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アーカイブ : 2023年10月

 

海水由来の塩化カリ

硝石の製造方法についての記事で硝石こと硝酸カリ(KNO3)は熟成した家畜糞と草木灰を混ぜて加熱した後に得られた絞り汁に含まれていることがわかった。黒色火薬として用いるのであれば、この方法は適していたかもしれないが、農業利用といった大量消費の際にはこの方法は手間過ぎるので現実的ではない。硝酸カリの工業的な精製方法はあるかもしれないが、その話は触れずに今回はもう一つのカリ肥料である塩化カリ(KCl)について再び触れてみる。有機質肥料メインの栽培でカリの施肥の難しさ塩化...

 

硝石の製造方法について

NHKのブラタモリという番組で白川郷の話題があって、便所の横で硝石を製造していたという内容が放送された。「白川郷〜白川郷はなぜ美しい?〜」 - ブラタモリ - NHK硝石というのは黒色火薬の材料の一つになる。余談になるが講談社から発売されているもやしもんという漫画で大学の先生が学生の大便から大砲作ろうぜという話題があることで、大便から硝石が出来ることを知った人も多いはず。「もやしもん」既刊・関連作品一覧|講談社コミックプラス硝石は化学組成がKNO3になる硝酸塩で、即効...

 

有機質肥料メインの栽培でカリの施肥の難しさ

山形の北部の盆地の更に北で緑泥石と出会ったの記事で山形に行った際、カリの施肥はどのようにすれば良いか?という話題になった。なぜ、上記のような話題になったのか?といえば、山形県全体で地質的に慢性的なカリ不足に陥る可能性が高く、それをどうにか回避したいというのが発端だ。すぐに挙がったカリ肥料の候補としては、By Luis Miguel Bugallo Sánchez (Lmbuga Commons)(Lmbuga Galipedia)Publicada por/Publish...

 

果物王国の山形県天童市はグリーンタフ帯に位置する

先日の山形北部からの帰りにラ・フランス等の果実やネギで有名な農家がいる山形県天童市に寄ってみた。山形の北部の盆地の更に北で緑泥石と出会った天童市は山形県中部の山形盆地に位置し、東北のグリーンタフ帯(緑色凝灰岩)に位置している。東北のグリーンタフ帯時間の都合上、天童市にある畑作の土をまじまじと見れなかったが、こんな感じで青い石や緑の石が多く感じられた。※上の写真を俯瞰して見ると赤い土になっている島根県出雲市のグリーンタフこれら...

 

植物は地力窒素をどのように活用するか?

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?の記事で、地力窒素とは、タンニンのタンパク分解酵素を抑制しつつタンパクを凝集させる作用に拠るものなのか?という内容を記載した。上記の話題が正しいとして、次に気になるのはタンニンによって凝集したタンパクの肥効についてだ。肥効の順番はタンパクの分散 → タンパクを切断 → ペプチド → アミノ酸 → 無機化になるが、最初のタンパクの分散はどのような反応になるのか?検索をしても求めている情報にたどり着かなかったので、タンニン...

 

タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?

窒素肥料の複雑さの続きまでの記事で各種窒素肥料と地力窒素について触れた。有機態窒素のことを見ることで、地力窒素のことがなんとなく見え始めてきたけれども、まだ実態はつかめず。タンニンとタンパクについて、どれほどの解明が進んでいるのか?と気になったので検索をしてみたら、興味深い内容にたどり着いたので、今回はその内容を紹介する。その内容というのが、タンニンのタンパク質凝集モデルの作成に成功 ―ポリフェノールの渋みや生物活性メカニズムの解明に期待― - 岐阜大学になる。上記の研究報告...

 

窒素肥料の複雑さの続き

窒素肥料の複雑さの続き。今回は前回触れなかった核酸について触れる。パブリック・ドメイン, Linkイノシン酸  Wikipedia核酸には色々とあるが、発根促進の効果があるとされるイノシンの前段階のイノシン酸から見ていく。人にとっての旨味成分が植物の発根を促進するか?イノシン酸の左にあるリン酸基(H2PO4-)が外れると、By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, Linkイノシ...

 

窒素肥料の複雑さ

今回は稲作の地力窒素を考えるの記事で触れた各種窒素肥料のうち、一般的に言われている肥効と異なる作用を示すものについて触れてみる。上記の記事で窒素肥料を○無機態窒素・硝酸態窒素(硝安、硝酸カリや硝酸石灰等)・アンモニア態窒素(硫安、硝安や尿素等)※名称に安(アンモニア)が付くものがアンモニア態窒素なので、硝安(硝酸アンモニウム)はどちらにも分類される○有機態窒素・アミノ酸・ペプチド・核酸・タンパクのように分類した。これに合わせて、窒素肥料の肥...

