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カテゴリー : 稲作

稲作には米の栽培以上に様々な社会問題を解決する可能性を秘めている
 

水田の基肥の代替としての鶏糞の続きの続き

今回は水田の基肥の代替の鶏糞で臭気の影響は見ておくべきか?の続き。水稲で鶏糞を施肥する場合、一次発酵終了後の早熟か、四次発酵以降の熟成か選ぶことになり、どちらにも一長一短があることがわかった。栽培と畜産の間にある糞詰り問題次に気になることとして、家畜糞としての鶏糞に含まれるカリの多さだろうか。鶏糞にどれくらいのカリが含まれているのか?に関しては、たい肥情報一覧表 [鶏] - 豊橋市の資料がわかりやすいので参考にする。ばらつきはあるが、NPKを見ると、窒素よ...

 

水田の基肥の代替の鶏糞で臭気の影響は見ておくべきか?

水田の基肥の代替としての鶏糞の続きの記事で稲作の基肥として用いる場合、熟成度合いは少ない方が良いのか?それともしっかりと熟成した方が良いのか?に関して、窒素成分の観点からだと、熟成度合いが少ない方が良さそうだという内容を記載した。前回の記事の末尾で、鶏糞の熟成度合いで臭気の視点を加えたらどうだろう?という締めで終わった。というわけで、今回は臭気について考えてみる。以前、家畜糞の完熟で変化していく臭いの記事で家畜糞の熟成と臭気成分の変化について記載した。家畜糞は...

 

水田の基肥の代替としての鶏糞の続き

水田の基肥の代替としての鶏糞の記事で水田の基肥の代替として鶏糞が挙がっているという内容を記載した。この話で真っ先に頭に浮かんだのが、とある稲作農家が鶏糞は極力熟成が進んでいないものが欲しいと言ったことだ。とはいえ、排出したての生糞は外に持ち出せないので、一次発酵処理を終えたものだ。栽培と畜産の間にある糞詰り問題鶏糞は熟成する程、アンモニア態窒素が減り、硝酸態窒素が増えるという特徴があり、イネは硝酸態窒素よりアンモニア態窒素を好むので、とある稲作農家の発言は...

 

水田の基肥の代替としての鶏糞

水田の肥効にズレが生じているのでは?の記事で、今年の近隣の稲作では既に一発肥料の肥効にズレが生じているように見えるという内容を記載した。ここでふと気になったのが、配合肥料に含まれる有機質の成分で、検索をしてみたら、水稲の基肥の代替として鶏糞を挙げていることが多いことが気になった。今回は水稲の基肥としての鶏ふんの利用 - 農業・食品産業技術総合研究機構の内容に触れる。基肥の代替として鶏糞に着目している理由として、家畜家禽の糞の中で鶏糞が化成肥料に近い性質を有...

 

水田の肥効にズレが生じているのでは?

今年も近隣の水田の様子を見ているのだが、いつも見ている田よりも周辺の田の方が葉の色が薄い。※比較用の写真は載せないので、葉色の薄さは想像でお任せします。なぜ、上記の症状で違和感を感じているのか?というとレンゲ米の水田からイネの生長を考えるの記事に記載している内容であるが、いつも見ている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの田では地上部の初期生育が遅く、葉色が濃くなるのが周辺よりも遅い傾向にある。それにも関わらず、今年の周辺の水田の葉色が薄いのは、肥料の効きが若干ズレたから...

 

オタマジャクシたちが水面で口をパクパクしてた

物理性を向上した田での機械植えの田植え2024までの記事で触れている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの田で、定植したイネが活着し始めているように見える。田植え後しばらくすると、田にはいろんな生物が集まってきて(?)、にぎやかになってくる。そんな中、水面に大きな白い何かが動いていることが目に付いた。オタマジャクシが腹部を上にして水上に口を出しているように見える。しかもこの光景が頻繁に見られる。もしかして、水中は酸欠状態で、水上に口...

