鉄という物質がある。
鉄をイオン化させると、Fe2+とFe3+という2つの形をとる。
酸化鉄(Ⅱ)や酸化鉄(Ⅲ)という形で今までよくでてきたよね。
これは1つの電子を放出しやすく受け取りやすいという鉄イオンの大きな特徴らしい。
放出しやすく受け取りやすいということは、どこかで発生した電子を保管しやすく、どこかで使いやすいという意味を示している。
だから、
(画像:5-アミノレブリン酸の農業利用に関する技術開発 Regulation of Plant Growth & Development Vol. 40, No. 1 22-29, 2005の28ページより引用)
UroにFe2+をつけてシロヘム(siroheme)を合成して、シロヘムのFe2+から硝酸イオンに電子を1つ渡すということができる様になり、硝酸イオンは還元される。
この話は栽培だけでなく、人が生きる上でも大事な話となる。
植物や動物では、常に菌、細菌やウィルスが体内に侵入されるという恐怖がある。
大概の菌は無毒であっても、一部の菌が有毒であるならば殺菌したいというのはおかしな話ではない。
その時に何を使うかといえば、体内で生成した活性酸素、スーパーオキシドアニオンというらしいけど、その活性酸素を菌にぶつけることで菌は死滅する。
この話のざっくりとした内容は下記の赤玉卵の殻で記載した。
赤玉卵の殻の時と大きく異なる点は、赤玉卵の殻は外環境のため、活性酸素をそのままほっておいて良いけど、今回は体内で発生した活性酸素の話。
活性酸素は電子を得て安定化するまで暴走を続けるわけだから、周囲に菌がいない時は自身の細胞を傷つけ始める。
ということで、生物には活性酸素を鎮めるための機能というのを同時に持っている。
それがスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)とペルオキシダーゼというもの。
SODとペルオキシダーゼが連携して、鉄(もしくはマンガン)から電子を受け取り、活性酸素を鎮めている可能性があるらしい。
イラストで書くと、
※菌が侵入した後に活性酸素を作ると表記しているが、実際は常に活性酸素を合成しているというイメージの方が近い。
こんな感じ。
※菌は葉の裏にある気孔や傷口から侵入する。
とりあえず、鉄とうまく付き合うと、様々な反応が捗ることはわかった。
関連記事