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最近、よく見かける内容で、風邪の予防でキノコを食べようというもの。

キノコから摂取できるビタミンDが免疫の調整に有効であるらしい。

ビタミンDの前駆体を体に組み込むキノコたち

ビタミンD#作用のメカニズム - Wikipedia


ここでふと気になったこととして、野菜であれば思いつくものとして、ダイコンやシュンギクと種類に対して栄養価が異なる事が想像できるけれども、キノコはそこらへんの区分が曖昧だよなと。


やはりキノコでも種類によって大きく栄養価が異なったりするのかな?

マツタケであれば香りが良いけど、何らの成分が他のキノコと比べて極端に少ないか、あるいは全くないとか。


取っ掛かりになるものがないかと検索をしてみることにした。




下橋淳子 キノコ類の成分特性-キノコ類の DPPH ラジカル消去能- - 駒沢女子大学 研究紀要 第24号 p. 223 ~ 228 2017

上記の論文では、キノコの栄養価の中で活性酸素の除去に関与する物質の含有量についてが記載されていた。


乾燥していないキノコに絞って、活性酸素の除去に関与する物質を多く含むのが、


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エノキダケや


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シイタケから抽出された二つの物質


シイタケであった。

結果および考察には記載されていないが、おわりににキノコの抗酸化作用のある物質名が記載されていたのでピックアップすると、


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LSC741963 - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

エルゴチオネイン - Wikipedia


エルゴチオネインというアミノ酸誘導体で、熱やpHに安定であるらしい。

※化学式の左側のチオール基(-SH)が重要そうだ。


エルゴチオネインはキノコや一部の細菌しか合成せず、動物が摂取すると臓器に貯蓄するとのこと。


抗酸化作用については、ピーマンやトウモロコシのカロテノイドと比較されていた。

風邪の予防にミカンというけれど


スカベンジャー(活性酸素回収屋)であるグルタチオンと比較しても、活性酸素除去作用は3〜30倍であるらしい。

免疫の向上にはグルタチオンが重要な役割を担っているはず




キノコの摂取量の増えると、必然的に栽培する面積が増え、それに合わせて廃菌床の量も増える。

廃菌床は作物の栽培にとって品質向上の要なので、野菜の秀品率や栄養価が高まる。

野菜の栄養価が高まれば、病気の予防に繋がるわけで社会全体で医療費の軽減に繋がる。

秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?


キノコへの注目が年々高まっているので、キノコをきっかけにして野菜も美味しくなっていくかもね。

家畜糞による土作りの土から収穫した野菜の摂取は健康に繋がるか?