 

水稲で硫黄欠乏に注意した方が良さそうだ

シニグリンとアリルイソチオシアネートの記事で、硫黄を含む化合物を調べている時に、伊藤岳洋等 硫黄欠乏に対する植物の応答 適応のための内的動態 - 化学と生物 Vol. 60, No. 10, 2022にたどり着き、本編の内容とは関係ないが、概要に記載されている内容に気になった。気になった内容というのは、/***********************************/近年は硫化水素の発生により生じる秋落ちを防ぐために長期に渡り無硫酸根肥料を施用してきた圃場における水稲の-...

 

物理性を向上した田での機械植えの田植え2024

いつも見ている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの田で田植えが終了していた。2020年から物理性の改善をはじめて今年で5年目になる。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです20233年目までは物理性が改善したことによって、土と機械の相性が悪くなり、田植えのコストが上がってしまうのではないか?とヒヤヒヤしていたが、流石に5年目となると安心して見ていられる。物理性を向上した田での機械植えの田植えあともう一つ安心出来る点というのは、なんといっても...

 

和歌山市に地力を理解する為の何かがある予感がある

岩橋千塚古墳群と緑色片岩の記事で和歌山県和歌山市にある岩瀬千塚古墳群に行き、緑色片岩で建造された古墳を見てきたという内容を記載した。最近、古墳群が気になりだし、古墳群についての本を読むようになった。中学、高校の頃は歴史の授業が好きではなかったので、一から読み始めているといった感じだろうか。なぜ古墳群について興味を持っているのか?というと、知人の一言が印象に残ったからだ。その一言というのが、食料生産に余裕があるところでないと、歴史的な建造物を作ることはできないはず。古墳...

 

水田のメタン発生を抑制する為の鉄剤を考える

町を歩いていると、そろそろ春の田植えの準備が目に付くようになる。田植えの準備は色々あるが、重要なものに肥料の選定がある。稲作の肥料、特に一発肥料は優秀で、余程の天候異常が無い限り及第点以上の収穫になるので、施肥設計をいじるべきではない。今年の稲作でも一発肥料が意図通りに効いていないただ、水田からメタン発生を気にして乾田にすることは良い手なのだろうか?の記事でも触れた通り、水田から発生するメタンに対しての世間の目が厳しくなりつつある中で、メタンの抑制に対して何らかの手を打た...

 

水田からメタン発生を気にして乾田にすることは良い手なのだろうか?

先日のニュースで水田から発生するメタンについての話題があった。メタンといえば強力な温室効果ガスとして扱われていて、農業では水田と畜産(牛)が挙がっている。※水田でのメタンの発生については田の酸化還元電位に記載がある水田でのメタンの発生を抑えるには、中干しを行うか、腐植の蓄積が有効であるとされている。ここで興味深い話題があって、今までの知見を振り絞って腐植の蓄積を徹底的に行ってみたら、保水性が良くなりすぎて、田から水を抜いても土にヒビが生えなくなったどころか...

 

稲の収穫後のレンゲの直接播種の田

稲作の収穫後に耕さずにそのままレンゲを播種したであろう田を見た。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023等で話題に挙げている田で秀品率と利益率が格段に上がったからか、レンゲを播種する田が増えて良かったとしみじみ思う。そんなことより、わらを漉き込まずにレンゲを直接播種したところだけれども、収穫機が入って土が固くなっているにも関わらず、旺盛に葉が展開している。ひこばえが良い感じにレンゲの葉が寄り掛かれるようになっているので、お...

 

清水っ粉でできたからまる米すたー

今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたこと等の記事で話題に挙げている米粉を稲作から製造まで行っている方から清水っ粉 | 大阪産(もん)データベース米粉(清水っ粉)を用いた新作のからまる米すたーを頂いた。おすすめの調理方法に素揚げがあったので、素揚げを食してみた。米粉から出来ているだけあって、からまる米すたーの方はさっぱりとしていて、表面はカリッとしているので、揚げ物の食感を楽しみつつ、胃もたれはしに...

 

米の食味検査の結果が過去最高になったという連絡があった

新米を頂いた。新米を頂いた経緯は私の指導で今年の米の食味検査で結果が過去最高になったとのことで受け取って欲しいという連絡があった。上記では栽培指導をしたことになっているが実際のところは栽培の指導はしていなくて、高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の観測の報告会を行いましたの記事で記載している報告会に参加した方が事例を自発的に取り入れた事で食味が向上したようだ。上記の報告会は、自身の稲作の知見の整理の為に自発的に開催したもので、こうすれば食味が良くなるといった内容は一切...

