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カテゴリー : 稲作

稲作には米の栽培以上に様々な社会問題を解決する可能性を秘めている
電子書籍の販売をはじめました
 

使用前の脱酸素材の鉄粉は肥料として使えるか?

Dr. Stoneという漫画で砂鉄から発電機や刀を作るシーンから我が家では磁鉄鉱が流行っている。脱酸素材の中の鉄脱酸素材から鉄粉を取り出して遊んでる。磁鉄鉱は鉄器造り以外で何に使えるのか?という質問があったので、使い終わった脱酸素剤や使い捨てカイロだったら肥料として使えるはずだと伝えた。稲作で使い捨てカイロ由来の鉄剤の肥料があれば良い使い終わった鉄粉というのは酸化して褐色化したものだ。これは水稲で鉄還元細菌によって窒素固定される事でイネの肥...

 

古墳時代以前の治水

稲作用の用水路が始まる場所の記事で稲作のために川から水を引っ張ってくる箇所を見た。上の写真ではコンクリートで用水路を作っているが、弥生時代から開始したとされる稲作でも用水路があったとされる。イネと鉄の弥生時代弥生時代にあったのは、長野の栄村小滝集落の米づくりで見たような水路だろうか?治水技術が発達したといわれる現在でさえ、吉野川は三大暴れ川と称されるだけあって、稲作が開始した頃の吉野川付近では、頻繁に発生する洪水が怖くて吉野川付近では稲作は...

 

稲作用の用水路が始まる場所

ここは近所の田にある用水路の開始地点。所謂川から水を引いているところだ。用水路に上流から流れてくる枝葉が入らないようにパイプで作った柵があるが、見ての通り大きな流木がぶつかった時には耐えられそうにない。画面右側に大きな傾斜の箇所を設けて、流木等は右側に流すようにして回避しているのか。稲作は国の重要な産業であるわけで、入水箇所一つ見ても深い歴史を感じる。この場所は柵が折れないように誰かが定期的に清掃しているのだろうな。関連記事光合成の質を高める為に川から...

 

高品質な炊飯器の開発は米の消費量を上げる

以前、福利厚生のようなものとして、高性能な炊飯器を導入したところがある。興味深い事に、ほぼ全員がご飯をおかわりするようになって、月の米の消費量が1.5倍程になった。炊飯器を導入した人が、稲作に補助金を出すよりも、炊飯器で一定の機能以上の開発を行っている組織に補助金を出した方が、食料自給率の向上に繋がるのでは?という意見が出る程、米の消費量が増えた。巷では米の消費量が減っているというが、若者が入る店でご飯のおかわり自由をウリにしているところをよく見かけ繁盛しているので、...

 

レンゲ米の田の土表面の褐色化が目立つ

いつも確認しているレンゲ米(土の物理性の改善を行い続けている田)の様子。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022写真ではわかりにくいが、全体的に土表面が褐色化していた。これほど目立った褐色化は昨年までは見られなかった。※実際には褐色化しているのが気になることがなかったので目立っていなかったのだろう。この田の施肥している肥料は把握していて、肥料で褐色化する要素は思い浮かばない。これは田の土壌の土の金属が酸化し...

 

西の仁多米、東の魚沼コシヒカリ

ヤマタノオロチ退治と赤い川までの記事で島根の各地域の位置関係がほんの少しだけれども見えてくるようになった。前回の記事ではヤマタノオロチの伝説がある斐伊川は、上流から流れてくる鉄により赤い川となり、それが伝説の由来となった可能性が高いと記載した。この斐伊川の上流には、※上の写真は他地域の田になる西の仁多米、東の魚沼と言われる程、高品質な米が栽培されている仁多米の田がある。仁多米の栽培条件から他地域での稲作のヒントになることが得られるかもしれないので、地図を眺めな...

 

イネと鉄の弥生時代

五斗長垣内遺跡と鉄器の記事で弥生時代後期に鉄器の製造を行っていた遺跡について触れた。鉄器の製造に長けた集落が当時の大王の王権を支えていた可能性があると。弥生時代後期の鉄器は後の戦争(倭国大乱)に繋がっていくらしいが、もともとは利器として扱われていたもので稲作の生産性の向上に大きく関わっていたそうだ。※利器は生活に役立つ道具 対義語として祭器(青銅器)がある※藤尾慎一郎 弥生鉄史観の見直し - 国立歴史民俗博物館研究報告 第 185 集 2014年2月弥生時代はイネと鉄...

