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カテゴリー : 光合成

 

ミカンの花芽分化と花芽形成

隔年結果とジベレリンの記事で、ミカンの木に冬期にジベレリン剤で処理すると花芽形成が抑制されるという内容を記載した。前回の記事でも記載した通り、各種休眠打破に関与する植物ホルモンのジベレリンが何故花芽形成の抑制に繋がるのか?がわからない。というわけで、ミカンの花芽形成について調べてみることにした。植物学の鉄則として、花芽形成の前に花芽分化というものがある。花芽形成というのは花に関する組織の発生が開始して花芽の伸長なりの現象を指す。一方、花芽分化というのは、ある細...

 

壁を伝う植物の感じる環境ストレス

舗装された小川の壁面に紅葉したツタを見かけた。写真の場所の壁面は若干西側を向いていて、日照量はそこそこ多いはず。何ものにも遮光されずに光合成し放題の場所故、光合成し過ぎのストレス過多の環境になるため、光合成を抑える為に紅葉したか?葉でアントシアニンを蓄積させる意味写真の場所の壁の向こう側は土になっている為、栄養(特にリン酸)不足の為の紅葉ではないだろう。リン酸欠乏で葉が赤や紫になることを考えてみるすぐ横で青々と茂っているツタがいるが、茂...

 

アントシアニンをたくさん溜め込んだカタバミが旺盛

梅雨の季節に入り、あちらこしらでアジサイの開花が目に付く。上の写真でもっと目に付いた箇所がある。それは、アジサイの根元で繁茂しているカタバミだ。このカタバミをよく見てみると、生育は苦戦していそうだ。このカタバミは冒頭のアジサイの株の左下にいたのだけれども、右下の方にアントシアニンびっしりの葉が展開していているカタバミらしき草がある。こちらはぼちぼち順調そうだ。これは葉にアントシアニンびっしり蓄えた方が丈夫...

 

ツタが壁を伝う

ツタらしき植物が目についた。ツタといえば、巻き付きではない形式で壁伝いに伸長する植物で、その仕組みは調べたことがなかったなと。とりあえず、壁に張り付いたツタに近づいてみた。ツタは壁に吸盤みたいなものでくっついている。吸盤らしき器官を壁から剥がしてみたら、壁側にくぼみが出来ていた。タコの吸盤のように壁にくっついていたのかな?と思ったが、植物の器官に吸引のような機能がなさそうなので、おそらく粘着物質の分泌が頭に浮かんだ。多糖ならあり得る。水溶性...

 

ラムネ菓子を食べている時にブドウ糖の製造方法が気になった

ラムネ菓子を食べている時に袋にブドウ糖という表記が目について気になった。ブドウ糖をウリにしている菓子が増えたなと。ハチミツの美味しさと各種糖の甘味度の記事で記載したけれども、ブドウ糖は糖ではあるけれども、砂糖(ショ糖)と比べると甘く感じないんだよな。お菓子の美味しさとしてはブドウ糖を含める事で味が低下するので、脳が速やかに利用出来るという機能性といった意味合いが強い事になる。もう一つブドウ糖の大きな特徴といえば、還元性を持つ糖ということで、還元性といえば反応しやすいという...

 

葉がねじれるイヌムギを見て、初春に生えるイネ科を考える

イヌムギの成長は早いなと常々思うの記事でイヌムギについて触れた。イヌムギといえば、そのねじれに秘密あり、な気がするの記事で、上の写真ではわかりにくいが、矢印のようにねじれが入り、葉の裏側が上を向いている事がある。どこで読んだか忘れたが、以前の自分が葉の裏表で葉緑体の数にあまり差がない原始的な葉だと記載していたので、それが正しいとして、あの記事から色々と知識を得た身として頭に浮かんだ事があった。葉緑体といえば、光合成を行う器官であるわけで、原始的...

