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カテゴリー : 光合成/page-4

 

葉にアントシアニンを溜めるキャベツたち

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寒さによりアントシアニンが蓄積したキャベツで、成長の小さいものほど蓄積が多い。これは、光合成の明反応で電子を取り出したものの、暗反応で二酸化炭素を糖に合成できなかったためと考えられる。寒さの中で暗反応を活発にするには、葉を厚くして保温効果を高めることが重要である。これにより、葉の内部の生理活動が落ちにくくなり、暗反応が継続しやすくなる。結果的にアントシアニンを蓄積しにくくなる。つまり、寒さの中でも暗反応を活発に保てるキャベツは、成長が良く、アントシアニン蓄積が少ない傾向にある。また、成長の小さいキャベツは暗反応の活性が低く、結果としてアントシアニン蓄積が多くなっていると考えられる。

 

果実の熟成と活性酸素の働き

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果実の熟成における活性酸素の役割は、着色と種子の休眠という二つの側面を持つ。アントシアニン色素の蓄積は、光合成過程で発生する過剰な活性酸素を抑制する反応として起こる。一方、果実内の種子の休眠には、適切な量の活性酸素が必要となる。活性酸素の不足は、果実内発芽を引き起こす。メロンの場合、硝酸態窒素過多やカリウム不足が活性酸素の発生量を低下させ、果実内発芽につながる。イチゴも同様のメカニズムを持つと仮定すると、高品質な果実生産には、生育段階に応じた適切な施肥管理と、熟成期の環境制御が重要となる。

 

イチゴの果実形成で蓄積するアントシアニン

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シアン化合物は青酸配糖体として多くの植物に含まれ、害虫からの防御機構として機能する。摂取すると青酸ガスが発生し、呼吸を阻害するため危険である。しかし、植物自身はシステインを含むβ-シアノアラニン合成酵素を用いて青酸を無毒化できる。この酵素は青酸とシステインを反応させ、β-シアノアラニンに変換する。さらに、β-シアノアラニンはアスパラギン酸と反応し、アスパラギンと無毒な物質を生成する。このメカニズムにより、植物は自身の青酸配糖体から身を守り、窒素源としても利用している。

 

葉でアントシアニンを蓄積させる意味

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植物の葉がアントシアニンを蓄積するのは、ストレス環境下で光合成のバランスを調整するためです。強光下などストレス環境では、光合成の明反応は進む一方、暗反応が抑制されます。すると、明反応で生じた電子が過剰となり活性酸素が発生しやすくなります。アントシアニンは濃い色素として光を吸収し、明反応を抑制することで活性酸素の発生を防ぐフィルターの役割を果たします。これは、果実の成熟時にアントシアニンが蓄積されるのとは別のメカニズムです。

 

イネがシリカを吸収すると

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イネのシリカ吸収は、倒伏防止、害虫忌避、病害耐性向上、リン酸吸収効率化、受光態勢改善など多くの利点をもたらす。ケイ酸はイネの組織を強化し、光合成を促進する。玄武岩質地質でも良質な米が収穫されることから、植物が吸収する「シリカ」は二酸化ケイ素ではなく、かんらん石等の可能性が示唆される。肥料としてシリカを与える場合は、グリーンタフ由来の粘土鉱物が有効。グリーンタフは火山灰が堆積したもので、モンモリロナイトなどの粘土鉱物を豊富に含む。

 

台風でも倒伏しないイネ

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長野県栄村小滝集落では、特別な農法により高品質な米が栽培され、台風による倒伏被害もほとんど見られなかった。倒伏した一部の水田と健全な水田の違いは、赤い粘土の客土の有無であった。イネの倒伏耐性向上に有効とされるシリカに着目すると、赤い粘土に含まれる頑火輝石やかんらん石などの鉱物がケイ酸供給源となる可能性がある。これらの鉱物は玄武岩質岩石に多く含まれ、二価鉄やマグネシウムも豊富に含むため、光合成促進にも寄与すると考えられる。赤い粘土に含まれる成分が、米の品質向上と倒伏耐性の鍵を握っていると考えられるため、イネとシリカの関係性について更なる調査が必要である。ただし、玄武岩質土壌はカリウムが少なく、鉄吸収が阻害されると秋落ちが発生しやすい点に注意が必要。

 