 

稲作の地力窒素を考えるの続き

今回は稲作の地力窒素を考えるの続き。前回の記事で窒素肥料についてを分類して、有機態の窒素のタンパクが地力窒素に該当するのでは?と記載したが、タンパクの分解の早さを考えると難しいという内容を記載した。稲作には乾土効果という地力窒素の肥効を前倒しする手法があり、そこから地力窒素は土壌粒子に吸着している有機物であることが予想出来る。であれば、地力窒素の形状はある程度絞られることになる。地力窒素に関して検索をしてみたら、古い内容であるが、地力窒素の分子実体は何か ...

 

稲作の地力窒素を考える

米の粒を大きくしたいという相談があったの続きまでの記事で、稲作と米の加工を行っている方から米の粒を大きくするにはどうすれば良いのか?について整理してきた。これに対して、実の形成時の養分転流を意識することが大切だと触れ、植物ホルモンの観点から養分転流が最大になるようにすることを考えた。養分転流を最大にする件に関する一点目は、初期生育時の発根を活発にする事で、栽培後期の養分転流を活発化する。二店目に必要になるのが、おそらく地力窒素なので、今回は地力窒素に触れていくことにする。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があったの続き

今回は米の粒を大きくしたいという相談があったの内容の続き。前回の記事では近隣にある田で同じ施肥設計で栽培方法も同じにも関わらず、米の粒の大きさが違うという話題で、違う点を整理したら田植え前のレンゲの栽培履歴に差があった。であれば、田の有機物の量とレンゲ由来の地力窒素に差がある可能性が高いという当たりを付けることが出来た。この話題が挙がった時に、レンゲ栽培の期間が短い方に即効性の窒素成分の追肥をした方が良いですか?という追加の質問が挙がったがおそらくそれは違うと思うと返答した。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があった

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023の記事で紹介している田の方から興味深い質問があったので返答の整理を兼ねて記載していく。施肥設計、田植えや収穫時期が同じの二枚の田があって、片方(上の写真左)は例年通りの粒の大きさだが、もう一方(上の写真右)は粒が大きかったそうだ。加工では粒が大きい方が多いので、粒が大きくなった要因を知りたいとのこと。2つの田は隣接しておらず、間には小さな道路と6枚分の田がある。水源は同じだが、粒の小さな田の方が...

 

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023

中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た等の記事で話題に挙げている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの稲作で今年も無事に収穫を迎えることになった。今年の栽培では基肥の一発肥料を周辺の田の半分(一発肥料一袋)にして栽培をしたところ、倒伏しかかったが何とか持ちこたえる形となった。※物理性の改善時に粘土鉱物肥料を2袋/反程用いている。稲作で深植えの方が倒伏しなかったのは何故か?今年は猛暑日がきつくて長く、全国的に小粒の傾向があるらしいが、中干し無...

 

イネの出穂と開花

いつも見ている田を管理している方から今年も無事にイネの出穂がありましたと連絡があった。カテゴリー : 稲作毎年の事だけれども、こういう変化を見るのは嬉しいもの。雄蕊が出始めているので、開花中といったあたりか。※イネはどの段階が開花なのかよくわからないので、上の表現に対する自信はない。※イネの花の形状は籾の中に蕊(おしべやめしべ)があり、結実以降も外観は変わらない今年の猛暑はすごいものがあるが、とりあえず高温状態による深刻な影響はなさそうだ。これから...

 

一足早く穂が出たイネの株

近所の農道で田を見ていたら、一株だけ穂が出来ていた事が気になった。これを見たときにイネの花芽分化と花芽形成の条件って何だっけ?と思ったが、過去記事で触れていたので、リンクを掲載しておく。イネの花芽分化の条件イネは短日植物なので、花芽分化は夏至(6月下旬)を超えていればいつでも起こりうるかもしれない。次に花芽形成だけれども、明確な分け方をしていないので、イネの場合は花芽分化のみを見ておけば良いだろう。井澤毅 イネが光周性花芽形成の「モデル」って本当で...

