カテゴリー : 化学全般

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逆相関の交差抵抗性

前回の有機リン系殺虫剤の作用機構の記事で、 よく使用されている有機リン系殺虫剤の作用機構について触れた。 農薬を使用していて頻繁に挙がる話題として、 農薬の効きが年々悪くなってきたというものがある。 同じ農薬を使用し続けると、対象となる昆虫等が耐性を持って効かなくなるというものだ。 何故効かなくなるのか? 酵素と基質の鍵と鍵穴の関係程厳密ではないけれども、 酵素と農薬の間にもゆるい鍵と鍵穴の関係がある。 ビタミンを理解する為に補酵素を知る 上の図の右...

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有機リン系殺虫剤の作用機構

前回の成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?の記事で、コガタルリハムシという成虫で休眠をする甲虫に触れた。 コガタルリハムシは土壌で休眠中に抗菌性のペプチドを合成するが、 不思議なことに自身に影響を与える菌ではなく、ジャガイモの乾腐病菌の菌糸の伸長を抑制する物質であった。 もしかしたら畑において天敵以外でも作物に良い影響を与える昆虫は沢山要るのではないか? ここで気になるのは、 普段よく使用されている殺虫剤が天敵や作物にとって無害(もしかすると有益?)の昆虫も一緒に殺虫し...

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成虫で休眠する甲虫は土壌で何をしているのか?

昆虫の更なる理解を求め、 東海大学出版から販売されている耐性の昆虫学という本を読んでいる。 この本を読んでいると、昆虫はとても強く、そしてわからないだらけだということを痛感する。 耐性獲得の速さから栽培で殺虫剤を使用するという選択は実はとんでもない負債を背負うのではないか?と思えてくる。 この手の話は後日にしておいて、 コガタルリハムシという甲虫で興味深い話があったので紹介する。 この昆虫は タデ科の草の活躍 タデ科のギシギシ(スイバの仲間)を...

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米ぬかを利用した土壌還元消毒

以前、ダニの防除を調べていた時、 農文協から出版されているハダニ防除ハンドブックに米ぬかによる土壌還元消毒という手法が紹介されていた。 『ハダニ防除ハンドブック』國本佳範編著 - 田舎の本屋さん 有機質肥料としての米ぬか 主にハウスで1〜2トン/反の米ぬかを施用し、土壌を潅水して酸素の少ない状態にする。 潅水状態で土と米ぬかを撹拌して静置する。 土を乾かしビニールで覆うことによって酸素が入らない状態にして、20日近く静置する。 米ぬかを使用した土壌還元消毒における土壌窒...

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米油で揚げると揚げ物の食感がさっぱりとする

HiCさんによる写真ACからの写真 ひょんなことから米油の話題になった。 米油で揚げ物をするとさっぱりとした食感になると。 ※菜種油と比較して 米油の何の要素が上記のような食感になるのだろうかとふと気になった。 米油の容器の裏にα-トコフェロール、γ-オリザノールやフェルラ酸と記載されているけれども、これが揚げ物の食感を良くすることに貢献しているのか? アーモンドはビタミンEが豊富 γ-オリザノール - Wikipedia フェルラ酸 - Wikipedia Wik...

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アザミウマによる食害の軽減の一手としてのジャスモン酸

害虫獣実写フリー素材 | MiraiS 前回の病気の予防は昆虫を意識し、昆虫から学べの記事で、作物の病気の感染は虫に食害された穴から病原菌が体内に侵入することで発病することが多い為、食害被害を減らすことこそが予防に繋がるという内容を記載した。 であれば、病気の予防は適切なタイミングで殺虫剤を使用することになるわけだけれども、その前に触れておきたいことがある。 というわけでアザミウマと植物の相互関係について調べた時の結果を紹介する。 アザミウマと植物の生物間相互作用とそ...

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ナタネ油かすに含まれる脂肪酸は何か?