 

弥生時代の稲作事情

今回は緑泥石を中心にしての記事の続き。緑泥石の話を進める前に確認しておきたいことがある。それは日本の歴史にある古墳時代(弥生時代の次の時代)では稲作が行われていたのか?ということ。小学校の社会の授業で触れる内容だけれども、今一度触れておくのは大事なので調べておく。大阪北部に高槻という街があるのだけれども、その中心駅から1km程離れたところに安満遺跡公園という施設がある。この施設はもともとは京都大学の研究用の農場があったところなのだけれども、弥生...

 

緑泥石を中心にして

好きな石を一つ挙げる。地質学の専門でもないのに、こんな話題が時々挙がる。その背景には肥料は様々な鉱物を粉砕したり、化学的な処理を加えて製造されることがあるからだ。そんな背景の中、好きな石を一つ挙げるとするならば、粘土鉱物の中に入っている緑の石の緑泥石(クロライド)だろう。緑泥石は2:1:1型粘土鉱物に分類される粘土鉱物で、栽培で使用すると優れた機能を有すると説明が加えられていることが多い。緑泥石はグリーンタフを形成する緑色凝灰岩...

 

レンゲ畑にひっそりと黄色い花

レンゲが満開になっている。満開のところで音に集中してみるとミツバチが採蜜している時の翅音が聞こえる。ミツバチといえば、花とミツバチの共進化、花の色の記事で触れた内容で、効率的に採蜜するため、一日の最初に訪れた花の色と同じ色の花に向かい続けるという特徴があった。この内容を踏まえ、レンゲの群衆の赤い丸の箇所でコオニタビラコらしき花が咲いていた。タンポポに似たあの花は何ものだしばらくの間、この畑に訪れるミツバチはこの黄色い花に...

 

2023年4月初旬のレンゲの様子

いつも見ているレンゲ米栽培の田のレンゲの様子。特に意味はないけれども、来年以降に見直す為のメモとして記事を投稿しておく。ちなみに昨年のちょうど今頃にレンゲの花が咲きそうだの記事を投稿していた。何気ない記事が地味に役に立つ。

 

今年はレンゲの開花が早い?

いつも見ているレンゲ米の田のレンゲが花を咲かせていた。写真には写っていないが、田の端ではたくさん咲いているがその様子は敢えて載せない。なんか今年はレンゲの開花が早いなと思い、昨年で同様の記事をいつ頃投稿したのか?を調べてみたら、レンゲの花が咲きそうだの記事で投稿日は2022年4月2日だ。今年は1週間半程はやく開花している事になっていて、栄養成長にも影響を与えているだろう。レンゲを鋤き込んだ際の有機物量が減っているかもしれないので、開花の前倒しは嫌だな。開花するとミツバ...

 

土壌の物理性が向上した所では緑肥の播種が難しくなるかも

ここは毎年見ているレンゲ米栽培をしている田で、今年もレンゲを育てている。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022昨年のちょうど今頃は、レンゲ畑がナズナの花で白い絨毯化した一面白い花で覆われたが、今年は今年はちらほらと白い花が見える程度になっている。今年は気候的にナズナにとって不利なのか?と思いつつ、周囲の田を見渡してみると、一面ナズナの花の田が3枚程あったので、これは土壌環境の状態に拠るものなのだろう。...

 

玄米は水稲と陸稲で食品成分の差はあるのか?

玄米食で亜鉛不足を解消できるか?までの記事で触れてきた食品成分データベース - 文部科学省のサイトが面白い。米で検索をすると、精白米や玄米だけでなく、炊く前(穀粒)や炊いた後(めし)や水稲や陸稲といった違いで比較できる。ここで気になったのが、玄米において水稲と陸稲にどれ程の違いがあるか?だ。おそらくこれから飼料米の栽培面積が伸びてくるのだろうけれども、栽培の省力化により陸稲(田に水を張らない)で栽培する面積が増えていく予感がある。よく稲作と麦作の違いとして...

 

米ぬかに含まれる食物繊維は腸内細菌叢に対して有効か?

