菜園ナビ公式イベント『楽しく学ぼう!第2弾 in 関東』で基肥の話をしましたで、
アース製薬の方が農薬についてのアレコレの話をされていたのですが、
様々な人が知ってほしい非常に有用な情報でした。
その中で特に印象的だったのが、
食酢と重曹の農薬っぽい利用がある。
食酢というのはCH3COOHで表される食用で利用できる酢酸である。
重曹というのはNaHCO3でこれまたベーキングパウダーにも利用されるもの。
酢酸は弱酸性を示し、
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食酢は、酢酸を主成分として多くの有機酸類を含んでおり、食酢を使った酢の物やお寿司などの料理は、腐りにくく殺菌力があることが知られていますが、植物の病害への効果は、処理によってpH(酸度)が急激に低下することで病原菌が死滅することにあると考えられています。さらに、食酢は強い浸透力があるため、植物の組織内にいる病原菌にも効果を発揮します。これまでに、希釈した食酢液に水稲の種子を浸漬することで、種子に感染している病害を防除できることが確認されています。
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上記リンク先の文章より抜粋
と記載されています。
これに対してアース製薬さんでの使用テストによると、
食酢をそのまま利用すると、アブラムシ等には実は食酢は当たらず、展着剤を併用しないと効果がないとされる。
葉に展着されなければ、ただ葉の周り、
更には散布した周辺のpHを下げるだけで終わってしまうので、
低pHで活性化する厄介なカビ病たちを目覚めさせる可能性がある。
同様の理由で使用される木酢液も同様だろう。
一方重曹は、
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重曹は、(途中省略)病害防除では病原菌の胞子形成や発芽を抑える働きがあり、その発生を抑制することができます。これまでに、野菜や果樹類のうどんこ病や灰色かび病などに対して防除効果が確認されており、病気の発生初期に効果があります。
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上記リンク先の文章より抜粋
重曹は重炭酸ナトリウムなので、
NaHCO3 + H+ → Na+ + H2CO3
H2CO3 ⇄ H2O + CO2
となり、
pHを下げる要因である水素イオン(H+)を取り込んでいる。
重曹には葉は周辺の土のpHを高める効果がある。
厄介なカビ病の大半はpHが低い状態で活性化するので
重曹によってカビ病の活性化を抑える効果が見込まれる。
※重炭酸カリウムという肥料にも同様の効果を見込める
更に酢酸と異なり、
重曹に触れたところの環境が変わるという視点から
ピンポイントで当てなければ効果がないということもないので、
展着剤も必要としない(はず)
葉に付着せず土に落ちたとしても、
これまた土壌のpHを改善するという効果があるので心配も少ない。
※栽培中にpHが下がっているという前提のもと
今回の記事で何が言いたいかというと、
効能があっても使い方次第では効いていない可能性がある
ということ
特に注意なのが、
木酢液には人体にとって毒性の強い成分が含まれていることがあるので、
木酢液が効いていない上、体内に入ってしまった
ということは避けたいところ
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