椰子の実の脂肪酸と菌根菌 採油し終わった粕に実に含まれていた脂肪酸等が粕に残ったと仮定して、 ヤシガラにはラウリン酸という菌根菌の増殖に関与した脂肪酸があったとする。 野菜の美味しさとは何だろう?食味の向上 上記の仮定がナタネ油かす、ダイズ油かすやゴマ油かすでも同様に言えるとしたら、 これらの油かすの有機質肥料はヤシガラ同様に菌根菌の増殖に関与するのだろうか? 上記の油粕に比較的短鎖の飽和脂肪酸があるか? このことを知りたいと検索をしたら、公益財団法人 日本油脂...

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野菜の美味しさとは何だろう?耐寒性

前回の野菜の美味しさとは何だろう?脂肪酸の記事で、第6の味覚として脂肪酸を感知する神経が発見されたという研究を紹介した。 この記事では同じ炭素数であっても、多価不飽和脂肪酸のリノール酸を味として強く感じるそうだ。 この内容を見てふと耐寒性の育種の事が頭に浮かんだ。 よく聞く話として、 寒さに触れた野菜は甘く美味しくなるという話題がある。 これは凍結防止として葉の中に糖を溜め込むからという理由があるけれども、 葉物野菜は寒さに触れて甘くなる 育種の手法...

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野菜の美味しさとは何だろう?脂肪酸

椰子の実の脂肪酸と菌根菌までの記事で脂肪酸が植物の発根に与える影響を見た。 脂肪酸と聞いて、人が脂肪酸を摂取するとどんな味を感じているのだろうなと早速検索してみた。 脂肪酸と味覚でGoogle検索してみたところ、 脂肪酸が第6番目の基本味である証拠となる神経を新発見 -今後の摂食行動・消化吸収との関連解明や食品開発へ影響大- | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY) という研究成果のページに行き着いた。 ざっくりと概要を書くと、 油脂を摂取し、唾液によ...

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椰子の実の脂肪酸と菌根菌

前回のヤシガラを試したら綺麗な細根が増えたらしいの記事で、ヤシガラを試したら細根が増えたというやりとりから、ヤシガラの元である椰子の実の成分を調べ、ヤシガラにも多少実の成分が含まれているであろうという仮定から、脂肪酸が植物の根に与える影響を調べてみたら、菌根菌であるアーバスキュラー(AM)菌の単独培養の研究に行き着いた。 今回は更に椰子の実に含まれる脂肪酸の内、 By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, Link ...

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植物の香気物質と健康

植物が発する香りは虫に対する忌避作用である可能性があるということを思い出した。 HiCさんによる写真ACからの写真 先日の記事の野菜の美味しさとは何だろう?香気で挙げたゴボウの香気物質をGoogleで「香気物質 + 虫」というワードで検索してみたところ、 主の要素の一つであるセスキテルペンラクトンで下記の内容が引っかかった。 3 天然物から得られるセスキテルペンラクトン化合物の殺虫作用(一般講演,第61回日本衛生動物学会西日本支部大会講演要旨) | J-STAGE 概要...

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野菜の美味しさとは何だろう?オルニチン

HiCさんによる写真ACからの写真 前回の野菜の美味しさとは何だろう?GABAのことの記事で、 美味しい枝豆ことだだちゃ豆の特徴の一つにGABAの多さがあった。 他に目立った特徴として旨味の成分であるオルニチンも多かった。 By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link オルニチンといえば、 ガイムさんによる写真ACからの写真 シジミに多く含まれる旨味成分ということで有名だ。 人がオルニチンを摂取すると...

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野菜の美味しさとは何だろう?GABA

野菜の美味しさとは何だろう?ということを主題として、 人が美味しさを感じる要素や仕組みを調べている。 肥料で食味を向上させることが出来るのであれば、 野菜をより多く食べる人が増え、野菜の摂取からより健康になる人が増えるのではないかと 野菜の美味しさとは何だろう?食味の向上 土地や栽培で味覚が向上している作物を思い浮かべてみたら、 HiCさんによる写真ACからの写真 山形県で栽培されているダイズ(枝豆)のだだちゃ豆が思い浮かんだ。 だだちゃ豆で有名な話といえ...

