大気中の二酸化炭素を減らす為の取り組みを調べていたら、A dash of lime -- a new twist that may cut CO2 levels back to pre-industrial levelsというページに辿り着いた。
解釈に誤りがなければだけれども、炭酸石灰を熱してできた生石灰(CaO)を海水に入れると二酸化炭素を多く吸収するというもので、
CaCO3 → CaO + CO2
CaO + H2O → Ca(OH)2 //海水での反応
Ca(OH)2 + 2CO2 → Ca(HCO3)2
Wikipediaでは、Ca(HCO3)2こと炭酸水素カルシウムは鍾乳洞形成の原理だと記載されているけれども、これが海でも起こるのか?ということは今の知識レベルでは判断できない。
ふと思ったことで、個人的な戯言のようなものなので軽く流して欲しいのだけれども、
農業で利用している分ぐらいの牡蠣殻を海に還すというのはどうなのだろう?
今後の流れとしておそらく有機石灰と呼ばれる炭酸石灰の需要は減っていくものだろうと予想している。
製品や袋詰のコストと栽培に関する経費を天秤にかけると、微量要素を含む石灰とは言え、長期的な収支でみるとおそらく赤字になるはず。
であれば、そもそも製品にせずにそのまま海に還せば、製品にするために使用する燃料の削減であったり、栽培時の土壌の中和の際に発生するであろう二酸化炭素が軽減される。
海中の水素イオンと炭酸イオンの比も炭酸イオンの方が多くなって色々と良いだろう。
次に心配すべきは海底に不自然に堆積してしまう貝殻の影響だけれども、下記のような記事を見かけた。
※写真:丹後の海の生き物ホソエガサ - 京都府より引用
ホソエガサは
/**********************************************/
波の静かな砂地にある貝殻を基盤として生育する。生育環境の悪化などで現在は能登半島周辺以外ではほとんど姿を消し、環境省版レッドリストでは、絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。
/**********************************************/
※株式会社誠文堂新光社 / ネイチャーウォッチングガイドブック 海藻の54ページより引用
波の穏やかな個所が減っているのか?
自生できる貝殻が少なくなったのか?
水質の変化なのか?
絶滅危惧種として扱われるという背景には何かあり、その要因が自生できる貝殻が少なくなったのか?と水質であるならば、貝殻を海に還すというのは有効なのかもしれない。
更にいうと、ホソエガサは2億年以上前から生きていた可能性のある生きた化石であって、ホソエガサのような石灰質を活用する能力を引き継いだ海藻は他にも沢山いるかもしれない。
海から貝食を介して炭酸石灰の持ち出しで環境が変化しているかもしれないということは意識しておこう。
ただし、上でも記載した通り、個人的な戯言のようなものなので、既に取り組まれていて、悪影響を与えている可能性も十分あるのでその点も意識しておこう。