奈良県宇陀市にある曽爾高原(そにこうげん)に行ってきた。
この時期はとても混むという情報があったので、周辺に前泊して霧がかかった時間帯に到着した。
曽爾高原というのは、倶留尊山(くろそやま:写真の左側)と亀山の西斜面から麓に広がる高原で、
秋のススキで有名な場所である。
今まで曽爾高原を知らなくて、生物学を勉強したことがある人であればここまで読んで気が付くことがあるだろう。
毎年ススキの草原にするためには人為的な景観の管理が入っているはずだと。
なぜならば、
ススキは草原が森になっていく過程の森の手前段階で繁茂する植物であって、
ススキ草原をそのままにしておけば数年後には立派な林になるからだ。
というわけで、この曽爾高原でもススキ草原を維持する為に初春に山焼きが行われて、森へ遷移しないようにしている。
なぜそんなことをしているのか?といえば、
案内曰く歴史的に建築材料としてススキを育てていたそうだ。
ススキは強力な地下茎があるため山焼きでおそらく死なず、春の芽生えたばかりの草たちは生きられない。
こうして選択的にススキが育ち続けたのだろう。
長い間ずっとススキを育て続けた場所を見聞きして、栽培に関わるものであれば気になることがあるだろう。
栽培にとって良い土といえば森の土のようなものだと言われることが多い。
長い間ススキが生え続けた場所は強制的に森になれない環境の土で、
だけれども森になるポテンシャルを秘めた土でもある。
極端な条件の環境の土というのがどのようになっているのか?
屈んで見てみることにしようか。
-続く-