 

これからの稲作は如何に土の保水性を向上するかになるはず

水稲の生育状況と今後の管理対策(高温対策臨時号 第2号)「異常高温に対応するため飽水管理を徹底してください」 - 新潟県農林水産部というニュースが目に付いた。今年の連日の猛暑が稲作の出穂以降の栽培に大きな影響を与えるので、水管理を徹底しましょう。ただし、用水路の水不足の心配もあるので節水も意識しましょう。という内容だった。上記の内容は近所の稲作を冬期も含め毎日観測していたので予想は出来ていて、中干し無しの稲作を見て、水資源の管理の重要性を感じる等の記事で用水路の水量の増加...

 

水田に張られた水は魚にとっては過酷な環境であるらしい

ドジョウがいる田はどんな条件の田なのだろう?の続き。とりあえず、ドジョウについて知るために検索をしてみたところ、中島淳著 ドジョウの実態とその保全 - 農業および園芸第95巻 第2号(2020年)にたどり着いた。なぜドジョウは水田に棲めるのか?という節にドジョウが水田に生息できる理由が記載されているのだが、その理由として干出と高水温という記載があった。干出というのは冬季に干上がって、夏季に水没を指す。上記のような環境でドジョウが生きれるのは、ドジョウの表面にある粘液による...

 

物理性の向上と中干し無しの田をサーモグラフィカメラを介して覗いてみたら

FLIR ONEというAndroid端末とつなげて動作するサーモグラフィカメラを購入した。家庭・アウトドア | Teledyne FLIRAndroidのスマートフォンにUSB Type-C経由でつなげて、専用のアプリを起動すれば上の写真のように撮影できる。ちなみに上の写真は玄関前のアスファルトで、13時頃に撮影したもの。撮影した時に現在地の気温を検索してみたところ、34℃(体感温度36℃)になっていた。夏の日中のアスファルトが如何に熱...

 

ドジョウがいる田はどんな条件の田なのだろう?

子供向けの教育番組でドジョウのことを知った。ドジョウといえば、田んぼの生き物として有名で、以前は田で採れる動物性のタンパク源だとされていたそうだ。だけれども、近隣の田の何処を見てもドジョウらしき魚は見当たらない。農業用の用水路で時々、ドジョウやカジカのような川底を這うような動きをする魚を見かけるけれども、その用水路の位置的な条件から近づくことが出来ず、川底を動き回る魚の詳細はわからず。近所にある高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)という施設で、近隣に生息する魚の展示があり...

 

今年の稲作でも一発肥料が意図通りに効いていない

昨日、隣の市で最高気温の39.8℃を観測したそうだ。この猛暑は植物の葉温にも多大な影響を与えているのだろうなと。こんな猛暑日だからこそ、日々の日課である中干し無しの田の様子を見に行った。中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がする上の写真は中干し無しで栽培をしているところ。俯瞰になるが、葉の色が全体的に薄緑であった。一方、隣の慣行的な栽培をして、中干し有りで栽培している田では、葉の色が黄化しはじめていた。どちらも一発肥料を...

 

稲作でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法

カドミウム除去という観点の緑肥の記事から引き続き、カドミウム関連の話題を記載する。文中で記載した長谷川功 植物とカドミウムに関する研究の変遷と課題 - 肥料科学,第42号,35~79(2020)を読み進めていたら、水稲でカドミウムの吸収を抑制する栽培方法についての記載があった。出穂前後3週間にわたり水田を湛水状態に保ち還元状態にすることで、カドミウムを溶解を抑制しイネの根からの吸収量を減らすといった記載があった。他にpHを中性に近づけておいたり、強度の中干しを行わないという記載も...

 

イネがカドミウムを吸収したら?

今回は汚泥肥料に含まれる可能性がある有害金属のことの続きタイトルからは汚泥肥料には常に有害金属は含まれているのではないか?と思ってしまうが、分析の話題が挙がっているものなので、実際には有害金属が含まれているものは市場に出回らないとして、仮に有害金属が過剰に含まれていたら?という前提で話を進めている。汚泥肥料で話題に挙がっている有害金属はカドミウムで、公害のイタイイタイ病で話題になった時はイネにカドミウムが蓄積したという話がある。イタイイタイ病#原因 - Wikip...