 

ヤンバルでシマアザミと出会う

ヤンバルで緑色片岩と出会うの続きで、川で緑色片岩を探している時に、花が白い色をしたアザミと出会った。帰宅をしてから検索をしてみたら、在来種のシマアザミと名付けられているらしい。シマアザミ - 日本のアザミ:検索結果 標本・資料データベース :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyoこのアザミは面白くて、葉の色が薄く肉厚で光沢がある。アザミのロゼットは美し...

 

ポリフェノールと花粉症

花粉症の緩和の食材としてポリフェノールが有効という記述を時々見かける。ポリフェノールといえば、摂取後に血流にのって二時間ほど体内に滞在し、活性酸素の除去を行うという栄養素を指す。ポリフェノールの二つの効能お茶で風邪予防の仕組みを見るであれば、ポリフェノールが花粉症のようなアレルギー反応の緩和に関与するのは、脂肪酸の自動酸化による血流の悪化を軽減して、アレルギー反応を示す物質を局所に大量に蓄積させないという事か?と連想するが、別の話題があるかもしれないので一応調べておくことにす...

 

目の疲れのサプリメントのルテイン

パソコンでの読み書きが多く目が疲れる。調べものは電子ペーパーにすることで回避できるのか?と思ったりもするが、その前に目の疲れそのものを知っておく必要があるなということで、疲れ目について調べていく事にする。疲れ目とは何なのか?を調べる前に、もっととっつき易い事として、市販のサプリメントや目薬の成分から辿ると理解しやすいので、サプリメントを見てみることにする。近所のドラックストアで目に関するサプリメントを探してみると、大きく分けてブルーベリーとルテインがあった。ブルーベリーは...

 

除草剤でBCAA合成に影響があるものはあるか?

プロテインは何からできている?までの記事で筋疲労の軽減、筋プロテインの回復やプロテインの種類を見てきた。市販のプロテインは主にホエイプロテイン、カゼインプロテインとソイプロテインがあるらしいが、ここで気になってくるのが、ダイズ由来のソイプロテインで、除草剤の散布によってプロテイン内のアミノ酸組成に影響を与えるか?ということ。というわけで、朝倉書店 新版農薬の科学を引っ張り出して、アミノ酸合成、特にBCAAの合成に影響を与える除草剤があるか?を調べてみた。植物の...

 

クリの木の下で栗拾い

近所の林にブナ科のクリの実を拾いに行った。写真ではわからないが、林の手前は整備されていて、子供が頻繁に通るからクリのほとんどは毬(殻斗)のみになっていた。ブナ科の木を学ぶほど、クリという植物が不思議に思えてくる。クリは落葉広葉樹であるので、冬前に葉を落とす。この内容であればブナ科の他の木、例えばクヌギやアベマキも同じだろうと思うのだけれども、不思議に思うのはここからだ。クヌギやアベマキは大きなドングリとして有名で、花が花粉を受粉して...

 

企業の取り組みとしての葛布文化の保全

唐突に葛布で出来た服を購入することができるのかな?と思い検索をしてみた。葛布というのはグリーンモンスターと呼ばれるマメ科のクズから出来た布で、モンスターという名称があるように成長が旺盛だ。※グリーンモンスターと呼ばれるのは海外での話一方、日本ではクズは秋の七草の一つとして扱われていて、美しい花を咲かせる他、根に蓄えられたデンプンの活用、飼料としての利用や繊維から布を作ったりと有用な植物だったりする。秋の七草としてのクズはどんな草?葛布の歴史...

 

台風の時期になると、バーチャルウォーターのことが頭に浮かぶ

izu3さんによる写真ACからの写真台風の時期になると、バーチャルウォーター(仮想水)のことが頭に浮かぶ。バーチャルウォーターとは何か?を理解するためには光合成を理解する必要があるので、それを先に触れておく。例えば肉牛の飼料についてを考えてみる。飼料用トウモロコシの栽培の話題で思うことまでの記事で触れたが、飼料のトウモロコシの大半は輸入に頼っていた。このトウモロコシの主成分をデンプンだとして、デンプンはブドウ糖が繋がったものになり、ブドウ糖の化...

 

サクラの木の下の落葉の赤色は何だ?

