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年始から佐藤成美 本当に役立つ栄養学 肥満、病気、老化予防のカギとなる食べものの科学 - ブルーバックスという本を読んでいる。

この本の後半の脳と神経に作用する食べものの章で睡眠効果のある成分として、グリシンというアミノ酸に触れていた。


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グリシンといえば、側鎖が水素で最も単純なアミノ酸になるが、このグリシンには睡眠効果があるとの記載があった。

グリシン自体が神経伝達物質の一種で抑制性の働きがある。

※抑制性の反対が興奮性で、興奮性の神経伝達物質にはグルタミン酸がある。

野菜の美味しさとは何だろう?GABA


余談だけれどもアミノ酸類の神経伝達物質は情報伝達が速く範囲は狭いという傾向がある。

※櫻井武 「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」 - ブルーバックスを参考


グリシンと睡眠関連の話はグリシンが体内時計の中枢(視交叉上核)に到達すると、手足の体温を上げるように促し、体内の熱を放散する事で深部体温を下げる。

深部体温の低下は睡眠と関係があるため、グリシンが睡眠に効果があるという話に繋がる。


興味深いのが食べものを摂取しても大体の栄養は直接脳に運搬されないが、グリシンは脳に運搬される。

なので、睡眠用のサプリメントとしてグリシンの摂取は有効ということになる。




この話でもう一つ興味深い話題があって、グリシンが睡眠と密接に関わっているのは偶然見つかったという記載があり、どれ程偶然なのか?が気になったので調べてみる事にした。

上記の内容の発見は味の素のサイトの睡眠の質を高めるアミノ酸“グリシン” | 睡眠に関するお悩み | 味の素KK あなたの悩みを解決!「いきいき健康研究所」のページに記載されていた。


アミノ酸の効能を確認する社内試験に参加していた研究員が、グリシンを一日二回摂取(朝晩)を忘れた為、夜にまとめて摂取したら睡眠時のいびきが減って、翌日いつもより元気だと妻が気づいたからということでグリシンに注目するようになったそうだ。

※上記の試験では別のアミノ酸の効能の確認が主で、グリシンは対象食(試験に関して効果が何もないと仮定したアミノ酸)であった。


この内容を読んだ時、摂取を忘れたからって、試験中のアミノ酸をまとめて摂取したのは試験としてはどうなの?と思うところだが、ヒューマンエラーから大発見が見つかるというのは面白い。


グリシンを睡眠誘発剤のように使用できるのは分かったが、次に気になるのは脳に直接作用するとされるグリシンを過剰に摂取してしまった場合はどうなるのか?


それは機会があれば触れることにしよう。


グリシンのサプリメント

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