 

田の底のピンク色の扇形のひらひらは何だ?

中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がするの記事で田の底にいるジャンボタニシの写真を撮影しようとしていた時に、田の底にピンク色の糸っぽいのひらひらしたものがたくさんいた事が目に付いた。上の写真ではピンク色の点々があるように見えるけれども、どれもが糸状だ。田の底で動き続けている生物を撮影するのは難しい。気になったので帰宅してから調べてみたが見つからず。拡大して見てみたら、ピンク色の箇所には細長い穴が空いていたので、ホウネンエビ等が土に潜って、尾だ...

 

中干し無しの田でジャンボタニシが減った気がする

いつも見ている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの稲作の田で中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た気のせいか?今年はあまりジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を見かけない。ジャンボタニシのピンクの卵も田んぼを見回しても、ひと塊ぐらいしか見つからない。今年は他の田でも少ないのか?と思い、周辺の田を見回ってみると、ジャンボタニシがうじゃうじゃしていた。ジャンボタニシの捕獲が上手くなったのか?と確認してみたけれども、どうやらそうでもないらしい。...

 

中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た

レンゲ米の田の土表面の褐色化が目立つの記事等で話題に挙げている土壌改良 + レンゲ + 中干し無しの稲作をしている方と立ち話をしていたら、思い出したかのように昨年の米の収穫後の品質検査で一番でしたよという報告があった。この田では収穫機が止まる程の反収があったにも関わらず、品質は維持されている事に驚いた。昨年は今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの記事で触れた通り、周辺の田の大半で追肥が行われていたが、こちらの田では追肥は行わない上に、基肥の減肥は難しいなと話をしていた程施肥量が...

 

使用前の脱酸素材の鉄粉は肥料として使えるか?

Dr. Stoneという漫画で砂鉄から発電機や刀を作るシーンから我が家では磁鉄鉱が流行っている。脱酸素材の中の鉄脱酸素材から鉄粉を取り出して遊んでる。磁鉄鉱は鉄器造り以外で何に使えるのか?という質問があったので、使い終わった脱酸素剤や使い捨てカイロだったら肥料として使えるはずだと伝えた。稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良い使い終わった鉄粉というのは酸化して褐色化したものだ。これは水稲で鉄還元細菌によって窒素固定される事でイネの肥...

 

古墳時代以前の治水

稲作用の用水路が始まる場所の記事で稲作のために川から水を引っ張ってくる箇所を見た。上の写真ではコンクリートで用水路を作っているが、弥生時代から開始したとされる稲作でも用水路があったとされる。イネと鉄の弥生時代弥生時代にあったのは、長野の栄村小滝集落の米づくりで見たような水路だろうか?治水技術が発達したといわれる現在でさえ、吉野川は三大暴れ川と称されるだけあって、稲作が開始した頃の吉野川付近では、頻繁に発生する洪水が怖くて吉野川付近では稲作は...

 

稲作用の用水路が始まる場所

ここは近所の田にある用水路の開始地点。所謂川から水を引いているところだ。用水路に上流から流れてくる枝葉が入らないようにパイプで作った柵があるが、見ての通り大きな流木がぶつかった時には耐えられそうにない。画面右側に大きな傾斜の箇所を設けて、流木等は右側に流すようにして回避しているのか。稲作は国の重要な産業であるわけで、入水箇所一つ見ても深い歴史を感じる。この場所は柵が折れないように誰かが定期的に清掃しているのだろうな。関連記事光合成の質を高める為に川から...

 

高品質な炊飯器の開発は米の消費量を上げる

以前、福利厚生のようなものとして、高性能な炊飯器を導入したところがある。興味深い事に、ほぼ全員がご飯をおかわりするようになって、月の米の消費量が1.5倍程になった。炊飯器を導入した人が、稲作に補助金を出すよりも、炊飯器で一定の機能以上の開発を行っている組織に補助金を出した方が、食料自給率の向上に繋がるのでは?という意見が出る程、米の消費量が増えた。巷では米の消費量が減っているというが、若者が入る店でご飯のおかわり自由をウリにしているところをよく見かけ繁盛しているので、...

