリン酸の吸収の促進の方にも触れた。

栽培と枯草菌


バイオフィルムによって病原性の細菌が作物に寄り付きにくくなり、寄り付いたところで共生菌によるシデロフォアで大事な養分がなくなっている。

バイオフィルム内では発根が促進されていて、作物自身が体を強くするような微量要素を吸収している。

目に見えない銅欠乏


鶏が先か、卵が先か的な話になるけれども、バイオフィルムを形成する微生物が寄り付く為には作物から二次代謝産物(フラボノイド)がある程度以上合成できる必要があり、

ポリフェノールとは何か?フラボノイド類


おそらく発根は活発でないといけないはず。

発根に関することをまとめてみると


いろいろと繋がってきた。


緑肥で有用な細菌のバイオフィルム形成に誘導できる種がいれば、土壌中の細菌病の原因菌を一斉に黙らせることが出来る可能性がありそうだ。