前回のアオカビから発見された抗生物質ペニシリンの記事で抗生物質のペニシリンについて触れた。
ペニシリンは真菌やグラム陽性の細菌には作用を示すが、グラム陰性のうち桿菌には作用を示さないとされる。
今知りたいのは、軟腐病の原因であるグラム陰性桿菌のエルウィニア属の細菌に作用する抗生物質を生成する菌がいるのか?ということで、引き続き抗生物質の歴史について触れてみることにする。
医療で抗生物質の話題を調べると、緑膿菌が抗生物質に対する耐性菌の出現問題がある。
緑膿菌といえば、グラム陰性で好気性の桿菌の1種で 耐性菌云々の話題があるということは以前はグラム陰性桿菌に抗生物質が効いていたということになるわけで、この抗生物質をたどれば見えてくるものがあるかもしれない。
というわけで、上記の話題に該当する
β-ラクタム系抗生物質に分類されるセファロスポリンについて見ていくことにする。
菌から発見された当初はグラム陰性桿菌のうち、大腸菌には有効だけれども、緑膿菌には無効であったという歴史があるけれども、改良を重ねられて、グラム陰性桿菌への作用が強化されたという歴史がある。
Wikipediaのセファロスポリンのページを読んでみると、セファロスポリンはCephalosporium acremoniumという菌から分離されたそうだ。
この菌はボタンタケ目に属する菌で、この菌が属する属のほとんどはほとんどが腐生菌で植物遺体や土壌から見つかる。
ボタンタケ目といえば、菌の生活環と不完全菌の記事で触れたトリコデルマがいたな。
子嚢菌のボタンタケは注目しておいた方が良さそうだ。
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