サクラの木の下に落葉が落ちていた。この落葉を見て、赤色のカロテノイドが残っている。このカロテノイドは地面でどのような作用があるのだろう?と思って写真を撮影した。カロテノイドの生合成帰宅してから改めてこの写真を見ると、あの時はカロテノイドだと思ったけれども、もしかして光合成を抑えるためのアントシアニン?なんてことが頭に浮かび、この赤色の色素はどちらなのだろう?と迷った。葉でアントシアニンを蓄積させる意味上記のことが頭に浮かんだ時に、そういえば葉のカロテノ...

 

エノコロから涼を感じる

エノコログサ(通称ねこじゃらし)が繁茂している場所があった。エノコロといえば、C4型の光合成を行う草本植物で、夏の終わりあたりから群生として目立ってくる。エノコロと師の言葉とアレロパシーエノコロの群生を見ていると、つい最近までの連日の猛暑日でヘタってしまった草たちを横目に、これからいっちょ大量に光合成してやるか!といった意気込みを感じてしまう。内心、エノコログサに涼を感じている。

 

条件的CAM型植物のツルムラサキ

ツルムラサキのネバネバ成分は何のためにある?までの記事で水溶性食物繊維であるペクチンを調べ、それが多く含まれている作物としてツルムラサキを挙げた。なぜ、ツルムラサキの葉にはペクチンを多く含むのか?ヒントになりそうなものを探していたら、吉村泰幸著 日本国内に分布する CAM 植物及びその生育環境 - 日作紀(Jpn. J. Crop Sci.)90(3):277―299(2021)にたどり着いた。年々進む温暖化対策として、CAM型植物の栽培が注目されているらしく、ツルムラサキが...

 

植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄はどんな形?

前回の人は鉄鍋由来の鉄を摂取しても活用することができるのか?の記事で、人が鉄鍋から溶け出した鉄を摂取した後に利用できるのか?という疑問について探った。前回では人体では酸化された鉄(Fe3+:3価鉄)であっても利用可であることはわかったけれども、鉄鍋から溶け出した状態の酸化鉄(おそらくFe2O3)の摂取自体が可能であるか?はわかっていない。というわけで、栄養としての鉄を更に深堀してみることにする。厚生労働省の(2)微量ミネラル ①鉄がわかりやすかったので参考にすると...

 

ツツジの上の伸長の競合

低木のツツジの間からイネ科の背の高い草が生えているが、その草が不自然に曲がっている。ヤブガラシが巻き付いていて、イネ科の方がヤブガラシの重みで曲がっていたのか。しかし、このヤブガラシは何処からきた?イネ科の草とヤブガラシのどちらも低木のツツジの隙間から出てきたものだ。この2つの草はどちらも低木のツツジの根元で発芽して、ツツジの背丈を超えて出てきた草なのか…そう思うと、ツツジと光の競合をした後にツツジを超えた後も競合しあっているのかと思うと中々の興味...

 

ツワブキを見て、キクイモの栽培を思い出した

道の隙間から生えたツワブキが大きいの記事を書いていた時、ふと頭に浮かんだ事がある。師のところに居た時に、キクイモを植えたのだけれども、キクイモは養分食いで収穫後はしばらく何も育てられないという話があった事を思い出した。私のとっての農業とSOY Shopこれはどういうことなのだろう?という事が、ツワブキを見ていて少しわかった気がする。キクイモは川に近いところの植物なんだろうなということ。養分食いという言葉を聞いて連想するのが、与えた肥料分...

 

イチョウの落葉は綺麗な黄葉

イチョウの黄葉が目についた。綺麗な黄色になっているものだ。落葉したイチョウの葉が地面を黄色に染める。今までであればここで終わりだけれども、今ならもう少し深く見ることが出来る。例えば、落葉樹の葉は晩秋にタンニンを溜め込み、土へと旅立つの記事で見たようにタンニンを多く含む葉では、落葉する葉は茶褐色になる。上記内容と比較して、イチョウの葉は茶褐色にならない。イチョウの葉はタンニンをあまり蓄積しないようだ。タンニンは虫による...