 

レンゲ米の田の土表面の褐色化が目立つ

いつも確認しているレンゲ米(土の物理性の改善を行い続けている田)の様子。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022写真ではわかりにくいが、全体的に土表面が褐色化していた。これほど目立った褐色化は昨年までは見られなかった。※実際には褐色化しているのが気になることがなかったので目立っていなかったのだろう。この田の施肥している肥料は把握していて、肥料で褐色化する要素は思い浮かばない。これは田の土壌の土の金属が酸化し...

 

西の仁多米、東の魚沼コシヒカリ

ヤマタノオロチ退治と赤い川までの記事で島根の各地域の位置関係がほんの少しだけれども見えてくるようになった。前回の記事ではヤマタノオロチの伝説がある斐伊川は、上流から流れてくる鉄により赤い川となり、それが伝説の由来となった可能性が高いと記載した。この斐伊川の上流には、※上の写真は他地域の田になる西の仁多米、東の魚沼と言われる程、高品質な米が栽培されている仁多米の田がある。仁多米の栽培条件から他地域での稲作のヒントになることが得られるかもしれないので、地図を眺めな...

 

イネと鉄の弥生時代

五斗長垣内遺跡と鉄器の記事で弥生時代後期に鉄器の製造を行っていた遺跡について触れた。鉄器の製造に長けた集落が当時の大王の王権を支えていた可能性があると。弥生時代後期の鉄器は後の戦争(倭国大乱)に繋がっていくらしいが、もともとは利器として扱われていたもので稲作の生産性の向上に大きく関わっていたそうだ。※利器は生活に役立つ道具 対義語として祭器(青銅器)がある※藤尾慎一郎 弥生鉄史観の見直し - 国立歴史民俗博物館研究報告 第 185 集 2014年2月弥生時代はイネと鉄...

 

弥生時代の稲作事情

今回は緑泥石を中心にしての記事の続き。緑泥石の話を進める前に確認しておきたいことがある。それは日本の歴史にある古墳時代(弥生時代の次の時代)では稲作が行われていたのか?ということ。小学校の社会の授業で触れる内容だけれども、今一度触れておくのは大事なので調べておく。大阪北部に高槻という街があるのだけれども、その中心駅から1km程離れたところに安満遺跡公園という施設がある。この施設はもともとは京都大学の研究用の農場があったところなのだけれども、弥生...

 

緑泥石を中心にして

好きな石を一つ挙げる。地質学の専門でもないのに、こんな話題が時々挙がる。その背景には肥料は様々な鉱物を粉砕したり、化学的な処理を加えて製造されることがあるからだ。そんな背景の中、好きな石を一つ挙げるとするならば、粘土鉱物の中に入っている緑の石の緑泥石(クロライド)だろう。緑泥石は2:1:1型粘土鉱物に分類される粘土鉱物で、栽培で使用すると優れた機能を有すると説明が加えられていることが多い。緑泥石はグリーンタフを形成する緑色凝灰岩...

 

レンゲ畑にひっそりと黄色い花

レンゲが満開になっている。満開のところで音に集中してみるとミツバチが採蜜している時の翅音が聞こえる。ミツバチといえば、花とミツバチの共進化、花の色の記事で触れた内容で、効率的に採蜜するため、一日の最初に訪れた花の色と同じ色の花に向かい続けるという特徴があった。この内容を踏まえ、レンゲの群衆の赤い丸の箇所でコオニタビラコらしき花が咲いていた。タンポポに似たあの花は何ものだしばらくの間、この畑に訪れるミツバチはこの黄色い花に...

 

2023年4月初旬のレンゲの様子

いつも見ているレンゲ米栽培の田のレンゲの様子。特に意味はないけれども、来年以降に見直す為のメモとして記事を投稿しておく。ちなみに昨年のちょうど今頃にレンゲの花が咲きそうだの記事を投稿していた。何気ない記事が地味に役に立つ。

 

今年はレンゲの開花が早い?

いつも見ているレンゲ米の田のレンゲが花を咲かせていた。写真には写っていないが、田の端ではたくさん咲いているがその様子は敢えて載せない。なんか今年はレンゲの開花が早いなと思い、昨年で同様の記事をいつ頃投稿したのか?を調べてみたら、レンゲの花が咲きそうだの記事で投稿日は2022年4月2日だ。今年は1週間半程はやく開花している事になっていて、栄養成長にも影響を与えているだろう。レンゲを鋤き込んだ際の有機物量が減っているかもしれないので、開花の前倒しは嫌だな。開花するとミツバ...