カタバミドーム

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こんもりドーム状に繁茂したカタバミの内部は、徒長した葉柄で構成され、葉が外側を覆っている。内部は保温・保湿され、夏場に蓄積された根圏の有機物が、カタバミの呼吸熱と水分、そしてもしかすると根から放出されるシュウ酸によって分解されている可能性がある。このカタバミドームは微生物にとってのパラダイスであり、数ヶ月後には他の植物にとっても良好な生育環境となる。ドーム内部をかき分けた行為は、この微生物たちの環境を破壊してしまったかもしれない。

 

寒空の下で盛り上がるカタバミたち

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葉緑素の合成にはマグネシウムが必須だが、鉄も同様に重要である。鉄は葉緑体の形成とクロロフィルの生合成に関与する複数の酵素に必要とされる。鉄欠乏になると、クロロフィル合成が阻害され、葉が黄色くなる「クロロシス」が発生する。これは、マグネシウム欠乏の場合と同様の症状を示すため、両者の区別は難しい。土壌分析や葉分析によって正確な診断が必要となる。鉄は植物体内で移動しにくいため、新しい葉にクロロシスが現れやすい。これは、古い葉に蓄積された鉄が新しい葉に再利用されにくいことを示唆している。鉄の吸収は土壌pHの影響を受けやすく、アルカリ性土壌では鉄が不溶化し吸収されにくくなる。酸性土壌では鉄が溶解しやすいため、過剰症のリスクもある。適切なpH管理が鉄欠乏を防ぐ鍵となる。

 

光合成とグルタチオン

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グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンから成るトリペプチドで、植物の光合成において重要な役割を果たす。従来、光合成の副産物である活性酸素は有害とされていたが、グルタチオンの抗酸化作用との組み合わせが光合成を活性化し、植物の生育を促進することがわかった。グルタチオンを与えられた植物は、光合成産物の移動量も増加した。今後の課題は、グルタチオンの生合成経路の解明である。また、グルタチオンは免疫向上にも関与していると考えられている。

 

スプリンクラーを見直して秀品率を上げる

先日、サンホープさんのスプリンクラーの設置に立ち会うことになった。ここのスプリンクラーは昨日の施肥設計の見直しで農薬防除の回数は確実に減らせるで農薬防除の回数を大きく減らす要因となったもので、秀品率に確実に貢献することができる。秀品率に貢献する要因の一つとして、イスラエルという水の少ない国で如何に散水を効率的に行うか?が徹底的に研究されており、少量の水を噴霧状にしてから周囲の湿度を上げるように散水する。噴霧状にすることにより、暑い時間帯に温度を下げ

 

野菜の美味しさと強さを求めて

オーガニックの野菜は美味しくなりやすいで細かい根の発生が少なくなることで硝酸態窒素の吸収量と相対的にミネラルの吸収量が低くなる。という内容を記載した。朝倉書店の根の事典で下記のような研究結果を読んだ。手元にないので何ページに記載されていたかはわからない。窒素、水、リンとミネラル(カルシウムだったと思う)を吸収する時、窒素は根の先端から離れた箇所でよく吸収され、水とリンは根のどこでも万遍なく吸収され、ミネラルは根の先端に近いところ程よく吸収されるというもの。このグラフを図

 

農薬を使用している方の野菜も美味しいよ

先日、とある女性らと話していて、自然毒、農薬、添加物、遺伝子組み換え作物があったとして、生物学をある程度勉強した人だったら、自然毒 >>> 添加物 > 農薬 ≧ 遺伝子組み換えの順で怖いと感じると思いますよ。自然毒は下手すると死ねますもん。と返答した。作物で有名な自然毒といえば、ジャガイモのソラニンとか、モロヘイヤのタネとかかな?ソラニン - Wikipediaモロヘイヤのタネの毒は原始的な兵器だからね。添加物は洗い流すことが出来ず、実

 

発生し続ける活性酸素

鉄と上手なお付き合い前回、生体内で活性酸素が発生して、侵入した菌とかを死滅させるけど、活性酸素が強力すぎて、ある程度の量の活性酸素は鎮めなければならないと記載した。これって、侵入した菌分だけ活性酸素を合成すれば良いんじゃね?という話になるけど、常に活性酸素を用意しているから、侵入した瞬間に菌を死滅させることができる。侵入してから数を菌の数をカウントして、それに合わせて活性酸素を用意していたら、活性酸素を生み出す過程にも複雑な制御が必要になるし、一斉に菌が入って