 

君は上にいる低木が平面に整形されているのでここに生えたのか?

道の横にある生け垣で気になる葉があった。その葉というのが、矢印の箇所で、生け垣である低木を平面にしていなければ、この場所にこんな大きな葉は展開できないだろうと思った。この草で面白いと思ったのが、生け垣の上の方を見ると、低木のギリギリ上で花を展開していたことだ。花茎は太陽の光がふんだんに当たるところまで伸長して、太陽の光を感じたら開花するとか?この植物はおそらくキク科のツワブキという植物で、日陰がちなところを好...

 

稲作で急激な水温の変動は避けるべきか?

中干しをしないことが稲作の利益率を高める確信を得たの記事の続き。物理性の向上 + レンゲ + 中干し無しの稲作の作業の確認の際に下記のような話題が挙がった。※写真は無料素材のサイトからダウンロード上の写真のような感じの配置の田で、肥培管理が一緒にも関わらず、下の田の収量が多い場合があった。それとも水が何枚の田を経ることで地温が上昇したのか?それとも上の田で溶脱した、もしくはろ過された成分が下の田に何らかの影響を与えているのか?他にも要因はあるかもしれない。...

 

田からはじめる総合的病害虫管理の続き

稲作の中干しという管理技術の歴史は浅いの記事の続き。前回の記事で、/********************************************************/水田には優れた有機物の蓄積能があり、イネの蒸散による周辺の気候を穏やかにする特性がある中で、灌水と乾土を繰り返すのは、水田のもつ優れた機能を無くしてしまう可能性すらある。/********************************************************/という内容を...

 

物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題

土作り + レンゲ栽培 + 中干しなしの田がそろそろ収穫の時期を迎えようとしているが、若干の倒伏が見られるようになった。ここで栽培している方は例年よりも穂に重みを感じるが、中干しをしていないために夏場に肥料が効き過ぎたことに因るのではないか?という意見が挙がり、やはり中干しは必要ではないか?との事になった。中干しの有無については諸々を整理した後に改めて方針を決める事にしよう。※同じ肥料で栽培している周辺の田冒頭の田は写真ではわかりにくいが、...

 

開拓者魂を持つ草たち

前回の草原への旅立ちの記事の場所から視線を右側にずらすと、草むらがこんもりした場所があって、その先に草がほとんど生えていない場所がある。ほとんど生えていない場所はおそらく人為的に草刈りをしていなくても、草があまり生えないのだろう。そんな中で単子葉の草が目立っているのは、ケイ酸の吸収が上手で光合成の効率が高まっているから、紫外線や乾燥状態に強いのかな?なんて事を思ったりする。トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる植物由来のケイ酸塩鉱物、プラント・オ...

 

草原への旅立ち

芥川緑地の横に歩きやすい土手がある。上の写真の左側はアラカシの根元で始まる陣取りの舞台となっている緑地の林になっていて、写真からのイメージよりも林は奥に広がっていて、シイの木もあったりする。各ドングリのタンニン左側の陣取りの記事ではマメ科のハギ、マメ科のフジとマメ科のクズが陣取り合戦をしていた。写真右側は川の手前の草原のようなところで、左と比較して、右側で生えている草は紫外線の影響を大きく受けそうだ。この写真をよくよく見てみると、所々で...

 

穂いもちの発生に対して殺菌剤を使用して良いものか?

今年の長雨により低温障害や、稲いもちの被害が深刻化しつつある。低温障害は深水で根元を一定の温度に保つことで問題を緩和するとして、稲いもちの方は何かと厄介となる。いもちは以前、いもち病の抵抗性を色素の観点から見てみるの記事で、フラボノイドの一種であるサクラチネンの蓄積によって稲の株内への侵入を抑制できるという内容を記載した。ただ、フラボノイドであれば合成にはおそらく紫外線の照射が関係している可能性が高く、長雨による日射量不足でいもちの回避を困難にする。※他にケイ素で葉を頑丈にす...