米ぬかに含まれるミネラルまでの記事で、米ぬかの栄養価について見てきた。米ぬかに含まれている成分は、昨今問題になっている生活習慣病に対して有効である可能性が高く、しかもそれが廃棄物扱いで無料で手に入るという現状がある。ここらへんの見直しを行えば、稲作の収益は格段に上がるのではないか?と思えてくる。米ぬかについて更に見ておきたいものがあって、今回はそれに触れる。触れたい内容というのが、玄米の方に記載がある果皮と種皮だ。玄米を精米した時に果皮と種皮が粉砕され、米...

 

米ぬかから得られるイノシトールは神経に作用する

イネのストレス応答を医薬品として活用の話題に引き続き、もう一つ見ておく。米ぬかの主要成分の一つにYikrazuul - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる有機態リン酸のフィチン酸があることは栽培の方で重要な内容であるため何度も触れた。フィチン酸のもつ抗酸化作用とは何か?このフィチン酸の中心にある六角形の箇所をイノシトールと呼ぶけれども、Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる ...

 

イネのストレス応答を医薬品として活用

こめ油に含まれるもう一つの抗酸化作用を持つ物質までの記事で、米ぬかに含まれるトコトリエノールとフェルラ酸を見てきた。フェルラ酸の方で気になる事があるのだけれども、米ぬかの成分の方を優先して話を進める。米ぬかで気になる成分として、User:Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによるγ-オリザノールがある。※上の化学組成はオリザノールAオリザノールAをよく見ると、左がフェルラ酸で右がステロール(ステロイド骨格を持つ...

 

稲作のリン酸肥料としてBMようりんについて触れておく

速効性のリン酸肥料はどんな形?の記事で速効性のリン酸として燐安と過リン酸石灰について触れた。速効性というのは水溶性(W-P2O5と表記する)であって、この用語で速攻で頭に浮かぶのが、稲作で使えるの?ということだろうか。ここで元JAの職員に話題を振ってみると、「稲作のリン酸を含んだ肥料といえばBMようりんあたりかな」なんて返答が返ってくる。そんなわけで、BMようりんについて触れてみる。唐突だけれども、最初にBMようりん(よう成リン肥)の製造方法について触...

 

畑作の輪作の稲作ではリン酸はどのようにして減っていくのか?

最近、栽培のリン酸の話題が増えている。きっかけは土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの記事周辺の内容になっている。リン酸は肥料学において主要な要素の位置付けになっているので、感と経験で栽培をしている方が収穫できない不安を和らげる為に過剰使用になる傾向がある。一方、リン酸は世界的にみて有限の資源で使用制限のある国もあるらしく、日本の栽培は逆行している面もある。冒頭の話はここまでにしておいて、最近あった話題を載せてみる。...

 

コメとダイズの組み合わせ必須アミノ酸を摂取

必須アミノ酸という言葉がある。必須アミノ酸は人の体では合成できないアミノ酸を指し、これらのアミノ酸は毎日必ず摂取しておいた方が良い。人の必須アミノ酸は・トリプトファン・リシン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン(スレオニン)・バリン・ロイシン・イソロイシン(・ヒスチジン)がある。学生の頃に講義で畜産の家畜毎に必須アミノ酸が異なり、牛か豚だったかな?それの必須アミノ酸を丸暗記しなさいという講義を今でも忘れない。アメフリシトロイバスと...

 

田の抑草効果のある膨軟層の形成にイトミミズが関与する

イトミミズ類が形成する膨軟層(トロトロ層)による抑草効果 - 鳥取県の研究報告を読んだ。タイトルの通りで、稲作でイトミミズが形成するトロトロ層(実際は膨軟層と呼ぶらしい)によりコナギ等の難防除の雑草の抑草効果があるらしい。報告では早期湛水であったけれども、毎年観測している物理性の改善 + レンゲ米 + 中干し無しの田でも同様の現象が見られているので、同じような現象であると見ていい。※イトミミズの写真はなし報告中では慣行の三ヶ月前に田に入水で中干しの期間まで水を張る...

 

田の酸化還元電位の続き

田の酸化還元電位の記事で酸化還元電位の視点から田の物質の変化を見てきた。前回の内容で重要なのが、鉄(Ⅲ)は硫酸根よりも還元されやすいので、鉄(Ⅲ)がある時は鉄(Ⅲ)から還元されるで、硫酸根よりも還元されやすいものが常にあれば、田の潅水時に硫化水素は発生しないことになる。時々見聞きする話で、田の土の物理性が改善されていれば厄介なガスは発生しないという話題があるが、酸化還元電位の切り口で見てみることにする。土の物理性の改善で電子受容体になりそうなものを挙げてみると、腐植酸...

