カテゴリー : 家畜糞堆肥

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葉の色が濃くなるとどうなるのか?

イネは肥料の窒素分をどう利用するか?の続きだけれども、一旦稲作から離れて、野菜全般の話に移る。この写真のミズナは牛糞を主として施肥を行っていたところのミズナで、秀品率が激減していた。ここの秀品率を改善するために施肥設計から牛糞を外し、植物性の有機物(剪定枝やコーヒー粕が主体)を主にしたところ、秀品率は3倍近くに向上した。撮影時の天候等で明確な写真というわけではないけれども、顕著にわかることとして、秀品率が高くなったところでは葉の色が薄くなっている。...

 

牛糞堆肥による土作りを勧めてくる方の腕は確かか?

11月頃になると毎年栽培について話す機会が多くなってくる。その中でかなりの頻度で質問される内容について書いておくことにする。牛糞等の家畜糞堆肥に依る土作りのことだ。家畜糞は成分的には有機質肥料に近いものがあって、土作り用の堆肥ではない。堆肥という名前で読んでいるのが諸悪の根源で、牛糞堆肥で土作りを行うことは望ましくない。※牛糞を有機質肥料と捉えて超高品質の米を収穫している方がいる。家畜糞堆肥による土作りを止める勇気をこの手の話をすると、そんなはずは...

 

栽培中に作物が感じているストレスとは何だろう?

肥料に関しての質問で、収穫時期をはやめたいや葉物野菜をなるべく長く収穫できるようにしたいといった内容が挙がることがある。これは作物の成長ははやくしつつ、開花は遅くしたいということで、肥料で実現できるとすれば、健康に育った野菜は人の健康へと繋がるはずの記事の内容に繋がっていく。実際に上記のようなことは肥料で可能であるのか?が気になるところだけれども、この話に関して興味深い内容がある。葉面散布等の追肥では、アミノサンプロ - 株式会社京都農...

 

栽培と枯草菌

前回までの記事でクオラムセンシングやバイオフィルムを見てきて、これらの知見が栽培で応用出来ないかと色々と検討してきた。植物の根と枯草菌のバイオフィルム最後に昔から言われてきた根圏の微生物との共生でみすず書房のこれからの微生物学 マイクロバイオータからCRISPERへに記載されている内容の紹介で締めることにしよう。上記の本の98ページの細菌と植物の成長の話題に下記の記載がある。/**********************************...

 

未熟な鶏糞内に含まれるであろう抗酸化作用

植物にとってビタミンB6とは?の続きまでの記事で、ビタミンB6が活性酸素に対して抗酸化作用があることがわかった。今まで見てきた活性酸素は電子を多く持って不安定になった酸素や水が、更なる安定を求めて、他の物質から電子を抜き取る作用があって、取られた物質は電子を取られることによって脆くなる。電子は糊付けの意味を持っていると捉えれば、電子を取られることで崩壊するすることはイメージしやすい。量子力学で生命の謎を解く抗酸化作用のある物質とは、活性酸素にいち早く電子を与えて、他の物...

 

シデロフォアから見る鉄不足に陥るところ

先日の土壌微生物とケイ素の記事でシデロフォアについて触れたけれども、この時表記したリンク先にとある文章があった。その文章を抜粋すると、/****************************************************************/一般的に土壌中の鉄濃度は植物成長の要求量以上であるが、石灰質土壌の場合にはその高いpHにより鉄が不溶性の水酸化鉄となり、植物の鉄不足が現れる。/*********************************...

 

魚の養殖と鶏糞

健康食品としてのクロレラまでの記事で、微細藻類の緑藻は人の社会にとって様々な可能性を秘めているらしいというような内容を記載してきた。次は肥料といきたいところだけれども、その前にもう少し微細藻類が注目されているところを記載しておきたい。微細藻類は健康食品で注目を集めているけれども、昨今の某ベンチャー企業によって燃料としての可能性もあるという認知が広まった。そもそもの話で石油自体が微細藻類由来だという発見があった。読み物:筑波大学|TSUKUBA FRON...

 

植物はカルシウムを使って体を丈夫にする

二酸化炭素濃縮後の有機酸は光合成以外でも使用されるか?植物の体が硬く直立するためには、各細胞毎に細胞壁と呼ばれる構造を持っていて、細胞壁はセルロース、ヘミセルロース、ペクチンとリグニンが必要とされる。リグニン合成と関与する多くの金属たちセルロースというのは、光合成産物であるグルコースがβ1-6結合と呼ばれる方法で繋がった多糖となる。糖の万能性ヘミセルロースというのは、セルロースと異なり、ヘミセルロースという名前の物質はなく、キシログルカン、キシラン、グルカンやマンナンと...

