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前回の水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についての記事で、水田で新たに発見された窒素固定を行う細菌で鉄還元細菌がいることを記載した。

上記の記事の途中でも記載したが、

Fe2O3 + 2e- → 2FeO + O2

N2 + 6H- + 6e- → 2NH3

上記のような単純な式ではないはずと記載した。

一番目の式で鉄の還元時に本当に酸素が放出されるのか?という疑問があったため、鉄の酸化還元についての詳細が記載されているものはないか?を検索をしてみたら、加藤真悟 中性pH付近で生育する鉄酸化菌の生理生態とその生物地球化学的重要性 - 地球化学 49,1‒17(2015)という読み物に辿り着いた。


上記の読み物は鉄酸化細菌に焦点を当てているけど、鉄の酸化と還元にも焦点を当てていて、pHと電位の視点から水田での環境では、Fe2O3を還元した時、鉄イオン(Fe2+)として水田の水に溶けているようだ。

鉄の還元時に発生する他の物質は水(H2O)と二酸化炭素(CO2)になっていて、酸素(O2)ではなかった。


次に気になるのが、Fe2+が水田にどのような影響を与えるのか?で、イネが光合成で利用したり、水田の微生物が電子供与体(電子を取り出す)として利用したりしているだろうが、


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水田に張られた水表面の酸素に触れる箇所で化学的な反応が起こっているかもしれない。


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水田の土表面に濃い灰色の土が堆積しているが、鉄の還元が何らかの影響を与えているはず。