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野菜の美味しさとは何だろう?食味の向上

主に高級飲食店に出荷している方たちから 食味の向上の為に施肥の主として有機質肥料の魚粉肥料(フィッシュミール)を活用している という話題が頻繁に挙がる。 この後に続く話題としては、 魚粉肥料は年々入手が難しくなっていて、 米ぬかボカシを作ろう!仕込んでみる! 菜種油粕肥料でどこまで代替出来るのか? 意見を求められるのだが、返答に悩む。 なぜなら、これらの肥料が作物の食味にどのように関与しているのか?が想像つかないからだ。 おそらく、魚粉はダシ...

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野菜の美味しさとは何だろう?味覚の増強

今回も思い出話から始めよう。 fuaさんによる写真ACからの写真 手元に写真がないので素材サイトの写真をイメージとして載せておく。 師の元で栽培を学んでいるある日の事、 京都府の職員の方々にバーベキューに誘われ、 師から破棄のニンジンを渡され、持参して参加した。 栽培の中心にはいつも化学 この時はじめて師のニンジンを炭火ではじめて焼いただけのものを食べたのだけれども、 その時食べた味というのがまるで洋菓子を食べているような特徴的な甘さがありつつも、 砂糖菓子にあ...

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野菜の美味しさとは何だろう?味蕾のこと

Green Planetさんによる写真ACからの写真 学生の頃の農学実験でミカンの糖度を測り、味を確認するというものがあった。 この時話題に挙がったことで、 糖度が高いものが必ずしも美味しいとは限らないということ。 糖度は味に関係はしているけれども、 味を決めるのは糖度(甘味)だけではなく、酸味や旨味も重要だということだ。 他の講義の余談として、 味の数値化は味が複雑な要素で構成されているので難しい という話題もあった程だ。 それ故、 momo10...

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脂肪酸の生合成

前回のバニリルアミンの生合成の記事で、 HotDogさんによる写真ACからの写真 By Arrowsmaster - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link トウガラシの辛さであるカプサイシンのバニリル基の方を見た。 ※上の図の構造式の左側のベンゼン環がバニリル基 今回は脂肪酸の方を見ることにする。 acworksさんによる写真ACからの写真 脂肪酸というのは、 By Mrgreen71 - 投稿者自身による作...

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バニリルアミンの生合成

前回の辛さを感じるバニロイドの記事中で、 By Jü - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link バニリル基を持つバニロイドは人の温覚受容体に作用して、 熱さを伴うような痛みの感覚を与える という話題に触れた。 これらを踏まえた上で、 HotDogさんによる写真ACからの写真 トウガラシの辛味の要素である By Arrowsmaster - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link カプサイシン - Wi...

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辛さを感じるバニロイド

20代の頃に師の野菜と出会い、同じ品種なのに栽培者によって味がこんなにも異なるのは何故だろう?と気になった。 栽培の中心にはいつも化学 時が経ち、 施肥設計を徹底的に追求することで、発根量が増した作物と出会い、 これらの作物も良好な味覚であった。 施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせる どうやら、農薬を使用せずとも、虫の被害は少なく、病気にもなりにくい株というのは良好な食味になるらしい。 この要因は一体何なのだろう?と様々な書籍や論文を読み続け...

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トウガラシの赤い色素の合成を追う

前回の記事でトウガラシの赤い色素と辛味を肥料で増量することができるか? というテーマを元にカプサンチンとカプサイシンの化学式を見た。 オーガニックファームHARAさんのキャロライナ・リーパー 合成経路を眺めていれば、何らかのヒントがあるかもしれないので、 カプサンチンから整理してみることにする。 aiiroさんによる写真ACからの写真 カプサンチンというのは、パプリカの赤の色素で、 パブリック・ドメイン, Link イソプレン[CH2=C(CH...

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鉄の吸収とアルミニウムの無毒化

ある用語についてなんとなく現象を捉えていたとしても、 ある一つの説明が追加されることで見えるものが変わってくるもの。 緑肥の活用として注目しているMATE輸送体というものがあり、 ソルゴーのアルミニウム耐性でMATE輸送体について触れた。 酸性土壌で生きる植物たち ※写真はソルガム(ソルゴー:モロコシ)ではなく、トウモロコシかもしれない 強力な結合力を持ち、植物の根に毒性のあるアルミニウムを、 根から分泌したクエン酸によりキレートさせて無毒化させる作用で、 劣化し...