 

稲作の地力窒素を考えるの続き

今回は稲作の地力窒素を考えるの続き。前回の記事で窒素肥料についてを分類して、有機態の窒素のタンパクが地力窒素に該当するのでは?と記載したが、タンパクの分解の早さを考えると難しいという内容を記載した。稲作には乾土効果という地力窒素の肥効を前倒しする手法があり、そこから地力窒素は土壌粒子に吸着している有機物であることが予想出来る。であれば、地力窒素の形状はある程度絞られることになる。地力窒素に関して検索をしてみたら、古い内容であるが、地力窒素の分子実体は何か ...

 

稲作の地力窒素を考える

米の粒を大きくしたいという相談があったの続きまでの記事で、稲作と米の加工を行っている方から米の粒を大きくするにはどうすれば良いのか?について整理してきた。これに対して、実の形成時の養分転流を意識することが大切だと触れ、植物ホルモンの観点から養分転流が最大になるようにすることを考えた。養分転流を最大にする件に関する一点目は、初期生育時の発根を活発にする事で、栽培後期の養分転流を活発化する。二店目に必要になるのが、おそらく地力窒素なので、今回は地力窒素に触れていくことにする。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があったの続き

今回は米の粒を大きくしたいという相談があったの内容の続き。前回の記事では近隣にある田で同じ施肥設計で栽培方法も同じにも関わらず、米の粒の大きさが違うという話題で、違う点を整理したら田植え前のレンゲの栽培履歴に差があった。であれば、田の有機物の量とレンゲ由来の地力窒素に差がある可能性が高いという当たりを付けることが出来た。この話題が挙がった時に、レンゲ栽培の期間が短い方に即効性の窒素成分の追肥をした方が良いですか?という追加の質問が挙がったがおそらくそれは違うと思うと返答した。...

 

米の粒を大きくしたいという相談があった

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023の記事で紹介している田の方から興味深い質問があったので返答の整理を兼ねて記載していく。施肥設計、田植えや収穫時期が同じの二枚の田があって、片方(上の写真左)は例年通りの粒の大きさだが、もう一方(上の写真右)は粒が大きかったそうだ。加工では粒が大きい方が多いので、粒が大きくなった要因を知りたいとのこと。2つの田は隣接しておらず、間には小さな道路と6枚分の田がある。水源は同じだが、粒の小さな田の方が...

 

山形の北部の盆地の更に北で緑泥石と出会った

所用で山形県の新庄盆地の北部にある真室川町を訪れた。車で山を登り、目的の畑にたどり着いた時に運命の出会いがあった。ちなみにだけれども、上の写真の畑は黒ボク土。黒ボク土は栽培しにくい土なのか?再考畑に入り、足元にあった石をまじまじと見てみたら、緑色凝灰岩らしき石があった。緑色凝灰岩といえば、2:1:1型の緑泥石を主の鉱物とする石だ。念のために真室川町で緑色凝灰岩を拾うことが可能か?を調べてみたら、馬場敬等 新庄盆地北縁部及位地域のグリ...

 

山形県の三盆地の成り立ちを探る

山形県の地形を俯瞰する為の整理の記事で山形県を大きく6つに分けて考えることにした。この分類により山形県の地質 - 東北地質調査業協会の内容が読みやすくなったので、山形県の成り立ちを見ていくことにする。大陸から日本列島が分離して、現在の山形県の場所はしばらくの間は陸地だったが、しばらくして沈降して海になるのでそこから見ていく。すごく雑に話を進めるので、詳細が気になる方は先程の山形県の地質のリンク先のPDFを見てもらうことにして気にせず進める。1500万年...

 

山形県の地形を俯瞰する為の整理

山形盆地のさくらんぼ栽培までの記事で山形について調べている旨を記載した。土地勘がないので、詳細が記載されているPDFが読み進められない状態だったので、片っ端から読んでいたら、山形の土地勘が向上するような良い内容の論文に出会ったので紹介する。その論文というのは、長津一雄 山形県の地質と鯨類化石の概要 - 日本海セトロジ一研究(11) : 41-47 (2001)で山形に存在していたであろう海の跡で見つかった化石についての記載になっている。山形に存在したであろう海と記載して、...