 

田の酸化還元電位

BB肥料を使う時は被覆材に気をつけた方が良いの記事で硫黄コーティングで被覆している肥料の殻が土壌微生物の作用によって硫酸イオンとして溶脱するという内容に触れ、これが稲作においてガス発生要因になる可能性があるという内容を記載したので、そろそろ水田における酸化還元電位(Eh)について触れる必要があるかなと。酸化還元電位自体については最近の肥料でよく見かける酸化還元電位の記事で触れたので概要だけ。電子を放出しやすい物質(電子供与体)と電子を放出し難い(受け取りやすい:電子受容体)があった場...

 

ネギ作の間の稲作では老朽化水田化に気をつけろ

前回のネギ作の間に稲作でネギの秀品率を上げるつもりが…の記事で、ネギの栽培が不調になった畑で稲作を行い、再びネギ作に戻ることで、ネギの不調を脱却するという内容を記載した。ネギ作で土に溜まり過ぎた栽培上よろしくないもの(リン酸等)を稲作の潅水で溶かして田の外に出すことが目的なのだけれども、最近は間に稲作をしてもネギの不調を脱却できないらしい。意図した効果があまり発揮されないのだろうか?ここで一つ命題が生じたのでその問について考えてみる。稲作前に家畜糞を施肥し...

 

ネギ作の間に稲作でネギの秀品率を上げるつもりが…

ネギの周年栽培をされている地域で、ネギの生育が不調になったら、時々、稲作をして再びネギの栽培に戻るということをしている。栽培が不要になる原因はほぼすべてが一部の養分(リンや石灰)が溜まり過ぎで、それらを潅水して溶かして流すという効果を狙っている。土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いカルシウム過剰によるカルシウム欠乏ただ、近年はネギ作の間に稲作を入れても、狙ったような効果は得られず、ネギ作の不調が続いているそうだ。溜...

 

稲作で深植えの方が倒伏しなかったのは何故か?

先日、ほぼ毎日様子を見ている田について話す機会があり、熟練の栽培者から指導を受けた方からの話が印象的だったのでメモとして残す。今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022ちなみにこの方も今年の稲作は猛暑日が2週間程前倒しになり、異常な生育をしていたとのこと。それにも関わらず、全体的に収量が多かったところに危機感を感じていた。要因ははやくに葉の色が落ち、それに合わせて追肥をしたからであって、多収であったことを単純に喜ぶことは出来ない。今年は稲作で追...

 

赤トンボを探しに収穫後の田んぼへ

赤トンボを見に行きたいということで、探しに行くことにした。トンボ出版から出版されている新装改訂版 トンボのすべて 増補 世界のトンボの本に赤トンボは収穫後の田の水たまりに産卵しにくると記載されていた。そこで、イネの収穫後の田をウロウロと歩いていたら、赤いトンボが湿っている田の周りを飛んで、時々、田の水たまりに腹の先端をつけていた。動きが速すぎて撮影できなかったので素材サイトのものを載せるけれども、上の写真のような感じ。この時気になったの...

 

稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の続き

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022の記事で触れた通り、観測している田で今年も米を無事収穫できたので、改めて、稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務の記事で課題として挙げた稲作の大規模化の技術開発について触れていきたい。稲作の大規模化は一見すると米の利益率の改善に有効な手段に見えるけれども、土の管理がずさんになり、大雨一回で壊滅的な状況に追い込まれるリスクが増大する恐れがある。※稲作を辞める大きな要因の一つに田に土砂が...

 

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022

いつも観測している方の土の物理性を向上させたレンゲ米の田で今年も無事にイネの収穫が終わった。稲作は栽培中に土壌環境の向上ができる確信を得た今年は例年よりも2割程収量が多かったそうだ。この地域では例年よりも多収であったらしいが、追肥をしている方をよく見かけたので、一発肥料の設計が効いていないという観点から手放しに喜べないだろうし、追肥にかかった経費(肥料題と人件費)を考えると、例年よりも利益率は低くなるかもしれない。今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるそんな中で、...