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生ゴミの消臭はベントナイトで

住宅地に畑があって栽培をしている方との話で、 有機質肥料の魚粕を使いたいけれども、近隣住民へのニオイを気にして使用できない。 油かすも魚粕と同じように成果が出るだろうか? という話題があった。 この話題に対して返答ではないけれども、ちょっとした小話がある。 生ゴミを毎日土に埋めている。 糖質の多いものや油っこいものを入れると、土に埋めたといえ少し臭う。 生ゴミを土に埋める前に、 ネコの砂等でも利用されているベントナイト(モンモリロナ...

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土壌が酸性でないところでもスギナが繁茂した

昨日、下記のような話題が挙がった。 スギナは酸性土壌を好むらしい 畑のど真ん中にスギナが繁茂している畑がある。 スギナは酸性土壌の指標だと言われているけれども、 栽培終了後の土壌分析のpHの値を確認すると理想値で、 おそらく栽培中でもpHは下がらなかったのに何で? スギナはpHは関係ないんじゃないの?という話題になった。 統計データを扱う時は最初に数字、その後にその数字の要因は何か?の手順で考察しなければ真実に近づかないのは常ということで、スギナの発生の...

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石灰を海に投入するという取り組み

大気中の二酸化炭素を減らす為の取り組みを調べていたら、 A dash of lime -- a new twist that may cut CO2 levels back to pre-industrial levels というページに辿り着いた。 解釈に誤りがなければだけれども、 炭酸石灰を熱してできた生石灰(CaO)を海水に入れると二酸化炭素を多く吸収するというもので、 CaCO3 → CaO + CO2 CaO + H2O → Ca(OH)2 //海水での反応 Ca(O...

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強力な温室効果ガスの一酸化二窒素

昨年のちょうど今頃、 大気中の温室効果ガスを減らしたいという記事で地球の温暖化により台風の被害は年々増す可能性があるという内容を紹介した。 昨今の地球温暖化は地球の周期で暑くなっているという説もあるけれども、 温室効果ガスの方が騒がれていて、騒がれている内容を解決しつつ物事をシンプルにしながら前進するのが常なので、 温室効果ガスの削減に貢献出来ることはないか?と模索してみる。 温室効果ガスは二酸化炭素や牛のゲップ等で発生するメタンだと言われているが、 今一度温室効果ガスについ...

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マルバアサガオがヨモギを避けるように伸長してる

街路樹の根元の草たちを見ていると、 おそらくマルバアサガオと思われる草が、 ちょうどヨモギらしき草の生えていないところを狙うように伸長していた。 容赦ないアサガオ ヨモギと言えばアレロパシーなので、 ヨモギが繁茂していないところでマルバアサガオが発芽したのはなんとなくわかるけれども、 エノコロと師の言葉とアレロパシー マルバアサガオがヨモギを避けるように伸長するのは、 ヨモギからの揮発物質とかで伸長方向も制御されていたりするのだろうか? ヨモ...

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モミラクトンの分泌量の増加を追う

イネから発見されたイソプレノイドのモミラクトン 前回の記事でイネの根からモミラクトンという物質が分泌されていて、 モミラクトンには抗菌性やアレロパシー活性があると記載した。 抗菌性というのはいもち病への耐性あたりで、 モミラクトンの分泌を促進できるような資材があれば、 栽培はもっと楽になるのではないか? というわけでモミラクトンについて更に調べてみると、 加藤 尚 イネの根からのアレロパシー物質モミラクトンの分泌 根の研究(Root Research)25 (1):5-...

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イネから発見されたイソプレノイドのモミラクトン

イネのサクラネチンはいもち病菌に対して抗菌作用を持つ イネのサクラネチンに引き続き、羊土社 基礎から学ぶ植物代謝科学に記載されている経路を眺めていたら、モミラクトンという物質が目についた。 By Charlesy - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link モミラクトンにはAとBがあり、ジテルペノイド(炭素数20に分類されるイソプレノイド)に分類される。 モミラクトンB - Wikipedia テルペン - Wikipedia イソプレノイドにつ...