 

山形盆地のさくらんぼ栽培

東北のグリーンタフ帯に引き続き、山形についてを調べる。調べる時は思い付いたものから片っ端に詳細を調べることが遠回りのように見えて近道ということが鉄則なので、山形の名産に触れてみる。山形の名産といえば、さくらんぼが真先に浮かぶ。後で参考にしたサイトのリンクを掲載するが、先出しとしてさくらんぼのシェアを挙げておくと、山形のさくらんぼの収穫量は全国の7割を占めているそうだ。シェアの大半が一部に地域に限定されている時は、大体は地形と気候に因ることが多いので、産地の...

 

東北のグリーンタフ帯

近々山形に行く予定があるので、山形の地質を読んでおくことにした。下記のURL先にあるPDFを読んでみたが、現時点で山形の土地勘が無いため、地図と照らし合わせながら見ているが難しい。山形県の地質 - 東北地質調査業協会山形を含め、東北の地質に関してふと思い出したことがあるので、今回はそのことに付いて触れておく。以前、グリーンタフはどこにある?の記事で日本のグリーンタフの分布について触れたことがあるが、※図:鹿野和彦 グリーンタフの層序学的枠組みと...

 

濃縮還元という技術

今回は濃縮還元100%オレンジジュースの続き。濃縮したオレンジの果汁に対して、水と香料のみを加えれば、100%オレンジジュースを再現出来るとなると、濃縮方法には興味深い技術的な知見があるのは間違いないので、今回は濃縮方法について見ていく。濃縮還元に関して、Wikipediaに記載があったのでピックアップしてみると、/**********************************************/飲料の濃縮に用いられる方法には、煮沸濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、膜濃縮...

 

濃縮還元100%オレンジジュース

濃縮還元100%のオレンジジュースの話題になった。濃縮還元100%に関しては賛否両論あるみたいだけれども、個人的には濃縮還元100%は素晴らしい技術だと捉えている。戦争とオレンジジュースの記事で記載した通り、遠征する兵士の健康を考えた上で開発された技術なのだから、濃縮還元100%は100%のオレンジジュースではないと邪険に扱うのは勿体ない。というわけで、濃縮還元について見ていくことにする。100%オレンジジュースという名前を聞いて真っ先に思いつくのが、果実...

 

ホシアサガオが局所的に生息している

今年から歩き始めた道でホシアサガオを見かけた。このアサガオがいるのが用水路横なのだけれども、生息しているのは4㎡ぐらいの局所的なところで、生育域の広がりはない。ホシアサガオは外来雑草であるらしいのだけれども、周辺で他に生えている場所は見当たらない。一体どこから来たのだろう?と謎が深まるばかり。タネは園芸用のアサガオと似たような形で散布方法もおそらく同じだろうから、タネが広域に広がる要素もおそらく無いわけで、本当に不思議だ。ちなみに、500m程離れた場所二ヶ所で、 ...

 

Selenium + php-webdriverでElementNotInteractableExceptionのエラーにハマった時の対処

Selenium + php-webdriver + Chromeで両方のバージョンを上げたら、PHP Fatal error: Uncaught Facebook\WebDriver\Exception\ElementNotInteractableException: element not interactable(Session info: chrome=117.0.5938.92) in /var/lib/jenkins/workspace/*****/vendor/php...

 

今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2023

中干し無しの稲作から米の品質向上のヒントを得た等の記事で話題に挙げている物理性の改善 + レンゲ + 中干し無しの稲作で今年も無事に収穫を迎えることになった。今年の栽培では基肥の一発肥料を周辺の田の半分(一発肥料一袋)にして栽培をしたところ、倒伏しかかったが何とか持ちこたえる形となった。※物理性の改善時に粘土鉱物肥料を2袋/反程用いている。稲作で深植えの方が倒伏しなかったのは何故か?今年は猛暑日がきつくて長く、全国的に小粒の傾向があるらしいが、中干し無...

 

オオバナセンダングサらしき草を見かけた

白い花弁付きのセンダングサを見かけた。花弁付きは在来種か?と思ったが、念の為に調べてみたら、おそらくオオバナセンダングサで外来種だった。センダングサを見て思い出す師の大胆さこのセンダングサだけれども、町の至るところにコセンダングサらしき草は生えているのだけれども、今回のオオバナセンダングサは小川の縁に少しだけ生えているだけ。おそらくこのセンダングサもタネはひっつきむしの部類になるはずなのに、全然広がっていない。発芽条件がシビアなのかな?昨年末から歩き始めた道な...

 

キンカンと陳皮と風邪の予防

清見タンゴールまでの記事で色々なカンキツについて触れてきた。カンキツの大きな分類で触れていないものとして金柑(キンカン)があるので触れておく。キンカンは皮をむかずにまるごと食べれるカンキツという位置付けになっている。興味深いのが漢方にあるミカンの果皮で作られた陳皮と同様の効果を得られつつ、カンキツの果肉に含まれる健康効果も望めるということだ。陳皮で注目される成分として、ヘスペリジンとシネフリンがあり、下記の記事で触れてきた。カンキツのフラボノイドであるヘスペリジン...