 

連日の長雨による土砂が田に入り込みイネの生育が不調になる

稲作のごま葉枯病は土壌劣化に因るものだと考えるとしっくりくるの続き。ごま葉枯病で苦戦している地域の話の詳細を更に確認してみたら、田に土砂が入ったそうだ。その土砂がどのような土質であるか?が不明で、田の土壌の質が変わってしまったそうだ。この話を聞いて、毎年報道されるようになった大雨による浸水被害を連想し、今後は今以上に多発するだろうから、今の機会に見ておくことにする。田に入り込む土砂は上流に何があるか?によって異なってくるので一概に言えない。養分を豊富に...

 

稲作のごま葉枯病は土壌劣化に因るものだと考えるとしっくりくる

とある地域にて、稲作でごま葉枯病が蔓延していて困っているという相談を受けた。ごま葉枯病というのは、※写真 水稲病害判定シート|滋賀県ホームページより引用葉の表面にゴマ粒みたいな模様が付いた症状で、収量に大きな影響を与える。ごま葉枯病はCochliobolus miyabeanusと呼ばれる糸状菌に感染することで発症する。Cochliobolus miyabeanus (日本産糸状菌類図鑑) - 農研機構土壌中の糸状菌が植物に対して病原菌となるか共生菌となるか?...

 

稲作の大規模化に向けた土壌の物理性の向上の技法の確立は急務

時々、田を集約して稲作を効率的に管理して、収入をアップさせた方の紹介を見かける。集約させた田の面積は10ha以上で、稲作であれば機械化が進んでいるので十分こなせるそうだ。稲作のポテンシャルと飼料米概算だけれども栽培面積が20haで、労働日数が150日程度で年収800万円付近の収入になるそうだ。この手の記事を読んで気になることがある。稲作は地力で穫ると言われるが、おそらく地力の向上に向ける余力はないのではないか?と。地力の向上は冬期のほ場管理で決まるのは間違いな...

 

土壌の物理性の向上に合わせた減肥は難しい

物理性を高めた田のイネが先日の大型の台風で倒伏した。暴風でイネが倒伏する要因を挙げると施肥設計で肥料が多く穂重になったと考えられているが、この田は周辺の田や昨年よりも減肥(2割減)した上、追肥もしていないところなので、意図的に与えた肥料分は少ない状態になっている。今年は稲作で追肥をしている方をよく見かける土壌の物理性を高めることで地力が増しているか?肥効が良くなっているのか?おそらく両方だろうけれども、来年は更なる減肥が必要だという結論に至った。興味深いこ...

 

ショウジョウトンボらしきトンボを見かけたよ

近所の人工的な池の縁で上の写真のようなトンボを見かけた。9月初旬というまだ暑い時期に飛んでいて、翅の付け根の箇所が赤く染まっているので、ショウジョウトンボ(猩々蜻蛉)ではないか?と判断している。この人工池のすぐそばに昆虫の標本が展示してある施設があり、ショウジョウトンボの説明があるので、近隣で生息していることになっているのだろう。アキアカネのオスは何故赤い?で紹介した読み物に拠ると、ショウジョウトンボの赤色はアキアカネの赤色と同じ要因という記載があった。暑さに弱いアキアカ...

 

稲作を理解するために赤トンボを学びたい3

稲作を理解するために赤トンボを学びたい2までの記事で、赤トンボことアキアカネの産卵とヤゴの頃の生活史について触れた。個体数が激減していると言われているが、ヤゴの生息環境は町において特別な場所である必要はないということがわかった。ではアキアカネが減っている理由は成虫になってからのことになるのか?というわけで成虫の生活史について触れてみる。アキアカネといえば、初夏までに羽化して、夏は涼しい山で過ごし、秋になると里山等の平地に戻り産卵をするというトンボである。このこ...

 

稲作を理解するために赤トンボを学びたい2

稲作を理解するために赤トンボを学びたいの記事の続き。赤トンボことアキアカネは稲作に密接な関係があるトンボとして扱われていて、最近個体数が減少しているので、ヤゴの生育条件はさぞキレイなところなのだろうと思ったところ、プールでも比較的頻繁に見られるということがわかった。水を張ったままのプールは色んな所にあるけれども、それでもアキアカネの個体数が減少しているというのは何故なのだろう?とりあえず、本来(童謡で歌われている里山時代)の産卵場所を調べてみることにする。アキ...