 

稲作の冷害を緩和させるには土作り

出穂した籾の表面が黒ずむの記事で、籾の表面が黒くなっているものがあった事を記載した。他の籾同様膨らんでいるので、冷害による受粉の障害であるか?判断が難しいところだけれども、低温による何らかの生理現象である可能性が高いので、冷害ということで話を進める。一般論として冷害を回避する方法を探してみると、6. 稲作の冷害回避 - JA全農で堆肥を施用した田では冷害や異常気象下でもあまり減収しないということで、亜炭由来の腐植酸資材を用いる事が紹介されていた。JA全農が田で土作りは大事だと...

 

出穂した籾の表面が黒ずむ

一見、順調そうに育っているイネで、籾の表面が黒ずんでいるところが気になった。比較対象として、黒ずんでいないところはこんな感じ。今年の8月中旬あたりに記録的な長雨で日照時間が短くなった事による冷害なのだろう。観測している田の周辺でも同じぐらい黒ずんでいる箇所があった。観測している田では物理性が向上していて、土表面がヒビ割れするような中干しをしていないが、周辺の田も同様に籾が黒ずんでいることから、中干しなしによる障害という線はほぼな...

 

サンショウの実の香り

前回の葉が発する香りを整理してみるの記事を踏まえた上で、改めて、サンショウの香りについてを見ることにする。最初に果実の香りについて検索をしてみたところ、地域の香りを持つ特産物-飛騨のサンショウ- 岐阜県森林研究所のPDFにサンショウの実の香りの主な成分は、あら金 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによるd-リモネン(上の図の左)とEdgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンク...

 

葉が発する香りを整理してみる

先駆植物のサンショウについて学ぶの記事の続きをする前に、植物の葉を損傷した時に発せられる香りの仕組みというものを見ておきたい。香り化合物の合成経路から見えてくること例えば、Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる青葉アルコール - Wikipedia植物の香り化合物の一種である青葉アルコールを持ち出してみる。en:User:Edgar181 - en:Image:A...

 

肥料としてのヤシャブシの葉は養分以上の肥効があるかもしれない

ヤシャブシは水田の肥料として利用されていたらしいや落葉による土作り再びの記事を作成していた時にとある過去記事を思い出した。その過去記事というのが、水田土壌で新たに発見された窒素固定を行う細菌についてで、水田のような水を張る環境において、とある細菌が土壌中の還元された鉄を利用して、空気中の窒素ガスを反応させてアンモニアを合成するというもの。上記の内容の詳細は妹尾啓史 鉄で土を肥やす!低窒素農業がわかりやすい。上記のPDFだと田植え前の田に入水前に鉄資材を...

 

トマトが緑の香りを吸った時に体内では何が起こってる?

植物における脂肪酸の役割の記事で、施設栽培でのトマトの株に緑の香りを与えたところ、高温ストレスが緩和され、花落ちが軽減されたという画期的な研究報告を紹介した。紹介の際に高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていないと記載したが、日本バイオスティミュラント協議会 第3回講演会「温暖化による農作物への影響とその対策」 レポート (後編) | カルチべ取材班 現場参上 | カルチベ – 農耕と園藝ONLINEのページで、高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていた。トマトの株が緑の...

 

トマトの一本仕立てで発根量を抑えることでの懸念

前回のトマトの一本仕立ての記事を踏まえて、今回の内容へと続ける。トマトの木を一本仕立てにすることで、光合成能が高い下の葉に適切に太陽からの光が届き、秀品率が向上すると思いきや、ここで一点気になる事がある。気になることの話題を挙げる為に、高校生物あたりで習う植物ホルモンのオーキシンについて触れる事にする。オーキシンといえば、脇芽の発生は先端が抑えてる地上部の頂点で合成されて、頂点よりも下の脇芽の発生を抑制している。オーキシンの他の働きとして、維管束の形成...

