先日、植物園で花の写真を撮っていると、見知らぬおばさんに声をかけられた。
話に流れは端折るけど、おばさんに「あなたは植物学を研究していたのですか?」と聞かれ、「そうです。」と返答すると下記の様な質問がきた。
「市販のタネはタネとりできないと聞くけど、それは本当ですか?」と
おそらくおばさんはF1種子について聞いてきたのだろうな。
それを前提にして、「タネとりはできるけど、そのタネで栽培しても期待する収量は得られませんよ」と返答した。
確かにタネが出来ない雄性不稔性という形質はあるけれど、雄性不稔性のタネなんてなかなかないだろう。
販売までの管理がめんどいし。
倍数体という手もあるけど、これも同様に管理がめんどい。
諸々の特徴はおいといて、これらの理由からF1種子であることはおそらく正しい。
で、F1種子は何か?って話になるけど、F1というのは遺伝学で使う記号みたいなもので、1st Filial generationのFilialの頭文字と1をとって、第一世代という意味がある。
つまり、F1種子を遺伝学に当てはめると第一世代のタネという意味になる。
第一世代ということは第二世代も当然あるわけで、それをF2と呼ぶことにしている。
第一世代のタネは何が優れていて、これらのタネから出来た子孫は期待している収量にならないのか?は一旦置いといて、用語の整理のためにメンデルの法則を見るとして、
エンドウの丸とシワ
詳細は端折るけど、
こんな図を書く。
AAは丸、aaはシワ、Aaは丸
この時、遺伝学では、
交配を始めるときの世代(AAとaa)をP(parent:親)と呼び、P世代から誕生した子をF1とする。
F1世代の種子同士を交配してみると、
次に生まれる世代はF2として扱われる。
市販のF1種子の知識はここまでにしておいて、次回からF1種子から生まれた子孫の品質は期待出来ない話を書くとする。
-続く-