 

稲作を理解するために赤トンボを学びたい

童謡に出てくる赤トンボことアキアカネの個体数が減少しているという内容を見かけた。ちなみに冒頭の写真がアキアカネであるかを見分ける自信はない。減少していると聞くと、町の開発が進み自然環境が減り、生育環境が減っていることに因るものと連想するけれども、実際のところはどうなのだろう?町の開発が進み個体数が増えた生物もいるので、何の要因が減少の鍵となるのか?は把握しておきたいところ。とりあえず、トンボといえば幼虫がヤゴで、ヤゴといえば水生昆虫になり、水生昆虫といえば水が綺麗な場所に...

 

稲作を理解するためにトンボを学びたい

お盆トンボがイネの葉で休むでウスバキトンボのことを意識し始めてから、トンボという昆虫が気になり始めた。気になる要因で最も影響が大きいのが、他のトンボではないが稲作と密接な関係があるからだ。早速、トンボ出版から出版されている新装改訂版 トンボのすべて 増補 世界のトンボを購入した。改めて、ウスバキトンボについてを読んでみると、1年数世代型の種として紹介されていた。毎年4月〜5月頃に他の国から太平洋を渡ってやってきて、すぐに産卵をする。幼虫の期間は短く、7...

 

お盆トンボがイネの葉で休む

田で朱色のトンボを見かけた。翅の先端あたりに黄色い模様があるので、ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)だと思う。お盆辺りによく見かけるので、お盆トンボと呼ばれるらしい。ちなみにウスバキトンボは赤とんぼではないらしい。ウスバキトンボ - Wikipediaウスバキトンボのことを調べていたら、ウスバキトンボの大群が背負う「はかない運命」 | 雑学 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュースのページにたどり着いた。ウスバキトンボは春頃に暖かい南の国から日本に...

 

稲穂を守っているようなカマキリ

いつも観測している田で穂がちらほらと見え始めた。そんな穂を見ていると、穂にカマキリがいた。穂を狙う食害性昆虫といえばホソヘリカメムシで、ホソヘリカメムシといえば土着の細菌と共生して殺虫剤の耐性を得ることで有名で、農薬による防除がほぼ行えない。カメムシが殺虫剤の抵抗性を得る仕組みそんなホソヘリカメムシを捕食してくれたら良いなと思ったりする。カマキリはホソヘリカメムシを捕食するのだろうか?関連記事水稲害虫の天敵のこと

 

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの続き

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かけるの記事で、タイトルの通り、一発肥料 + 追肥(穂肥)をしている方をよく見かけるという内容を記載した。先日、比較的若手の稲作をされている方が、家業の稲作を継いでからはじめて追肥(穂肥)を行ったという話を聞いた。10年以上も稲作を行っていてはじめての追肥。それだけ一発肥料の設計が秀逸であった事がわかるのだけれども、その一発肥料が意図通りの肥効を示さず、追肥を行う状況になってしまった事は深刻視すべきだと思った。一発肥料は穂肥も加味した設計に...

 

今年は稲作で追肥をしている方をよく見かける

近所の田付近を歩いていると、今年は追肥をしている方がよく目に付く。この地域では、大体の田で同じ一発肥料を同じように施肥していて、施肥設計で工夫されている方はほぼいないらしい。稲作でよく見かける一発肥料についてそれにも関わらず、追肥をしている方が多いのを見ると、一発肥料の設計が通用しなくなっているという不安が生じてくる。通用しなくなっているのは年々劣化が進む土壌に因るものか?それとも猛暑日が増えてしまったことに因るものか?ここで興味深い事として、いつ...

 

稲作の害虫の天敵が集まってくる田の続き

※カマキリをうまく撮影できなかったので、過去の記事から写真を拝借した稲作の害虫の天敵が集まってくる田朝、いつも観測している田でカマキリを見かけた。この田を管理している方に、カマキリが集まる田と集まらない田があるのは何で?という話題になったので、今まで投稿してきた内容を整理してみることにする。とりあえず、冒頭の田では殺虫剤を使用していないので、殺虫剤の話題は外しておく。植物が自身の葉を食害性昆虫に食害された時に加害昆虫の天敵に当たる肉食昆虫等を誘引する物質を放出...

