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HiCさんによる写真ACからの写真


前回の野菜の美味しさとは何だろう?GABAのことの記事で、美味しい枝豆ことだだちゃ豆の特徴の一つにGABAの多さがあった。

他に目立った特徴として旨味の成分であるオルニチンも多かった。


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オルニチンといえば、


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ガイムさんによる写真ACからの写真


シジミに多く含まれる旨味成分ということで有名だ。


人がオルニチンを摂取すると美味いと感じるのは、オルニチンには何らかの良い効果があるからだろう。

というわけでオルニチンについて調べてみると、

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有害なアンモニアを尿素に変換する尿素回路を構成する物質の1つである

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オルニチン - Wikipedia

という記載を見かけた。


細胞内のタンパクの代謝等で有害なアンモニアが発生する。

そのアンモニアに対して、オルニチン + ATP由来のリン酸 + 炭酸 + アンモニアで


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シトルリンというアミノ酸になる。

※ATP由来のリン酸はシトルリンの合成の際に外れる


シトルリンと言えば、院生の頃に保水に因るものだったか、美容に関係するとして、製品化を目指していた研究室があったな。

シトルリン - Wikipedia


このシトルリンがいくつかの反応を経て、


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アルギニンというアミノ酸に変換される。

アルギニンは苦味を呈するアミノ酸だ。

味覚とアミノ酸


このアルギニンが、補因子にマンガン(Mn)をもつ酵素によって、アルギニン + 水 → オルニチン + 尿素になり、有毒なアンモニアをオルニチン等を経て毒性の少ない尿素に変換されたことになる。

ビタミンを理解する為に補酵素を知る


ここで発生したオルニチンは再び尿素回路で使用される。

尿素回路 - Wikipedia


オルニチンが旨味成分であるということで、オルニチンが有害なアンモニアを有害性の低い尿素に変換するという働きと合わせると、「野菜の美味しさ = 食べると健康になる」という話が更に現実味を帯びてきた。


だだちゃ豆にオルニチンが多いというのは、だだちゃ豆は他のダイズの品種と比較して、タンパクの代謝が激しいからなのだろうけれども、植物はアンモニアをアミノ基に還元して有機酸と結合することでアミノ酸に変換できるから、植物はオルニチンを他の用途で使用しているかもしれない。

光合成からアミノ酸の合成へ


それとも、光合成からアミノ酸にする反応以上にアンモニアが発生する品種なのか?

であれば、だだちゃ豆の栽培の鍵になるのは、マンガンということになる。


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