カテゴリー : 化学全般

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酵素の中の電子達

今回は前回の量子力学で生命の謎を解くの続きになるわけだけど、 酵素は本来はたくさんのエネルギーを使って物質を変化させるところを、 触媒反応ですこない反応で小さな物質に変えつつ、エネルギーを獲得する。 酵素には様々な種類があるため、 少しずつ明確化していくために有機物からエネルギーを獲得するための酸化還元系の酵素に焦点を絞る。 ミトコンドリアという糖から水と二酸化炭素に変えつつエネルギーを獲得する系において、 糖から少しずつ電子を取り出して、 電子伝達系でATPをたく...

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量子力学で生命の謎を解く

SBクリエイティブから出版された量子力学で生命の謎を解くという本を読んでいる。 量子力学という今まで一切触れてこず、全くの未知故、 序盤の方で記載されていた内容で既に衝撃だった。 何が衝撃だったか?といえば、 酵素の働きを量子力学で表現するとこんなにも鮮明になるのか! ということ。 酵素といえば、高校生物や生化学で下記のような内容を習う。 ざっくりとした物質になるけれども、 エネルギー(カロリー)を持つ物質があったとして、 たくさん高カロリーの物質から低カロ...

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元素118の新知識から金属酵素の働きを知る

星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人 38ページより引用 I-W系列と各微量要素 I-W系列を知ってから、微量要素についてのイメージがより鮮明となって、 各種金属酵素の働きを理解したい欲求が増えてきた。 まとまっている本はないか?と本屋で様々な生理学系の本を探してみたけれども見つからず… そんな中、 仕事用の本棚の整理をしていた時にふと目に付いた。 講談社ブルーバックスの元素118の新知識という本。 元素118の新知識|ブルーバックス|講談社BOO...

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蛇紋岩とニッケル

最近、再び蛇紋岩の話題が挙がる。 (玄武洞ミュージアムで撮影) 蛇紋岩で出来た山が近くにある田んぼ 蛇紋岩があるところといえば超苦鉄質岩に区分され、 読んで字のごとく苦土(マグネシウム)と鉄を多く含んでいる。 蛇紋岩地植物群 葉緑素の合成で苦土と同じぐらい大事なものは? 苦土と鉄を多く含んでいるということは、 栽培で大事な要素をふんだんに含んでいるのでとても良いじゃないか! ということになるけれども、 土壌の専門家は蛇紋岩の地質を良くは思わないらしい。 ...

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酸アミド系殺菌剤ペンチオピラド

2年前に京都市内の某所で、発生してしまったら止めることの出来ないと考えられていた黒腐れ菌核病を肥料と農薬の組み合わせて侵攻を止めた話があった。 京都市内で起こったすごいこと 侵攻を止めた背景に 黒腐れ菌核病の原因菌である糸状菌が低いpHで活発になるという情報があったため、 生理的塩基性肥料を用いて土壌のpHを高めて原因菌を苦手な環境に追い込み、 弱体化したところでペンチオピラドという殺菌剤を使用して伝染を止めた。 最近も有効成分がペンチオピラドの農薬の話題がちらほらと挙がるの...

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バリダマイシンAのポテンシャル

前回挙げたバリダマイシンAというトレハロースの分解阻害の農薬だけど、 先日、とある農薬会社のサイトで興味深い記述を見つけた。 バリダマイシンAという殺菌剤 今回はその記述を紹介する。 先日、対軟腐病の記事で植物自身の免疫を刺激することができるプラントアクティベータという農薬の話題が挙がり、 プラントアクティベータの作用があるものとしてプロベナゾールが挙がった。 防御の植物ホルモン、サリチル酸 プロベナゾールの推定作用点を見ると Dr.(ドクター)岩田の...

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バリダマイシンAという殺菌剤

最近よく聞く農薬でバリダマイシンAというものがある。 ネギやニラといった地上部だけカット収穫して、根を残して再生したところで再び収穫するような作物で、 カット収穫後に消毒という意味合いとして使用するという話をよく聞く。 話題に挙がったら可能な限り調べておくのが当サイトの方針なので、 今回も例外なくバリダマイシンAを調べておく。 はじめに構造を見ておくと、 バリダマイシンA Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用 3個の六炭糖が炭素-窒素結合?とグリコシド結合...