 

飼料用トウモロコシの栽培の話題で思うこと

就農7年目あたりの飼料用トウモロコシの栽培に奮闘している方の話を読んだ。昨今の社会情勢になるであろうと時勢を読んでいて素晴らしい方だと思った反面、危うさも感じた。危うさと表現したが、栽培の将来についての心配事で、事業自体の将来性の話ではない。栽培の将来というのは何かというと、肥料に関わってから様々な方から相談を受けたことに一つに新しい栽培法をはじめてから10年ぐらいのところで謎の要因で年々栽培しにくくなっていく問題で、昨今のメディアは若手農家を取り上げるからか、栽培歴10年未...

 

早く訪れた猛暑日は稲作にどれ程影響するか?

今年は猛暑日と判断される日が訪れたのがはやい。連日、天気予報士のSNSで危険な程の暑さになる恐れという発信があり、事の重大さがひしひしと伝わってくる。そんな中で気になるのが、イネの高温障害だろうか。本来であれば深刻な猛暑日になる前に中干しを終えるのだけれども、今年の中干しは猛暑日真只中になった。上の写真はいつも観測している中干し無しの田(物理性の改善を行っている)なのだけれども、この隣に中干し有りの田があり、全国の田で腐植の量を1%高めると二酸化炭素の...

 

中干し無しの稲作を見て、水資源の管理の重要性を感じる

いつも観測している中干し無しの田で水を入れていた。冬期のレンゲ栽培は田植え後の雑草管理に影響するか?中干しをしないという方針にすると、猛暑突入時期に水管理を意識しなければならないのは大変だ。ただ、一昨年からの観測から、年々きつくなるであろう猛暑日対策に対して有効である可能性は高いので、猛暑日の入水の作業の重要性が増してくると予想している。今年最大の出来事は物理性の改善 + レンゲ + 中干しなしの稲作によるインパクトを感じたことただ、田に水を引いている用水路の方を見て...

 

冬期のレンゲ栽培は田植え後の雑草管理に影響するか?

稲作では中干しの時期に突入し、土のひび割れを見かけるようになってきた。そんな中で見かけるのが、草が生え始めている田だ。草を見て、今年の田植え前に投稿したレンゲ栽培の効果は田植え後の雑草管理にも影響を与えるの内容が頭に浮かんだので、冬期にレンゲを育てていた田に行くと、水が透明で底がよく見える状態であるのに草が生えていない。ジャンボタニシを捕まえる時に田に入り足跡が付いたということもあるだろうけれども、田を満遍なく歩けるわけでは...

 

昨今の肥料不足に関して改善する余地は大きい

昨今の社会情勢から深刻な肥料と飼料不足が深刻化し、来年は作物や畜産物の購入が困難になるという話題をちらほらと見かける。カリ肥料の代替を探すこれに合わせて、減肥や有機質肥料への移行推進の話題も頻繁に挙がってきた。稲作のポテンシャルと飼料米上記の内容を踏まえて、今後の日本の農業は深刻であるのか?を考えて諸々を整理すると、改善の余地が大量にあることに気が付く。というわけで今回は改善の余地を挙げてみることにする。一番最初に挙げるべきことは、土の劣化に対...

 

液面計は溶液の導電性を高めると測定結果は変わるのか?

水位センサーの液面計とは?の記事で、水位センサーの液面計の静電容量式について調べて記載した。静電容量式は水に触れている箇所の電気の流れにくさと、空気の電気の流れにくさ(絶縁体)を差分だけ電流を発生させ測定するという方式の液面計となる。前回の記事の末尾で水道水よりも電気を通す塩を溶かした水道水で測定結果は変わるのだろうか?という疑問を提示したので早速やってみた。最初に水道水だけで試してみたら、出力結果は500前後であった。※Micro:bitのAD変換器を介して出力...

 

水位センサーの液面計とは?

水位センサーからどのようなデータが得られるか?の記事で、水位センサーにはレベルスイッチと液面計があることを触れた。冒頭の写真のセンサーは連続する値をAD変換器を介して値を取得したので、後者の液面計に当たると判断した。AD変換器の概要に触れる前回参考にしたサイト(レベルスイッチ・液面計とは? │ 液面計・レベルスイッチ・レベルセンサの山本電機工業)を再び見ることにして、液面計には超音波式、圧力式、ガイドレーダ式と静電容量式が記載されていて、静電容量式の/****...


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