石炭と
石炭の燃えかすを見る機会があった。
石炭は燃える石として扱われる生物由来の鉱物だけれども、上質な炭であるわけだから燃えかすは残る。
石炭の所々に白い模様があるので、このあたりのものがアッシュ(灰分)なのだろう。
灰分ということで、この残ったカスは植物の体内にあったミネラル(金属)が大半ということになるはず。
さて、石炭と燃えかすを見たせっかくの機会なので、石炭について触れてみることにしよう。
とはいっても、石炭の出来るところで見た内容よりももう少し深いところに触れてみる。
石炭は植物の死骸が湖の底といった微生物の分解を受けにくいところに堆積した後、更に上から何らかのものが堆積して微生物の分解が無縁になったところで長い間、水なり上からの圧なりで変成した生物由来の鉱物だと言える。
株式会社誠文堂新光社 / 増補改訂版 地層の見方がわかる フィールド図鑑を再び引っ張り出してきて、石炭のページを読んでみると、
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植物の分解が進んでいない泥炭が土砂に覆われて地下深くに埋没し、圧力と熱の影響を受けて石炭になります。泥炭→褐炭→瀝青炭→無煙炭という順で石炭化が進んでいきます。石炭化が進んでいるものほど、燃やしたときのカロリーが高く、ガスの発生が少ない高品質のものになります。
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※上記で紹介した本の154ページより抜粋
と記載されていた。
カロリーというのは、続・BBQ後の炭は土に還らない(以下省略)でいう無定形炭素のことだろう。
以前どこかで石炭は太古の時代に生きた巨大なシダ植物の先祖由来が多いという内容を読んだことがある。
植物はリグニンという強靭な壁を手に入れることができたため、陸上という環境でも重力に逆らえる程の硬さを得て巨大化したという。
リグニンの存在が同じように上陸したコケ植物と大きく異なるところだろう。
最近の次世代燃料としてのバイオマスで注目されているのが木材を効率良く使用することだけれども、これってただ単に薪を燃やすように何かを燃やすからだと思っていたけれども、石炭の成り立ちから見ていくと、間伐材が瀝青炭や無煙炭のような形状に速攻で変成させる術を追い求めたくなる気持ちが良くわかる。
石炭の持つ熱量が技術者たちのハートに移ってきてアツくして、高速で無煙炭に変えるための反応を追い求めるロマンがそこにあるような気がする。
追記
石炭の燃えかすは灰分ということで、これはこれで産業で活用してきたらしい。
有効活用しているところを再び見た時に、再び話題に挙げることにしよう。