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殺菌剤の標的とSH酵素阻害

マンゼブ Ⅰ.評価対象農薬の概要 - 環境省より引用 前回の亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみるで亜鉛を含むマンゼブという農薬を見て、 実際の作用の話に入る前に金属酵素全般の話を書いた。 マンゼブの作用を改めて記載すると、 ジチオカーバメート系の殺菌剤であり、SH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を有すると考えられている ということだった。 とりあえず、SH酵素阻害から触れてみることにする。 SH酵素阻害と言えば、 銅を含んだ農薬のボルドー液の際...

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葉にアントシアニンを溜めるキャベツたち

葉がうっすらピンクのキャベツに遭遇。 慣習的な判断だと寒さの障害で葉にアントシアニンが蓄積した。 ということが多い。 周辺のキャベツは一律一緒の条件で寒さにあたるはずだけど、 アントシアニンが蓄積しているのは、どちらかというとこじんまりとしたキャベツに多い。 最近、連日アントシアニンの蓄積について記載したけれども、 アントシアニンの蓄積は明反応 暗反応の状態になった時に生じるもの。 葉でアントシアニンを蓄積させる意味 どちらかというとこじんまりとしたキャベツの方が寒...

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果実の熟成と活性酸素の働き

イチゴの果実形成で蓄積するアントシアニンまでの記事で、 アントシアニンの蓄積は水から電子を取り出す明反応 二酸化炭素を糖に変換する暗反応の関係になった時、 行き場をなくした電子が活性酸素となり組織に蓄積する際に、 活性酸素を抑えるためにアントシアニンが合成される という説が有力であることを記載した。 それは熟成中の果実の着色でも同じことが言える。 果実と活性酸素と言えば、 熟成中の光合成量の調整以外に気になることがある。 それは、 果実内発芽から見える...

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イチゴの果実形成で蓄積するアントシアニン

葉でアントシアニンを蓄積させる意味で寒い時に葉にアントシアニンが蓄積するのは、 光合成が明反応 暗反応の状態になり、 明反応で得た電子の余剰によって活性酸素が過剰になり、 活性酸素を抑えるために抗酸化物質であるアントシアニンを合成し抑制する。 アントシアニンは色素であるため、太陽の光に対するフィルターにもなり、明反応の量を減らす。 ということが現在の主流の考え方であることがわかった。 これを踏まえて、 果実の方のアントシアニンの蓄積の方も見ていきたい。 ...

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葉でアントシアニンを蓄積させる意味

イチゴの果実の着色を担う物質は何か?でイチゴの果実の紅色の色素とその合成経路がわかった。 それを踏まえた上で、色素であるアントシアニンが何であるのか? そこらへんを見ていきたいと思う。 アントシアニンに関して、日本植物生理学会のみんなのひろばにわかりやすい記事があったので、そちらを紹介する。 /**************************************************/ 無機養分の欠乏、過剰、アンバランス、温度ストレス、病害などはすべて葉の光合...

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イチゴの果実の着色を担う物質は何か?

渋谷農園さんのイチゴ、京の雫 色鮮やかなイチゴを頂いたので、 カットして断面を見てみたら、 果実の中身も鮮やかな紅色であった。 美味しさと色合いが気になったので、紅色に染まる現象についてを調べたくなった。 早速調べてみると、 イチゴの紅色はアントシアニンの蓄積らしい。 アントシアニンといえば紅葉や低温時の葉の変色の時と同じものだけれども、 そもそもの話でアントシアニンは葉に蓄積する色素の総称だ。 高野川が紅に染まりはじめる 寒空の下で盛り上がるカタバミ...