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A-nokerさんの森のアスパラを頂きました

知人から佐賀県の太良町で営農しているA-noker(ええのうかー)さんのアスパラガスを頂きました。 森のアスパラ(ええのうかー) 大きめなのに筋っぽくなく、しかもすごく甘いアスパラガスでした。 一緒に入っているお便りを読んでみると、 アスパラガスの栄養価についての記載があり、 そこにアスパラガス酸の説明が記載されていた。 このアスパラガス酸だけれども、 お便りの前に読んでいた本にも興味深い話が記載されていたので、 今回はその内容を紹介することにしよう。 ...

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苦味や渋みのタンニン

cheetahさんによる写真ACからの写真 渋味とは何だろう?の記事で、渋味について触れた。 渋味というのは口腔内で唾液に含まれる高プロリンタンパク質(PRP)とタンニンが結合して沈殿することにより発生する不快感を指す。 植物の作り出すタンニンは動物が摂取すると不快感があり、再び食べようと思わせないことを目的としているようだ。 ※植物にとってのタンニンは防御に関することが大半 このタンニンだけれども、 味覚に関して興味深い特徴がある。 そもそもタンニンだけれども、 ...

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渋味とは何だろう?

cheetahさんによる写真ACからの写真 ワインやお茶といった嗜好性の高いものであったり、 カキ等の果実でよく見聞きする渋味という味覚がある。 ワインのポリフェノールに更に迫る 渋味という言葉は頻繁に挙がるけれども、 今までどのような味覚であるのか?ピンと来なかった。 この渋味に対して、 河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本にしっくりとくる説明が記載されていたので紹介する。 紹介の前に渋味を含めた大雑把な味覚を整理しておく...

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地形と土壌とテロワール

cheetahさんによる写真ACからの写真 前回のテロワールとミネラル感の記事でワインの品質の地域性について触れた。 テロワールとミネラル感は抽象度合いが高くて難しい概念であって賛否両論がある。 ミネラル感についても同様だ。 そんな中で、 河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本にテロワールに関して興味深い文面があった。 apfelさんによる写真ACからの写真 /**********************************...

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ポリフェノールはアミノ酸と反応するか?

腐植関連の論文を色々と眺めていたら、 土壌中の有機物が色々と結合してという表現を見かける。 その中にはタンパク質やアミノ酸という表現もあった。 腐植の主の骨格をフェノール性化合物に因るものであるとするならば、 フェノール性化合物とアミノ酸等が作用し合う内容を把握しなければ更なる理解を得ることは出来ないと思い、ポリフェノールとアミノ酸(もしくはアミド)の反応を調べてみることにした。 リグニン合成と関与する多くの金属たち 何故唐突にポリフェノールという名称を挙げたのか? それは...

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ナミハダニに対するプラントアクティベータ

農研機構のプレスリリースを眺めていたら、 (研究成果)トマトなどの虫害を天然物質で予防 | 農研機構というものを見かけた。 タバコ由来の天然物質であるロリオライドをトマトの葉に与えたところ、作物の重要害虫であるナミハダニ、ミカンキイロアザミウマやハスモンヨトウの生存率と産卵数の低下が確認できたとのこと。 ロリオライドは直接的な殺虫作用は持たないので、プラントアクティベータとして働いたということがわかった。 これはとても明るい未来に繋がる研究成果であって(他の研究成果も同様に未...

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ワインの熟成から土の形成を考える

cheetahさんによる写真ACからの写真 ワイン栓のコルクと熟成の記事まででポリフェノールが酸化により重合していくことをみた。 ワインは絶妙な酸素の管理によってポリフェノールを適度な変化に留めるが、 熟成に糸状菌あたりが酸化が進み入り込むとそうはいかないらしい。 ※赤ワインの酸化が進むと褐変するらしい。 これらの反応を見て、 ワインの熟成は土の形成を制限したもののように見えてきた。 アルミニウムの結合力とポリフェノールの吸着性 土の形成を制限したものであるとするなら...

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ワイン栓のコルクと熟成

cheetahさんによる写真ACからの写真 前回までの記事で 酸素はワインの敵と言われるがワインの熟成には若干の酸素を必要とするため、 酸素の管理というのが重要になるという話題を記載しいた。 ワインのポリフェノールに更に迫る ワインと聞いて連想するのが、 acworksさんによる写真ACからの写真 ワインは寝かせることで価値が増すということ。 寝かせて価値が挙がる要因としては、 ミズノハルカさんによる写真ACからの写真 ワインの栓として利用され...