 

過ぎたるは猶及ばざるが如し

ヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち | 山と溪谷社国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち先日の記事で土壌学の研究者が書いた本を紹介した。地質時代から土壌の形成に触れることでpHのことを知るこの本では、土壌の成り立ちから、研究者は栽培においての土壌でどの点を意識しているのか?という流れから世界のマーケットに潜む問題まで書いている。中盤の土壌でどの点を意識しているのか?は前回紹...

 

京都市肥料講習会で基肥と予防の話をしました

昨年の京都市肥料講習会で家畜糞堆肥での土作りの注意点の話をしましたに引き続き、今年も講習会の講師として京都農販を選んで呼んでいただき、京都市内の農家、京都市の職員向けの肥料の勉強会を行いました。今年はアミノ酸肥料の要望がありましたので、いつもの基肥設計の背景にプラスアルファとして、秀品率向上 + 予防的意味合いのある酸素供給剤とアミノ酸肥料の話をしました。基肥設計で株を丈夫にし、便利な肥料で病原菌を弱めたり、免疫を向上させて、さらなる秀品率の向上を目指す内...

 

植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問う

講談社 新しい植物ホルモンの科学 第3版のサイトカイニンの章で周辺の栄養と発根についての記述があった。その内容を記載する前に、サイトカイニンについて触れておくと、高校生物においてのざっくりととしたサイトカイニンの説明に留めるけれども、By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Linkサイトカイニン - Wikipediaシュート(枝)の発生の促進で、オーキシンの逆の働きをする。オーキシンと脇芽と不定根オーキシンは側根の...

 

有機態窒素とは何ですか?

最近、農業関係の仕事をしていて化学の勉強をしている方から、下記のような質問があった。肥料で有機態窒素という名前がよく挙げるけど、有機態窒素とは何ですか?劣化で減った保肥力を増やせ一般的に有機質肥料を使用した時の有効な窒素分であることはなんとなくわかるけれども、実態を知りたい。とのこと。有機と言えば当然無機もあって、ざっくりと書くと、有機というのは炭素(C)を含む化合物で、炭酸、重炭酸塩(MCO3 or MHCO3 Mは何らかのミネラル)は除く。先に無機の窒素肥料でよく使...

 

牛糞堆肥が良いと広まったのは何故なのか?を考えてみる

もう、牛糞で土作りなんて止めようよシリーズで牛糞堆肥で土作りをすると秀品率が下がりつつ、経費が上がるということを散々書いてきたら、SNSや掲示板で偏見だとか声の大きなやつがといったことが書かれているのが時々目に付く。牛糞堆肥でこだわりの土作りをしている方で年々収量を落として、下手すると経営が傾きかかっていることすら起こっている。常識を疑うようなとんでもなく良い現象が起こっていう畑も見かけない。ここで気になるのが何故こんなにも牛糞堆肥が土作りにとって良いという話が出ているのだろう...

 

京都市肥料講習会で家畜糞堆肥での土作りの注意点の話をしました

京都市農業青年クラブさんの主催で京都市内の農家、京都市の職員、改良普及員向けの肥料の勉強会を行いました。肩書は技術顧問として関わっている株式会社京都農販の化学担当として内容は土壌分析の見方から始まり、どのような肥料にも一長一短があるよという内容が続き、その例として家畜糞堆肥の話をしています。鶏糞堆肥を安価な窒素肥料として見た場合は、鶏糞堆肥に含まれる炭酸石灰が思わぬ落とし穴になるよとか、カルシウム過剰によるカルシウム欠乏牛糞堆肥には腐植...

 

栽培と畜産の未来のために補足

栽培と畜産の未来のために2前回の内容を読んだという前提でいきなり補足どの家畜の排泄物に問わず、家畜は穀物の飼料を食べる。穀物の中には貯蔵性リン酸があって、家畜糞堆肥で土作りを行うと、続・もう、牛糞で土作りなんて止めようよEC値の他にリン酸の数値も極端に高くなる。貯蔵性リン酸ということだけあって、貯蔵性が高く土壌でもなかなか分解されにくい。つまりは、家畜糞 → 緑肥で家畜糞のデメリットを回避しつつ土作りをしたとしても、EC値は問題なくできたとしてもリン酸値...