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I-W系列と各微量要素

星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人 昨年末の太古の生物は酸素によって現れた銅を活用したの記事で 衝撃的な書籍と出会ったことを記載した。 この本が学生の頃にあれば、 きっと人生は今とは違う方向に向かっていただろうなと思える程の衝撃であった。 農学や細胞学を勉強していてここまで生物と金属にピックアップして記述している本は見たことがなかったし、 この視点は農学を学ぶ上で理解を急激に進めるための手引となることは間違いない。 というわけで、 再び読み始めたわけだけ...

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放線菌と協働して軟腐病を減らす

菌と細菌についてまでの話題を経て触れたかった問題として、 軟腐病の蔓延を阻止したいというものだった。 軟腐病菌はグラム陰性の通性嫌気性の細胞で、 増殖が速く?、有効な殺菌剤がないとされている。 通性嫌気性とは? 今までの記事で軟腐病の被害を減らすために 植物本来備えている免疫作用を刺激して、感染時に備えることで被害を減らす という手が有効らしいということがあった。 軟腐病菌の侵攻を止めるには? 防御を強化してから、感染時に殺菌剤で対応する。 そうすれば、確度は相当...

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菌と細菌について

良い土の匂いは放線菌によるもの?で放線菌の話に触れた。 有機農業では放線菌の活発な土壌は良い土壌という認識があって、 確かに放線菌は、 ・好気性環境(酸素多め)で活発になりやすい ・カビ(菌)の外殻であるキチン質を積極的に分解する酵素を分泌する ・細菌に効く抗生物質を合成するものがいる といった特徴があり、 作物にとって栽培しやすい条件で増殖しつつ、 一部の土壌微生物が過剰に増殖することを防ぐ役割を果たすように見える。 それを踏まえた上で、再び放線菌の説明を読むと、...

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良い土の匂いは放線菌によるもの?

師のところで栽培を学んでいる時、 事務所を開放して栽培者向けの勉強会を開催したことがある。 紅土と黒ボクを見て思い出す師の言葉 招いた先生から下記のような事を教えていただいた。 良い土の土の匂いは放線菌によるもので…(以下略) この話は後にも時々見聞きするものだった。 更に農薬の話でもちょくちょく放線菌は登場する。 というわけで、 今ここで放線菌について見ておくことにする。 まずはWikipediaから放線菌の文章を抜粋してみると、 /************...

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軟腐病菌の侵攻を止めるには?

前回までの記事で、 栽培者にとって非常に厄介な軟腐病菌の生理的特徴を確認した。 通性嫌気性とは? 次に知るべきことは、 軟腐病菌が寄生先の植物に侵入する際の武器(酵素)を止める手段を植物側が持っているかどうか?だ。 具体的には侵入用の酵素を阻害する物質が存在しているかどうか? 対軟腐病 軟腐病菌が植物を攻撃する際に使用する酵素はペクチナーゼと呼び、 植物の細胞壁同士を結合させているペクチンという多糖類で、 ペクチナーゼは植物のペクチンを溶かす(分解する)ことによって寄生...

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通性嫌気性とは?

前回のグラム陰性の細菌とは?では、 栽培にとって非常に厄介な軟腐病の原因であるエルビニア・カロトボーラのグラム陰性の方の特徴を探った。 ざっくりとしたイメージなのであくまで参考程度に留めておくけれども、 エルビニア・カロトボーラは増殖が速く乾燥に弱いという条件がありそうだ。 今回はもう一つの特徴である通性嫌気性について見てみる。 通性嫌気性をWikipediaで読んでみると、下記のように記載されている。 /***********************************...

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グラム陰性の細菌とは?

前回の対軟腐病で(ネギの)軟腐病の原因菌を調べた。 結果は下記の通り、 細菌名はエルビニア・カロトボーラで、グラム陰性の通性嫌気性の細菌である。 ペクチナーゼという酵素を使って寄生した植物の細胞壁を弱体化させながら侵入する。 病気を調べると菌と細菌という文字をよく見かけるけど、 菌と細菌の違いはなんぞや? という疑問は一旦置いといて、 細菌は菌よりも細胞がシンプルで、増殖速めという前提で話を進める。 さて、細菌名とちょっとした特徴を得たところで、 最初の鍵であるグラ...

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