 

土壌の物理性が向上した所では緑肥の播種が難しくなるかも

ここは毎年見ているレンゲ米栽培をしている田で、今年もレンゲを育てている。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022昨年のちょうど今頃は、レンゲ畑がナズナの花で白い絨毯化した一面白い花で覆われたが、今年は今年はちらほらと白い花が見える程度になっている。今年は気候的にナズナにとって不利なのか?と思いつつ、周囲の田を見渡してみると、一面ナズナの花の田が3枚程あったので、これは土壌環境の状態に拠るものなのだろう。...

 

玄米は水稲と陸稲で食品成分の差はあるのか?

玄米食で亜鉛不足を解消できるか?までの記事で触れてきた食品成分データベース - 文部科学省のサイトが面白い。米で検索をすると、精白米や玄米だけでなく、炊く前(穀粒)や炊いた後(めし)や水稲や陸稲といった違いで比較できる。ここで気になったのが、玄米において水稲と陸稲にどれ程の違いがあるか?だ。おそらくこれから飼料米の栽培面積が伸びてくるのだろうけれども、栽培の省力化により陸稲(田に水を張らない)で栽培する面積が増えていく予感がある。よく稲作と麦作の違いとして...

 

米ぬかに含まれる食物繊維は腸内細菌叢に対して有効か?

米ぬかに含まれるミネラルまでの記事で、米ぬかの栄養価について見てきた。米ぬかに含まれている成分は、昨今問題になっている生活習慣病に対して有効である可能性が高く、しかもそれが廃棄物扱いで無料で手に入るという現状がある。ここらへんの見直しを行えば、稲作の収益は格段に上がるのではないか?と思えてくる。米ぬかについて更に見ておきたいものがあって、今回はそれに触れる。触れたい内容というのが、玄米の方に記載がある果皮と種皮だ。玄米を精米した時に果皮と種皮が粉砕され、米...

 

米ぬかから得られるイノシトールは神経に作用する

イネのストレス応答を医薬品として活用の話題に引き続き、もう一つ見ておく。米ぬかの主要成分の一つにYikrazuul - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる有機態リン酸のフィチン酸があることは栽培の方で重要な内容であるため何度も触れた。フィチン酸のもつ抗酸化作用とは何か?このフィチン酸の中心にある六角形の箇所をイノシトールと呼ぶけれども、Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる ...

 

イネのストレス応答を医薬品として活用

こめ油に含まれるもう一つの抗酸化作用を持つ物質までの記事で、米ぬかに含まれるトコトリエノールとフェルラ酸を見てきた。フェルラ酸の方で気になる事があるのだけれども、米ぬかの成分の方を優先して話を進める。米ぬかで気になる成分として、User:Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによるγ-オリザノールがある。※上の化学組成はオリザノールAオリザノールAをよく見ると、左がフェルラ酸で右がステロール(ステロイド骨格を持つ...

 

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておく

速効性のリン酸肥料はどんな形?の記事で速効性のリン酸として燐安と過リン酸石灰について触れた。速効性というのは水溶性(W-P2O5と表記する)であって、この用語で速攻で頭に浮かぶのが、稲作で使えるの?ということだろうか。ここで元JAの職員に話題を振ってみると、「稲作のリン酸を含んだ肥料といえばBMようりんあたりかな」なんて返答が返ってくる。そんなわけで、BMようりんについて触れてみる。唐突だけれども、最初にBMようりん(よう成リン肥)の製造方法について触...

 

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?

最近、栽培のリン酸の話題が増えている。きっかけは土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの記事周辺の内容になっている。リン酸は肥料学において主要な要素の位置付けになっているので、感と経験で栽培をしている方が収穫できない不安を和らげる為に過剰使用になる傾向がある。一方、リン酸は世界的にみて有限の資源で使用制限のある国もあるらしく、日本の栽培は逆行している面もある。冒頭の話はここまでにしておいて、最近あった話題を載せてみる。...


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