F1種子から種採りしてみたらでAA、aaとAaという形質があって、Aaを高品質とし、AAとaaは低品質だけど親株として重要。
という例を元にF2の品質が如何にばらつくかという内容を記載した。
これだったら、親株用の種採りはそんなに難しくないんじゃね?
という話になるので、今回はもう少し深いところを見ていくとする。
ここで遺伝について深く触れる気はないので、さらっと流すけど、遺伝はいろんな要因が重なっての結果なので、AAやaa以外にも他にも要素というものがある。
例えば、高品質の条件として、甘さと歯ごたえが合ったとして、甘さをAかa、歯ごたえをBかbにすると、
AB | Ab | aB | ab | |
---|---|---|---|---|
AB | AABB | AABb | AaBB | AaBb |
Ab | AABb | AAbb | AaBb | Aabb |
aB | AaBB | AaBb | aaBB | aaBb |
ab | AaBb | Aabb | aaBb | aabb |
これだけのパターンが出てくる。
たとえば、親株でAABBという株とaabbという株を持っていれば、子供はAaBbで必ず高品質になるけど、この子供から生まれたF2世代は上の表の様にばらつきが発生する。
F3世代でF1と同じ品質のものを得たければ、親株として1/16の確率で発生するAABBとaabbを確保しなければならない。
要素Cを追加すると、更に確保しなければならない株の発生確率は1/64に下がる。
品種改良において、要素が3種で収まることなんてないだろうから、親株を得ることが如何に大変か?ということが発生率からわかる。
これらの話を踏まえた上で、前回の育種学にはもうひとつ大事な知識があってのフリを書こうかと思ったけど、
今回の話が長くなったので、この話は次回にする。
-続く-