前回の記事で野菜を糠に漬けて乳酸発酵をすると、米ぬかにあったビタミンB1(チアミン)が野菜の方に移行するという内容を記載した。
せっかくの機会なので、ビタミンB1がどういうものなのか?を見ていくことにする。
さっそくビタミンで検索してみると、厚生労働省がまとめている水溶性のビタミンのPDFが見つかった。
上記PDFからビタミンB1に関しての諸々をピックアップしてみると、
水溶性ビタミン - 厚生労働省 194ページ目より引用
ビタミンB1ことチアミンは酵素タンパクの補酵素としての役割があり、生細胞中(食材)のチアミンは酵素タンパクと結合した形で存在している。
※補酵素というのは、酵素を動かす鍵のようなもので、なければ対応する酵素は動かない。
食材を熱することで酵素から補酵素であるチアミンが離れて、食材を食した際にチアミンを吸収できる。
※実際にはチアミンではなく、チアミンの元となるチアミンジリン酸。吸収の際にチアミンへと代謝される。
チアミンが補酵素となる酵素はグルコースや分枝アミノ酸を代謝する酵素になるので、チアミンは糖やアミノ酸からカロリーを取り出す時に役立つと言える。
※分枝アミノ酸はロイシン、イソロイシンとバリンのことで、よくアミノ酸の商品でBCAAと記載されているもの
豊富なデンプンやタンパクを含み、タネという大事な器官に大量に分布している米ぬかにビタミンB1が多いことは、今回の内容により納得できる。
親がタネ(子)の形成時にカロリーの貯蔵として、各タネに米ぬかという豊富な栄養分をもたせ、タネは発芽の際にその栄養を使って伸長する。