 

トマトの一本仕立て

トマトの整枝作業中に服に付く緑のシミは何だ?までの記事で、トマト栽培での環境や化学の事を整理したので、そろそろ栽培自身について見ていくことにする。とりあえず、私が栽培の師から最初に習った一本仕立てについて見ていくことにする。栽培の中心にはいつも化学一本仕立てとは主の茎のみ残して、茎の伸長の途中で発生した脇芽をすべて取り除いて仕上げる木の形を指す。なんてことを文章で書いたけれども、文だけでは伝わりにくいので、写真を介して見ていくと、先に複葉を意識...

 

植物における脂肪酸の役割

トマトの栄養価から施肥を考えるの続き。前回の記事でトマトの果実の成分を整理し、その中のグルタミン酸について注目した。グルタミン酸の他に不飽和脂肪酸のリノール酸があったけれども、今回は脂肪酸について見てみる事にする。果実ではなく株全体で脂肪酸はどのように使われているのだろうか?すぐに思いつくものがリン脂質の細胞膜で、おそらくこれは一旦細胞ができてしまったら、果実には転流しないだろうから膜の脂質は見ないことにする。ということで、細胞内に遊離している脂肪酸について調...

 

トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?までの記事でトマト栽培とケイ素の話題を記載してきた。キュウリでの話であったが、ケイ素を吸収することで、葉内のマンガンの分布が均一化する事がトマトでも同様の事が言えるならば、これは相当凄いことになる。葉でマンガンが均一化していないということは、葉で局所的にマンガンが過剰になっている細胞と、逆の欠乏になっている細胞がある事になる。順は逆になるが、マンガンが欠乏している細胞では光合成の最初の反応である水から電子を取り出す事がうまくいかずに光...

 

トマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?

前回のトマトとケイ素の記事で、トマトはケイ素が非集積型の植物に分類され、ケイ素(ケイ酸)肥料を寝に与えても、根の周辺に集まったままであるらしいが、それはトマトの根のケイ素の輸送体の一部が欠損していたという理由だった。輸送体が欠損してから相当の時間が経過したので、葉や茎でのケイ素の要求はいくらか変化してしまったかもしれないが、ケイ素がないと奇形になるので、地上部はケイ素を求めているはず。そんなトマトに対して、どのようにケイ素を与えれば良いのだろうか?根からの吸収が期待できないと...

 

トマトとケイ素

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本で、ケイ素の話題がある。未解明の部分は多いが、ケイ素がもたらす良い効果が紹介されている。例えば、レタスがケイ素を吸収し体内で利用することで、マンガンの毒性を緩和するというもの。マンガンは光合成にとって重要だけれども、活性酸素に関与する要素でもあるわけで、葉に局所的に蓄積されると毒性を生じる。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとレタスがケイ素を吸収する事によって、葉内のマンガ...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな

トマトに限らず、施設内での栽培では鉄欠乏に陥りやすい。鉄は土壌中に大量にある成分であるはずなのに、何故鉄欠乏に陥りやすいのか?考えられる点は二点。鉄がいくら多いといえど、土を酷使している場合は、吸収できそうな鉄の絶対量が少なくなっている。もう一点は土壌の化学性の観点になる。施設は降雨が無いため、露地作と比較して、土が大量に水を得る機会が少ない。トマトであれば更に水を控えるという管理があるので、土が得られる水の量は更に少なくなる。降雨というものは偉大...

 

水耕栽培でマイクロバブルの利用は有効か?

果菜類の水耕栽培で、マイクロバブル(ファインバブル)やナノバブル(ウルトラファインバブル)の効果はどうか?という話題になった。先に個人的な意見を言うと、コストが合うならば導入すべきだと思っている。先にマイクロバブルやナノバブルとは何か?について触れておくと、端的に書くと酸素を長い時間水の中に滞在させる技術だと捉えて良いはずだけれどもどうだろう?マイクロバブルとナノバブルの差はその名の通り、気泡の大きさで、マイクロバブルは気泡径が1〜50μmで、ナノバブルは1μm以下。※厳密な...

