同型置換で粘土鉱物の持つ保肥力を高める前回までで、火山由来の岩石で最も多い長石が自然界の諸々の作用によって粘土鉱物になり、粘土鉱物から更に作用を受け保肥力を増すことを記載した。土壌のアルミニウムが腐植を守る以前、土壌中のアルミニウムが腐植を捉えるという事を記載した。腐植というのは、成果を求めるためにシンプルに捉えたとすると、植物の死骸が土壌の微生物によって分解されたもの。腐植と粘土鉱物が結合することで、腐植が粘土鉱物が更に変質してしまうことを防ぎ、粘土鉱物が腐植
アーカイブ : 2017年12年00月
粘土鉱物を理解する旅
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筆者は、土の成り立ち、特に粘土鉱物について深く知りたいと考えています。土壌学では粘土鉱物の性質について学びましたが、生成過程や分布など、鉱物としての視点からの情報が不足していました。そこで、各地のジオパークや博物館を訪れ、地質や岩石について学びを深めてきました。その過程で、粘土鉱物が珪酸塩鉱物、特にテクトケイ酸塩と関連性が深いことを知り、さらなる探求を続けています。
太古の生物は酸素によって現れた銅を活用した
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ボルドー液は、硫酸銅と消石灰を混ぜて作る殺菌剤で、19世紀末にフランスのボルドー地方でブドウのべと病対策として開発されました。銅イオン(Cu²⁺)は殺菌効果を持ちますが、植物にも有害です。そこで、消石灰を加えて水酸化銅(II)を生成し、銅イオンの溶出速度を調整することで、植物への毒性を抑えつつ殺菌効果を発揮します。ボルドー液は、現在でも有機農法で広く利用されている、歴史ある銅製剤です。銅の結合力の強さは諸刃の剣であり、生物にとって必須であると同時に過剰になると有害となるため、その微妙なバランスが重要です。
作物の病気は虫が運ぶ
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作物の病気は、菌が直接付着・気孔侵入するか、虫(ベクター)が媒介する。特にウイルス性の病気は、ほぼベクター由来である。虫は乾燥ストレスを受けた作物に含まれるプロリンを求めて集まるため、土壌を適切に管理し乾燥ストレスを軽減すれば、虫の数を減らせる。虫が減ればベクター由来の病気も減り、結果として作物の秀品率向上に繋がる。農薬を使う場合、殺虫剤に重点を置くのが賢明だが、良質な堆肥による土壌改良はさらに効果的。つまり、土壌管理とベクター対策が、農薬使用を減らし、秀品率を高める鍵となる。