一緒に行動をしていた京都農販の木村さんが桜島に行った後、
地元の方にこんなことを聞いていた。
桜島は常に噴火していて、火山灰が降ってきたり、命の危険性が常にあるのに、
なんで桜島に住む人がいるのですか?と
その返答として、
火山灰は迷惑だけど、
火山灰のおかげで良い農作物を収穫できるし桜島周辺の魚は旨い。
住めば都になるものだよと。
先日、桜島にて火山灰を実際の目(といってもマクロレンズの力を借りているけど)で見た。
運良く、身内に最近桜島の火山の調査をしていた方がいて、
桜島の火山の種類とその特徴を教えてもらっていたので、
事前に色々と知識を付けることが出来た。
その時違和感があった事が、
ブルカノ式火山(教えてくださった方はモリッと噴火する火山と表現していたけど、)から噴出する火山灰は、
シラスと呼ばれるものではないだろうと。
噴火様式から桜島の火山は安山岩質的な地質となるので、
(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)
白い砂でシラスの要因となる無色鉱物の石英の含有量は少ない。
石英(二酸化ケイ素)が少なければ、教科書的に言われるシラスの特徴にはならないはず。
そもそも、石英分が多ければ、栽培的に不利になるので、
火山灰のおかげで良い農産物が収穫出来るなんて話は出てこない。
で、実際に見てみて、
桜島の火山灰由来の土は黒かった。
火山灰の構成はガラス質(二酸化ケイ素)、角閃石、輝石と磁鉄鉱が主成分となる。
角閃石というのが、
(写真:株式会社誠文堂新光社 薄片でよくわかる 岩石図鑑 26ページ 普通角閃石より引用)
これで、
輝石というのが、
(写真:株式会社誠文堂新光社 薄片でよくわかる 岩石図鑑 29ページ 頑火輝石より引用)
これ。
磁鉄鉱も黒っぽく、これらを踏まえた上で改めて火山灰を見ると、
角閃石と輝石のような鉱物を多く含んでいるように見える。
角閃石と輝石は種類によるけど、
どちらも鉄とマグネシウムをふんだんに含み、
磁鉄鉱はその名の通り鉄をふんだんに含む。
写真を見る限り、ガラス質が少ないので、
おそらく腐植の蓄積のポテンシャルも高い可能性があり、
しかも、
火山灰だからさらさらしている。
桜島ダイコンが植わっていた土を拝借してみると、
軽い性質そのままで、腐植とよく馴染んでいる。
これは良いものが収穫できるわ!
追記
鹿児島のおみやげ屋で火山灰が売られていたので購入しました。
関連記事