寒い冬がある日本において、休眠によって越冬している昆虫が多いらしい。
休眠している昆虫を無理やり起こしたら、おそらく死に至るだろう。
というわけで休眠について分かっていることを調べてみることにした。
昆虫と休眠で検索してみたところ、
神村 学 チョウ目昆虫の幼虫休眠機構 蚕糸・昆虫バイオテック84(2)、127-133(2015)という特集に行き着いた。
特集に触れる前に事前にホルモンについて復習しておくと、
完全変態のチョウ目の幼虫には幼若ホルモン(JH)と脱皮ホルモン(エクジソン)がある。
節足動物である昆虫の幼虫は脱皮の際に体を大きくすることができ、
体内で幼若ホルモンが多い時に脱皮ホルモンの量が増えると脱皮し、
幼若ホルモンが少ない時に脱皮ホルモンが増えると蛹になる。
個人的な勝手な認識だけれども、
脱皮をすると体内の脱皮ホルモンは減るという前提があるはず。
これらを踏まえた上で、チョウ目の昆虫の幼虫時の休眠について触れる。
先に休眠についての定義を確認しておくと
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生存に不利な条件に先立って起こる自発的な発育停止あるいは遅延
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※特集「昆虫の休眠-再び-」にあたって - 蚕糸・昆虫バイオテック84(2)、97-98(2015) 97ページより引用
休眠は体内の脱皮ホルモンの濃度が急激に下がった時に発生する。
合わせて、ヤガ科等で解明されていることとして、休眠中の幼虫では幼若ホルモンの濃度が非休眠と比較して高くなっているらしい。
どうやら幼若ホルモンが脱皮ホルモンの合成を抑えているらしく、脱皮ホルモンの濃度が高まらない故、成長を止めることができると考えられているそうだ。
各々のホルモンの合成等を見ていけばもっと鮮明になっていくだろうけれども、休眠については一旦ここまでにしておこう。