 

鉄と上手なお付き合い

鉄という物質がある。鉄をイオン化させると、Fe2+とFe3+という2つの形をとる。酸化鉄(Ⅱ)や酸化鉄(Ⅲ)という形で今までよくでてきたよね。還元剤としてのシュウ酸?これは1つの電子を放出しやすく受け取りやすいという鉄イオンの大きな特徴らしい。放出しやすく受け取りやすいということは、どこかで発生した電子を保管しやすく、どこかで使いやすいという意味を示している。だから、(画像:5-アミノレブリン酸の農業利用に関する技術開発 Regulation

 

光合成からアミノ酸の合成へ

植物は水から得た電子をどうやって蓄えている?クエン酸回路で電子をたくさん得るアミノ酸の合成は基本的に、他のアミノ酸をベースに何らかの処理を行う。タンパクを形成するペプチド結合ただし、いくつかのアミノ酸は光合成で合成した糖をある程度のところまで分解し、分解の過程で発生した有機酸にアミノ基をつける。ちなみに人もアミノ酸を合成できたはずで、人が合成できるアミノ酸を非必須アミノ酸。植物や微生物が合成したものを摂取しなければならないのが必須アミノ酸。※人が合成できても合

 

葉緑体は光合成に使用するATPを自前で用意する

ちょいと光合成の話でもで光合成の際に光のエネルギーを使って、水から電子を取り出すということを記載した。この時に、12H2O + 12NADP+ → 6O2 + 12NADPH + 12H+水から取り出した電子はNADPHとして保持し、植物は水から得た電子をどうやって蓄えている?でNADPHにある電子を有機酸に与えることでブドウ糖ができると記載した。この話、改めて、光合成全体の反応を見ると、6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2

 

植物は水から得た電子をどうやって蓄えている?

ちょいと光合成の話でもで光合成の明反応を書いた。といっても葉緑素で行われているだけしか書かず、実際に葉緑素のどの部位で行われているかは書いていない。だって、光のエネルギーを使って水から電子を取り出すということだけを表現したかったんだ。だから、それ以外のことは省略した。ここらへんを詳しく勉強したければ、このサイトではなく、細胞学の教科書を買ってきて勉強すればいい。とはいっても、水から取り出した電子を何に使うかぐらいは書いておこうかと思うので、今回は暗反応で水から取り出し

 

葉緑素の合成で苦土と同じぐらい大事なものは?

葉緑素の合成に関して、マグネシウムは超大事で、そのマグネシウムを活用するためにアミノレブリン酸からできたヘムタンパクも大事だと記載したけど、よくよく見てみると、これらの物質と同じぐらい大事なものがある。そう!鉄の働きなくして、アミノリブレン酸は合成できない。アミノレブリン酸のポテンシャルだから、鉄は大事。土壌には鉄が多く含まれていて、欠乏症が発生することがなかなかないと言われるけど、度を超えた炭素循環型農法の末路で鉄欠乏の枯死があるわけで、鉄の吸収はな

 

気孔の日々のお仕事

大抵のことは目に見えること以上に裏側が大事であることが多い前回、葉の裏には気孔がたくさんあって、その気孔では二酸化炭素を取り込んだり、酸素を放出したりという内容を記載した。しかしだ、気孔にはガス交換以外で大事な役割がある。それは、葉の中の水分を蒸散させるという機能蒸散が正常に行われないと大変なことになる。最初に疑えというぐらいカリウムは大事前提として、根から吸水する場合、根の浸透圧を土壌の圧よりも高めることによって根に向かって水が入り込

 

硝酸態窒素はどこで使われる?

苦味を感じるのは生命の危機で硝酸態窒素の話を記載した。硝酸態窒素の過剰蓄積の前に、硝酸態窒素がそもそもどこで使われるのか?ということを記載したいと思う。植物が硝酸態窒素を吸収すると、葉の中に蓄積される。葉の中では水に溶けている状態なので、硝酸イオンとして考えるとして、硝酸イオンはNO3-、これを葉で還元してNH4+のアンモニウムイオンに変える。硝化細菌が植物の根の周りで頑張ってる合成の詳細は省くけど、アンモニウムイオンはアミノ基(-NH2)として働


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