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先日、野菜の加工をされている工場へ見学に行く機会があり、加工前の調整作業で出てきた外葉等の残渣をまとめている箇所があった。

工場の方の説明でしきりに水分残量を話され、水分残量が多い状態で放置すると臭気が発生するけど、水分残量を90%ちかくカットすると漬物の発酵のような香りがすると言っていた。


水分調整と、水分が減ることによって圧縮されたものが堆積するというのは、まさにボカシ肥料の製造の要のようなもので、ボカシの手法を上手く活用して、堆積箇所の周辺の住環境への配慮はさすがだった。

米ぬかボカシを作ろう!仕込んでみる!


この手の話でよくあるのが、堆積物の残渣の最終的な処分法だけど、こちらの工場の方は焼却処分をされているとのことだった。


詳しい数字は聴き逃したので、ざっくりと最低100kg/日以上は出るという前提の元でこの手の話は重量毎に処分費が決まるので、以前鶏糞の処理で聞いていた20円/kgですか?と聞いてみたら、京都地域はまさにドンピシャで20円/kgだった。

畜産の糞詰り問題から栽培側への影響


100kg/日を何も処理をせずに焼却処分をすると、100(kg/日) * 20(円) * 365(日) = 730000円/年となる。

水分量が90%カットすると、排出量が10kg/日になるので、年間にかかる焼却費が65万円分ぐらい。

堆積地における量や運搬の頻度も変わるので、年間70万円近くの費用が減ることになる。

※運搬にかかる人件費はみていません


価値あるものの裏には残渣の処分がある。

残渣を堆肥にすればいいじゃないか!という意見は頻繁に挙がるけれども、成分が常に不安定なものを安易に栽培の要の土作りで使用するなんて、栽培のプロのやることではない。

だからこの工場でも堆肥としては使用せず処分している。

※農業経営を行っていない方であれば堆肥利用は有り


今回の残渣の処分は至るところで問題になっているため、残渣の有効利用で様々な企業が活気付く可能性が大きそうだ。


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