 

栽培と畜産の未来のために2

栽培と畜産の未来のためにで家畜糞堆肥で土作りを行うためには、家畜糞堆肥はデメリットの方が大きいので、そのデメリットを逆に利用するためにイネ科の緑肥をかますという話を記載した。この話だけど、続きで社会的なことも書いていこうかと思う。日本の栽培と畜産では、肥料飼料共に大半を輸入に頼っている(らしい)。※業者の方に聞いた話であって、自身で輸入を行っているわけではないのでらしいをつけておく。日本企業の工場から発生する食品加工の残渣である有機物肥料でさえ、日本企業の工場自体...

 

栽培と畜産の未来のために

畜産の糞詰り問題から栽培側への影響までの記事で畜産で発生する家畜糞は処理が大変で、処理にはお金がかかるし、保管するにもお金がかかる上、保管自体がそもそも大変で、家畜糞を溜める、もしくは処理するだけで畜産にとっての負担となる。家畜糞は堆肥化することが推奨されているが、土壌のアルミニウムが腐植を守るまでの記事ともう、牛糞で土作りなんて止めようよの記事で、家畜糞堆肥には土作りの効果が高くないどころか障害が発生しやすい上、土壌に蓄積される有機物モデルから見ても家畜糞堆肥は...

 

畜産の糞詰り問題から栽培側への影響

前回、畜産の家畜糞の問題を挙げた。栽培と畜産の間にある糞詰り問題どんな問題かを要約すると・飼育中に排泄された糞尿は農場内で発酵処理を行うこと・糞尿の発酵処理を進める過程で発熱し、生成物に酸化剤が含まれていくこと・発酵処理を行った糞尿を処分する場合、処分費が発生すること要は畜産側で家畜糞を堆肥化して栽培側で全て利用しろとそういう背景があるわけですね。この先にはとんでもない話があって、農薬の使用量が年々増えている(減農薬できない)要因だと個人的には...

 

栽培と畜産の間にある糞詰り問題

当ブログを開設する前のこと。あることから鶏糞の発酵に関わることになり、鶏糞の諸刃の刃的な可能性と抱える問題で夢中になりました。発酵鶏糞ができるまで1鶏糞、栽培している人がこの言葉を聞くと、安価に入手できる窒素肥料というイメージがあると思う。実際には正しいのだが、これを養鶏農家から見ると全く別のものになる。そういう視点を神奈川県にあるコトブキ園という養鶏農家から教わった。コトブキ園 神奈川県相模原市の養鶏場 たまご街道 コトブキ園たまご、横濱鶏、...

 

鶏糞の質を成分分析から考える

養鶏農家から質問があった。鶏糞堆肥の販売の前に成分分析を行わなければならないけど、測る度に数値に違いがあった。発酵鶏糞ができるまで1① N : 2.0  P : 6.3  K : 5.9  C/N : 11.4② N : 3.6  P : 3.9  K : 2.3  C/N : 6③ N : 1.7  P : 4.8  K : 4.3  C/N : 11.9※N:窒素、P:リン酸、K:カリ、C/N:C/N比NPKを見るときは、どんな形の窒素かを想像する山の木々の間にあると...

 

臭いの原因は鉄で消臭しよう

鶏糞とか、それ以外の有機物の堆肥作りで時々二価鉄(Fe2+)を消臭のために入れるという話がちょくちょく挙がる。堆肥で臭いといえば、アンモニア、もしくはプロピオン酸周辺の物質が揮発して、それを感知しているからだろう。アンモニア臭は酸化で消そう臭いは固めて溶かして流してしまえって、今久しぶりに二個目の記事を読んでみたけど、福岡では豚糞の消臭でバチルス・チューリンゲンシスを利用しているのね。バチルス・チューリンゲンシスといえば、九州大学の論文にあった癌細胞のみを特異的に攻撃す...

 

窒素高めの有機配合肥料はあり得るか?

先日、とある肥料袋を見て、下記の様な話題が挙がった。見ていた肥料は有機質配合肥料、つまりは数ある有機質肥料を混ぜ合わせた肥料のことで、その肥料袋に記載されていたNPKが11:6:4の様な数字だったかな。その数字を見て、有機質肥料の配合肥料でNが10を超えるなんてありえないだろ!というもの。有機質肥料でNが10を超えるものはなかなかなく、窒素分が多いとされる油粕系が7付近、窒素分が多いとされる皮粉のNが12と、配合肥料の構成でほぼ皮粉であったらあり得るけど、肥料成分の...