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ワインのポリフェノールに更に迫る

cheetahさんによる写真ACからの写真 ワインのポリフェノールに迫るの続き。 前回はワイン中のポリフェノールの酸化について触れた。 酸化についてもう一つ重要なものが、 エタノールの酸化によって生成されたアセトアルデヒドだろう。 2CH3CH2OH(エタノール) + O2 → 2CH3CHO(アセトアルデヒド) + 2H2O アセトアルデヒド - Wikipedia アセトアルデヒドと聞いてイメージするのが、 悪酔いであったり、発がん性であったりと良い印象はないけれ...

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ワインのポリフェノールに迫る

cheetahさんによる写真ACからの写真 奥が深すぎるワインの熟成に引き続き、ポリフェノールの方の熟成を見ていく。 ワイン関連で出てくるポリフェノールというものが、色素のアントシアニンとタンニンらしい。 丹波の黒大豆の黒い色素の際に触れたポリフェノールを持ち出すと、 By Espresso777 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link プロアントシアニジン - Wikipedia ブドウの果皮にも含まれるプロアントシアニジン...

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奥が深すぎるワインの熟成

赤いブドウの色素の記事の際に、 河出書房新社 新しいワインの科学 ワインの科学の本を読み始めている旨を記載した。 ワインの奥の深さに驚いた。 ブドウの栽培の知見があまりにも先に行き過ぎていて、 他の作物でブドウの栽培を参考にするだけで秀品率が格段に向上するだろうし、 発酵に関する知見も微生物による発酵だけに留まらない点に感動した。 栽培の方は今回は触れず、ワインの熟成の方を見てみると、 まねきねこReggeさんによる写真ACからの写真 品質を決め...

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黒大豆に含まれる黒い色素は血圧の上昇を抑制する

前回の赤いブドウの色素の記事から再び、 momokaphotoさんによる写真ACからの写真 黒大豆の記事に戻る。 丹波の黒大豆の黒い色素の記事中に掲載したダイズのポリフェノールにアンギオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性という機能があると記載されていたので、今回はこの機能に触れてみる。 はじめに酵素名をそのまま検索してみると、下記のような情報を得ることが出来た。 /****************************************************...

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赤いブドウの色素

唐突だけれども、 河出書房新社から出版されている新しいワインの科学という本を読んでいる。 植物生理学で博士号を取得した方が書いたワインの本だ。 私自身、ワインを飲む習慣はないけれども、 最近ワイン関連の方と出会う率が増えたことと、ワインの話題が挙がるようになったので、 ワイン関連で近い内に何かありそうだということで読み始めた。 ワインの冒頭はここまでにして、 前回の丹波の黒大豆の黒い色素で触れた丹波の黒大豆の黒い色素についての続きを記載する。...

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丹波の黒大豆の黒い色素

丹波の黒大豆を頂いた。 その名の通り、豆が黒い。 ダイズと聞いて連想するのが、 momokaphotoさんによる写真ACからの写真 節分でよくお見かけする黄大豆あたりだろうか。 この色の違いは何だろうか?と考えると、 真先に思いつくのがポリフェノールだろう。 ポリフェノールとは何か?フラボノイド類 ダイズとポリフェノール関連のキーワードで検索してみると、 黒大豆・茶大豆に含まれる機能性物質プロアントシアニジン | 農研機構というページに辿り着いだ。 ...

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田の水が濁り続ける原因を探る

前回の水田の水が濁ったままだの記事で 畑作の連作を行った畑で土を休ませる目的で水田を行う田で、 入水後に水が全然澄まないという状況になったそうだ。 濁るというのは泥がなかなか沈殿しないからというのが真先に思いつくことだけれども、 もう少し丁寧に考えると何らかの物質がコロイド化していて、 コロイド化しているものが非常に小さくてちょっとした水の流れでも再び浮上している ということが考えられる。 先にコロイドについて触れておきたいところだけれども、 コロイドについては過去の記事...

