様々な生物たちのβ-グルカンの記事で酵母のβ-グルカンを見始めることにした。

その前に糖の還元性あたりの記事から頻繁に挙がるグリコシド結合を見ることにする。


はじめに糖の還元性について復習しておくと、


640px-Alpha-D-glucopyranose-2D-skeletal

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環状になった糖の1の箇所のアルデヒド基の部分が反応性が高いとされている。

1位の炭素の下に緑色でOH基があるが、ここに他のOH基を持つ化合物、例えばエタノール(CH3OH)が


640px-Ethyl-glucoside

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C(1位の炭素)-OH + HO-CH3 → C-O-CH3 + H2Oと加水分解することをグリコシド結合と呼ぶ。


640px-Alpha-D-glucopyranose-2D-skeletal

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グルコースの化学式を眺めてみると、OH基が5個付いている。

グルコースが2つ並んだ時、一つのグルコースの1位の炭素と、他のグルコースの2〜6の炭素のどれかのOH基が結合することが出来る。


例えば、1つ目のグルコースが1位の炭素で、2つ目の炭素が3位の炭素間で結合すると、1,3-グリコシド結合ということになる。

グリコシド結合の前にαやβという接頭語があるけれども、グルコースにもいくつかの形があって、


640px-Beta-D-glucopyranose-2D-skeletal

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1位の炭素についたOH基の向きが縦方向であるか横方向で、2つ目のグルコースが縦方向のものが結合すれば、αの方の結合で後者であればβの方の結合となる。

シクロヘキサンの立体配座#いす形(アキシアルとエクアトリアル) - Wikipedia


これで酵母β-グルカンについて理解するための重要な要素を整理できたことになる。


糖について更に理解を深める為のオススメの記事

暗記しないで簡単に理解できる単糖から糖鎖までの(生)化学 - 東京福祉大学・大学院紀要第7巻第2号 pp159-177 (2017, 3)