植物にとって硫黄は超重要な物質であって、再利用の仕組みを発達させた。

硫黄が超重要な物質でありながら、根が硫酸イオンをあまり吸収できないのは、おそらく土壌中に硫酸イオンが少なかったのだろう。

基肥で硫酸苦土肥料を仕込む前に


昨今、土壌に硫酸イオンが多い状態が多いという話題が挙がりやすいのは、


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By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link


硫安という工業的に製造された肥料が現れたからだろう。

ハーバー・ボッシュ法と緑の革命


硫酸塩の肥料は直近の成果がわかりやすくて使いたくなる気持ちはわかる。

だけれども、植物が硫酸イオンをあまり吸収できないとなると非常に困る。


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成果がわかりやすいというのは水溶性の肥料ということであり、植物が吸収しにくい水溶性の成分があるということはECを高めてしまう。

知らない間に溜まっている石灰


高まったECは緑肥でなんとなしたいというのは普通に思いつく対策だろう。

だけれども植物は硫酸イオンをあまり吸収しない。


硫酸塩系の肥料の残留性は思った以上に深刻だ。


そんな中、硫黄で連想できる植物を考えてみると、


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アリルで話題に挙がりやすいネギ科の植物と、

二硫化アリル - Wikipedia


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ヒゴ清正さんによる写真ACからの写真


防御物質兼辛味成分であるグルコシノレートを含むアブラナ科の植物だろうか。

植物の高温耐性とイソチオシアネート


ネギ科の緑肥は聞かないけれども、アブラナ科の緑肥といえば緑肥用カラシナがある。

グルコシノレートは食材として風味の素なので、揮発しているものもあるだろう。


グルコシノレートは葉を傷つけた際に活性化するので、カラシナをしっかりと生育させた後、葉を破砕することで土壌中の若干ではあるが減らせるはず。


カラシナ自身が有機物量の面で少ない緑肥であるので、他の緑肥との混播した方が良いだろうなと。

イネ科とマメ科の緑肥の混播


そもそもの話で、硫酸塩系の肥料は基肥では主の要素では使用せず、追肥で使用して欲しいところだ。

基肥で硫酸苦土肥料を仕込む前に


追記

緑肥を栽培する時は事前に土壌環境を良い状態にしてからの方が効果が高くなると予想しています。

発根に関することをまとめてみると


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