抗生物質を生成する菌や細菌の話題になった。
例えば、アオカビとか放線菌とか。
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アオカビことペニシリウム属の菌といえば、
Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
菌から発見された世界初の抗生物質だろう。
ペニシリンはβ-ラクタム系抗生物質に分類されるらしく、この分類は上の化学式の中心の四角の構造を持つものの総称であるらしい。
何故、抗生物質を生成する土壌微生物の話になったか?
それは連作障害により特定の病原性微生物、たとえば軟腐病の細菌が増えすぎてしまった時に、抗生物質を生成する菌が活発になったら作物の病気の発生は減るのか?という疑問が生じたからだ。
この疑問を解消するためには、ペニシリンの作用機構から知っていく必要がある。
ペニシリンの作用機構に関しては下記の通り
・真菌(カビ)に対しては細胞壁のペプチドグリカンの合成に関与する酵素の活性を阻害する
→細胞分裂をするたびに細胞壁が薄くなり、いずれは増殖できなくなるという静菌作用を示す
・細菌に対しても細胞壁が薄くなり、浸透圧により細胞が破裂して溶菌するという殺菌作用を示す
注意すべきは細菌ではグラム陽性菌とグラム陰性球菌に有効で、グラム陰性桿菌(四角っぽい形)に対しては効果が低いという傾向がある。
中盤の話題で挙がった軟腐病菌はグラム陰性の細菌だけれども、桿菌であったら効果が低い事になってしまうけれどもどうだろう?
前にグラム陰性の細菌とは?の記事で軟弱病菌について調べた事があり、エルビニア・カロトボーラという名前を挙げた。
この細菌名で検索をしてみたら、無芽胞形成グラム陰性通性嫌気性桿菌であることがわかった。
軟弱病菌は厄介だな。