前回、原基から脇芽(枝)が発生する内容を記載した。
その時に原基から発生した枝は別個体として振る舞うということを記載した。
この別個体という話は、園芸史において重要な位置づけであり、とある枝でいきなり八重咲きみたいな親の茎と全然違う花を咲かせる
といったことが発生する。
こういった発生した枝が突然変異により親の枝と異なる形質を持つことを枝変わりと呼び、枝変わりによって素晴らしい品種が生まれた場合は挿し木によって増やして園芸は発展した。
桜とかね。
で、この枝変わりがよくわかる写真を一つ
親株から発生した枝の葉で、葉緑素の合成が欠如したのか?
鮮やかな黄色い葉の枝が発生している。
コンスタントに脱色しているため、これは欠乏症ではなく、変異で緑の色素がなくなったものだ。
この枝を挿し木したら、後世まで葉が黄色の枝を得ることができるだろう。
枝変わりという突然変異、枝は別個体として発生させるというのは、動かない植物がより環境に適用するための生きる知恵だろう。
動物は受精した時しか形質に作用する突然変異が入る余地はないけど、植物は至るタイミングで変異を入れることができる。
動物ではノーベル賞になるぐらい万能細胞ができたということは大事になるけど、植物の場合は普通にあり得ること。
だからこそ、動物でも万能細胞が簡単にできるのでは?と希望を追い求めるのだろうな。