有効成分がグリホサートイソプロピルアミン塩という除草剤がある。

ホームセンターでよく見る農薬の一つラウンドアップという名前で売られていることが多い。

非選択性といわれる、全植物を即座に枯らす除草剤として扱われている。

ラウンドアップ - Wikipedia


植物特有の器官にダメージを与え、更に速攻で分解される成分であるため、安全性の高い農薬とされている。


このラウンドアップですが、安全性に関する論文を色々と探してみたら、下記の様なものがあった。

Glyphosate’s Suppression of Cytochrome P450 Enzymes and Amino Acid Biosynthesis by the Gut Microbiome: Pathways to Modern Diseases  Entropy 2013, 15(4), 1416-1463


概要を要約すると、

ラウンドアップがシトクロム P450 の働きを抑制し、アルツハイマーやがん、糖尿病などのリスクを増大させる可能性がある

というらしい。


シトクロム450というのは何なのか?

検索してみるとWikipediaのページが引っかかったので抜粋してみる。


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シトクロムP450(英語: Cytochrome P450)は特定の酸化還元酵素ファミリーに属する酵素の総称である。単にP450あるいはCYP(シップ)と呼ばれることがある。様々な基質を酸化し、多くの役割を果たす。肝臓において解毒を行う酵素として知られているとともに、ステロイドホルモンの生合成、脂肪酸の代謝や植物の二次代謝など、生物の正常活動に必要な様々な反応に関与している。NADPHなどの電子供与体と酸素を用いて基質を酸化することも共通である。シトクロムP450は細胞内の小胞体に多く、一部はミトコンドリアに存在する。動物では肝臓に多く、特によく研究されている。

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シトクロムP450 - Wikipedia


つまりは、食べ物を分解する際に発生している毒性の物質の分解かステロイドの合成に関与しているし、

人体だけでなく植物にも影響を与えている可能性があると。

※シトクロムP450に与える影響の過程を見ると、植物には関係ないかもしれない




/** ここから先は植物に影響を与えると仮定した上での話です。 **/


ここで注目すべきは、

酸化還元に関与した酵素であるので、

仮に除草剤で生き残ったにせよ、

散布された瞬間は体内を還元出来ない状態が発生するということ。


つまりは瞬間的に無防備になり、その時体内に傷を残す可能性があるということ

発生し続ける活性酸素

アミノレブリン酸のポテンシャル


シトクロムP450の抜粋の続きで


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植物のシトクロムP450は基質特異性が高く、多くの種類が存在するとされている、例えばイネにおいては候補遺伝子が400以上も発見されている。しかし、機能がわかっているものは少ない。

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シトクロムP450 - Wikipedia


イネにおいて候補遺伝子がたくさん発見されているけど、機能がわかっていないとすると、

散布直後に即座に分解されるからといって除草対象の植物以外の植物にとって安全と言い切ることは出来ない。


この話を進めるにあたって、

グリホサートイソプロピルアミン塩の作用機構は見ておいた方が良さそうだ。


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グリホサートは植物体内の何を潰す?


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