 

光ストレス緩和の為のフラボノイド

前回のアブシジン酸は根以外でも合成されているか?の記事で、アブシジン酸は根だけでなく、葉でも合成されるという内容を記載した。それに伴い、強い光量による光ストレスによってアブシジン酸が合成され気孔が閉じるということもあり得るわけだ。光量が多くても、土の保水性がしっかりしていて、根からの水の吸収が常に蒸散に追いつくといった状態があるわけで、光ストレスでの生産性のロスも加味する必要があると思った。この課題が挙がった時に頭に浮かんだ事として、植物が有害な紫外線から身を...

 

アブシジン酸は根以外でも合成されているか?

施設栽培におけるECの管理についてまでの記事で、根からの吸水と気孔の開閉を見てきた。今回のは再び気孔の開閉に関して触れる事にする。高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事で乾燥や高温といった植物にとって辛い環境になると根がアブシジン酸を合成して、それが葉に到達して気孔を閉じるという内容を記載してきた。どちらも葉からの急激な蒸散による脱水症状を避ける為の防御反応のようなものだ。これらの内容以外で、光ストレスにより気孔を閉じるというものを見かけた。 ...

 

施設栽培におけるECの管理について

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本を読んでいる。この本が出版された頃、京都の北部でシシトウの施設栽培をしている方の間で読まれていて、頻繁に話題にも挙がっていたが、その時はまだ時期ではないと判断して読んでいなかった。土壌の物理性や生物性を経て、そろそろ細かいところを見る頃合いかと思い、この本を購入してみた。土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?施設栽培による環境制御から露地栽培にフィードバック出来る内容は多いはずと期待して読んでみ...

 

高温ストレスと気孔の開閉についてを考える

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考えるの記事の内容を投稿の為に整理している時、植物はいつプロリンを合成するのか?の内容を改めて読んでみた。乾燥時に見られるプロリン等の合成による葉のイオン濃度の上昇は高温時にも見られる事を改めて見た。高温時に何故、葉のイオン濃度を高めるのか?今回はその事について考えてみることにしよう。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏葉内のイオン濃度を高める最大の利点は根からの水の吸い上げを高める事になる。根から吸い上げ...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉と光合成を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考えるの記事で根からの水の吸い上げで重要な気孔の開閉で孔辺細胞の膨圧を見た。孔辺細胞にカリウムを流入させるか流出させるかで気孔の開閉を行っている。今回はカリウムの流出入周りを見ていくことにする。気孔の開閉は日周性、二酸化炭素濃度、受光量や葉周辺の湿度が関係しているらしい。ここらへんを簡潔なイメージで捉えられるように、ここで植物の生育にとって最も重要な光合成の反応を引っ張り出してくると、6CO2 + 12H2O → C6...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考えるの記事に引き続き、今回は葉の方の挙動である気孔の開閉について見ていくことにする。トマトの葉の裏側を顕微鏡でみると、Photohound - http://remf.dartmouth.edu/images/botanicalLeafSEM/source/16.htmlLicense on site: http://remf.dartmouth.edu/imagesindex.html この JPG ...

 

トマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考える

前回のトマトの果実のヒビ割れ問題に触れてみるの記事に引き続き、トマト果実の割れについて触れてみる。果実の割れの要因を整理すると・果皮が柔らかい状態・果実に急激に水が移行してきたであり、果皮を硬くすると、極力果実に水を移行させないという二つの切り口で問題を回避出来る。果皮の硬さについては、カルシウムの適切な吸収になるので、要因の後者の果実への水の移行とリンクする。水の移行についてわかっている事を整理すると、カルシウム過剰によるカルシウム欠乏当たり...

 

牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみると

今までも何度も記載してきたが、牛糞を堆肥として捉え土作りをするのは止めた方が良い。理由はいくつかあるのだけれども、それらの理由を感と経験だけで栽培している方にとって、どれもイメージがし難いらしい。ここ数年、栽培が難しくなったと相談を受けた時に、ほぼ全員が牛糞で土作りをしていちえ、牛糞の施肥を止めて、植物性の有機物へ切り替えただけで安定している。牛糞は有機質肥料として優れているかもしれないが、堆肥、つまりは大量に投入するものとしては向いていない。牛糞は有機質肥料としてイメー...


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