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水田の水が濁ったままだ

某水田にて、 田に入水した後、しばらく待っても、 水が一行に澄まず、底が見えないという話題になった。 一般的には入水後は一時濁って、田によっては表面が緑になって、 春の入水後に緑藻が繁茂した しばらくすると水が澄んで底の泥が見えるようになる。 今回は田の水がいつまで経っても澄まない理由について考えてみることにする。 はじめに話題に挙がっている水田の栽培履歴を確認すると、 水田から畑作に転換したところで、 とある作物を長年連作していた場...

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土壌中にメラニンを分解する菌は居るのか?

キイロイトリさんによる写真ACからの写真 カブトムシの黒色は何の色素?の記事でカブトムシを含む昆虫の黒色はメラニンに因るものだと記載した。 メラニンといえば、美容におけるシミやそばかすの類で増えたら困るというイメージがある。 シミ消しという言葉があるように、 おそらくメラニンを分解するということは盛んに行われているはず。 分解と言えば酵素なので、 酵素系の研究といえば土壌中に微生物からの探索が主なので、 メラニン分解の研究を辿ればメラニンが土壌に還る仕組みのヒントが得ら...

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カブトムシの黒色は何の色素?

息子が通うこども園でカブトムシの蛹を見た。 ちょうど飼育用の容器の移し替えをしているところだった。 カブトムシの蛹の色は白だ。 カブトムシは羽化した直後は外翅の色は白で、 キイロイトリさんによる写真ACからの写真 すぐにみんなが思い浮かべるような黒っぽい色になる。 色と言えば色素という用語が頭に浮かび、 ふと、カブトムシの外骨格の色素ってなんだろうな?と疑問になった。 疑問になったらすぐに検索だ! ということでGoogleさんに聞いてみたら、 朝野 維起 ...

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アジサイの葉にはアルミニウム

前回のアジサイが青色の花を咲かせているで、 アジサイはどのようにして花弁でアルミニウムを利用しているのだろう? という疑問が生じた。 大半の植物はアルミニウムが根に接した時点で発根が停止してしまうはずだ。 酸性土壌で生きる植物たち というわけで、検索してみたところ、 アジサイはなぜアルミニウムの生育阻害作用を受けないか? - 農業環境技術研究所 環境生物部 他感物質研究室というページに辿り着いた。] アジサイは葉にアルミニウムを含んでいるらしく、 同時にクエン酸も豊富...

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アジサイが青色の花を咲かせている

季節も梅雨に突入し、 至るところでアジサイの花を咲かせ始めている。 アジサイといえば、 土壌のpHによって花弁の色が変わる花で有名である。 花弁の色が変わる要因というのが、 アジサイが生合成するデルフィニジンというアントシアニン(色素)がアルミニウムと結合することにより、変色するという仕組みらしい。 青い花が土壌の状態を示す 2016年にアジサイの花の色が青になる仕組みで色素とアルミニウムが結合するという内容を知って、それ以上不思議には思わなかったけれども、この記事以降...

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赤水菜は葉柄にアントシアニンを蓄える

赤水菜という品種を栽培しているところを見かけた。 赤水菜というのは、葉の中心が赤く(紫)なっている水菜のことで、 この赤色はアントシアニンの蓄積に因るものだそうだ。 通常の芯が白のものと比較すると、 当たり前だけれどもアントシアニンの合成の量が多いわけで、 その分だけより多く光合成をする必要があるだろう。 栽培者がアントシアニンの合成をサポートするとしたら何が良いだろう? イチゴの果実の着色を担う物質は何か?でアントシアニンの合成について触れたけれども、 アントシアニ...

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露地野菜の連作の間に稲作をかます意義

京都市内で営農されている方の間で、 ネギの連作で土が疲弊してきたら、一度水田にしてイネの栽培をかますことで土を回復させる という話が時々挙がる。 回復という表現はおそらく 春の入水 畑に入水することによって、 水に溶けているミネラルやコロイド化した粘土鉱物が入ってきて、 土壌粒子の構成を変える意味合いもあるだろうけれども、 土壌に残留していた肥料分を水に溶かして排出する という意味合いもあるだろう。 … と思っていたけれども、 残留して...

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