 

清見タンゴール

カンキツを栽培している方と話をしている時に、紅まどんなの話題が頻繁に挙がった。紅まどんな | JA全農えひめ話題の挙がり方の頻度が高い為、このカンキツは現代のカンキツにおいて重要度が高そうだということで今回は紅まどんなについて触れてみる。マイナビ出版から発売されている図説 果物の大図鑑という本にカンキツの系譜図が記載されている。図説 果物の大図鑑 | マイナビブックスここの紅まどんながどのような交配によって誕生したか?が記載されていて、タンゴールと...

 

イヨカンの親のダンシーとは何か?

イヨカンの誕生地は何処だ?の記事で、イヨカンは何処で誕生したか?を探ったが、結局何処であったか?はわからなかった。誕生に関して一点気になることがあるので、今回はその内容に触れる。少数の祖先品種から交雑を繰り返すことで多様なカンキツ品種が発生した | 農研機構の図を見ると、イヨカンは海紅柑(カイコウカン)とダンシーの交配種ということになっている。気になったというのは後者のダンシーの方で、ダンシーについて検索をしてみたら、※上の写真は紅みかんのイメージ紅ミカン...

 

イヨカンの誕生地は何処だ?

先日、ミカンを栽培している方と話をしていたら、伊予柑(イヨカン)は愛媛で誕生したカンキツではないという話題になった。伊予というのは、伊予国(いよのくに)を指し、現在の愛媛県を指す。伊予国 - Wikipediaそんな伊予という文字を当てたイヨカンが愛媛で誕生していないということはどういうことなのか?イヨカンの歴史を確認しておくことにした。Wikipediaのイヨカンの歴史を読んでみると、/*******************************/...

 

ナルリチンというフラボノイド

カンキツのフラボノイドであるヘスペリジンの記事に引き続き、Bioika0201 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる香酸カンキツの新姫(ニイヒメ)に含まれるフラボノイドの話題について触れる。前回の記事でも触れた地域自生カンキツ「新姫」と「タチバナ」に含まれるフラボノイド含量 - 農研機構のページによると、Jacopo Werther - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによるニイヒメにはナルリチ...

 

カンキツのフラボノイドであるヘスペリジン

香酸カンキツが持つポリメトキシフラボノイドの記事に引き続き、Bioika0201 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる香酸カンキツの一種である新姫(ニイヒメ)の話題を挙げる。新姫で検索をしてみると、地域自生カンキツ「新姫」と「タチバナ」に含まれるフラボノイド含量 - 農研機構のページが引っかかる。上記のページには、/********************************************/地域自生カンキツの「新...

 

香酸カンキツが持つポリメトキシフラボノイド

Bioika0201 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる香酸カンキツの記事で香りが強く、酸味も強く、主に調味料として用いられるカンキツを香酸カンキツと呼ぶという内容を記載した。上の写真は新姫(ニイヒメ)と呼ばれる香酸カンキツで、日本のカンキツ(田道間守)の伝説を引き継ぐ種であるので注目しているのだけれども、これらのカンキツの果皮にポリメトキシフラボノイドが豊富に含まれていることで世間でも注目されているらしい。例えば、ノビレチン等ポリメトキシ...

 

香酸カンキツ

Foto: Johann Werfring, CC 表示-継承 3.0, リンクによる人々はレモンやシトロンを珍重したまでの記事で人の歴史とカンキツの広がりについて触れてきたが、カンキツの広がりは美味しさではなくて、香りや健康効果の方が重要であった。であれば、把握しておきたいこととして、カンキツの果実に含まれる成分の内、どれが香りや健康効果を担うのか?であるため、それらの成分を調べてみることにした。はじめに香り成分をたどることだけれども、カンキツ類の内、香りを重要視し...

 

人々はレモンやシトロンを珍重した

自然発生したとされる三種のカンキツたちの話の続き。レモンとオレンジはインド付近から西周りの経路で広がったカンキツであるが、広まった歴史というのは異なるみたいだ。今回はその内容に触れていくことにしよう。Foto: Johann Werfring, CC 表示-継承 3.0, リンクによるレモンを考える上で重要になってくるのがシトロンであるらしく、古代、ローマに持ち帰ったシトロンというのがおいしくなかったそうだ。それにも関わらず、シトロンが重要視されていたのはいく...


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