前回の糖とは何か?の記事の続きで、糖の還元性について触れる。


220px-Beta-D-Glucose

By Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link

グルコース - Wikipedia


先に還元糖であるグルコースを眺めてみる。

上の形はピラノース型という環状の構造で、生物の教科書では綺麗な六角形で描かれることが多い。

ピラノース - Wikipedia


糖を理解する為にはピラノース型よりも前の


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Ben; Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる


アルデヒド型(直鎖)を見る。上の図で1と書かれた炭素(C)が5の炭素と繋がると、ピラノース型の環状のグルコースとなる。




話をアルデヒド型に戻し、糖とは何かを改めて見てみると、

糖は多価アルコール(OH基をたくさんもつ)の化合物で、他にアルデヒド基(-CHO)かケトン基を持つ。


アルデヒド型のグルコースを見ると、1の炭素(1位と呼ぶ)の箇所がアルデヒド基である。

ここでアルデヒド基のことに触れてみると、アルデヒド基は還元性を持ち、反応性が高いことになっている。

アルデヒド - Wikipedia


糖の還元性はアルデヒド基が影響していることになる。

これを踏まえた上でピラノース型のグルコースを見てみる。


640px-Alpha-D-glucopyranose-2D-skeletal

パブリック・ドメイン, リンク


αという表記は置いといて、

アルデヒド型の炭素の横の番号と、上の番号は一致していて、1と記載されている箇所がアルデヒド基になり、1位の炭素の箇所が還元性を持つ。




次に還元性を持たない糖を見てみる。


Trehalose2a

Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる


グルコースが2つ繋がった二糖のトレハロースがある。

両方のピラノース型のグルコースの環内のOの箇所に注目すると、1位の炭素同士(還元基)による結合で、外型に還元性を持つ基がないので、トレハロースは還元性が無いことになる。


還元性がない二糖を挙げたので、続いては還元性がある二糖を見てみる。


Beta-D-Lactose

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還元性を持つ二糖として乳糖(ラクトース)がある。

ラクトースは還元性の単糖のガラクトースとグルコースが結合した二糖で、図の右のピラノース型の方の環内のOが外側を向いているのでラクトースは還元性を持つことになる。


還元性(反応性)は生物の体内で重要になるので、おそらく土壌中でも何らかの影響を与えるはず。

還元性を元に土の形成を見てみたら、得られることが多いかもしれない。


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