先日、腐植について調べていたら、下記の研究報告を見かけた。
KAKEN — 研究課題をさがす | 土壌腐植の恒常性を支える微生物の代謝と生態 (KAKENHI-PROJECT-26310303)
報告を読むと、土壌中にいるコウジカビ(アスペルギルス属)の仲間が小さなフミン酸を吸着・代謝して大きなベンゼンを含むより大きな有機化合物へと変えていくという内容であった。
この糸状菌はフェニルプロパノイドによる抗酸化作用で活性化して増殖が増したらしい。
この話を踏まえた上で本題に入る。
SNSを眺めていたら、
化学同人から出版されている植物たちの静かな戦い 化学物質があやつる生存競争という本が面白いという投稿がやたらと目について、気になって購入して読んでみた。
この本はアレロパシーについての本で、様々な植物のアレロパシーについて発見から詳しく説明している。
気になるフレーズを見かけたので、自分の妄想的な内容も含めて紹介してみる。
マメ科のニセアカシア(ハリエンジュ)という木があって、この植物がアレロパシー物質(アレロケミカル)として、カテキンを分泌する。
茶とかでカテキンという名称を見かけるけれども、茶のカテキンとは少し異なり、
By NEUROtiker (talk) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
(+)-カテキンか
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(-)-カテキンのどちらかの構造で、ニセアカシアはどちらも持つ。
カテキンは形を見て分かる通り、どちらもフラボノイドでポリフェノールだ。
これらを踏まえた上で、上記で紹介した本から興味深い研究結果を抜粋してみると
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いろいろな土壌で、これら(カテキン)の物質は土壌中の有機物や粘土鉱物により吸着されて活性を失う
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※化学同人 植物たちの静かな戦い 化学物質があやつる生存競争 59ページより抜粋
と記載されていた。
冒頭のフェニルプロパノイドとコウジカビの話をここで持ち出すと、これはフミン酸を合成して、土壌中にアルミニウムに結合する話のことではないか?と
コウジカビにとっても様々な植物にとって良い土になった方が、養分の獲得の面で何かと有利になるのだろうか?
偶然の産物だろうけれども…
補足
ニセアカシアの他のアレロケミカルとして、シアナミドも発見されている。