 

有機態リン酸であるフィチン酸のリン酸を切り取りたい

鶏糞の中にある有用だけど厄介な有機態リン酸家畜糞の中に含まれている貯蔵用のリン酸であるフィチン酸強いキレート作用を持ちいろいろと厄介だぞ。キレートというのはおいおい説明するとして、リン酸はたくさんあるけど、分解しなければリン酸を摂取することはできないし、そもそも分解自体が難しいし、フィチン酸の各リン酸が手の様になって、大事なミネラル分をがっちりと掴んでしまう(キレート作用)し、フィチン酸 + ミネラルを摂取してもそのまま排泄されちゃうし、と言うことで、世の畜産農家はこ...

 

鶏糞の中にある有用だけど厄介な有機態リン酸

以前、鶏糞について調べている時、糞由来の構成を知るためには餌を知るべきということで、コトブキ園さんから普段どのような飼料を与えているのか?というものを教えてもらった。発酵鶏糞ができるまで2:成分編鶏の餌の主なものはトウモロコシだということは分かったが、飼料を調べている時にやたらとフィターゼ配合という表記が目についた。フィターゼ?何の生理反応に関わっている酵素だろう?と調べてみたところ、フィチン酸を分解する酵素ということが分かった。フィチン酸?By Y...

 

発酵鶏糞ができるまで5:四次発酵編

しっかりと発酵処理が施され、高品質と呼ばれる鶏糞の臭いを嗅いでみると、火薬臭がすると言われている。戦時中、家畜糞は火薬に使われていたらしく、発酵処理によって糞内に火薬の成分が合成されている。実際、ここでいう火薬の成分は発火や爆発の直接原因となる成分ではなく、発火の手助けをする酸化剤の硝石という鉱物で、構造はKNO3の硝酸カリウムである。硝酸カリウム - Wikipediaおそらくだけど、カリウムは飼料由来のものと反応だろうと予想する。...

 

発酵鶏糞ができるまで4:二~三次発酵編

前回の発酵鶏糞ができるまで3:一次発酵編で、一次発酵では、大量にあった尿酸が好気分解によってアンモニアに変化し、大半のアンモニアは発酵熱によって気化するということを記載した。それを踏まえて二次発酵以降の話。二次発酵は発酵熱によって熱くなった鶏糞を冷ます反応。ここでは注目すべき反応は特になくて、注目すべきことは三次発酵から。一次発酵終了時の大きな特徴として、大量の尿酸をアンモニアに変えたというだけあって、二次発酵時の鶏糞からはまだ若干の刺激臭...

 

発酵鶏糞ができるまで3:一次発酵編

発酵堆肥ができるまで2:成分編前回の話から、鶏糞の未発酵と発酵済みの大きな違いは、糞尿の中にある白い塊があるかどうかで、この成分が尿酸であるということが分かった。発酵処理で一番目立っているのが、この白い塊が消えることだと予想できるので、白い塊:尿酸がどのように消えていくか?を見ていくことにする。はじめに尿酸はシュードモナス属の緑膿菌という細菌によって分解される。鶏ふんの堆肥化過程での尿酸分解に関与する微生物 | 三重科技・農業研究部・生物機能開発グループ緑膿菌 - Wikipe...

 

発酵鶏糞ができるまで2:成分編

鶏糞、未発酵(左)と発酵済み(右)で見た目がこれだけ違う。発酵鶏糞ができるまで1では、発酵することによって何が消えて、何が増えたのか?まずは未発酵の白い色の成分を見ていきたい。まず前提条件として、大半の家畜は哺乳類だけど、鶏は鳥類で鳥類の大きな特徴は、(画像:尿酸 - Wikipedia)尿が尿酸という固形の白いものでできている。(哺乳類は尿素で液体)ここに写っている白い塊が尿酸で、写真では少なく見えるけど、糞尿の大半を占めている。哺乳類の家...

 

発酵鶏糞ができるまで1

続・アンモニア臭は酸化で消そうでアンモニアの酸化で消臭の話を記載した。アンモニアの酸化というのは、農業全体から見ればとても大事な話で、施肥効率だけでなく、硝化作用は牛糞や鶏糞といった家畜糞堆肥の目利きでも大事な話となってくる。硝化細菌が植物の根の周りで頑張ってる数年前、神奈川県にある養鶏農家のコトブキ園と高品質な鶏糞堆肥を追ってたことがあり、その時の経験をまとめてみたいと思う。ホームセンターに行くと、様々な種類の家畜糞堆肥がある。...


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