前回の森を学ぶ為にブナ科の木々を学ぶの記事で、森林の生態においてブナ科が優位になる要因の一つとして考えられている外生菌根菌についての話題に触れた。
外生菌根菌の話題の際に挙がったキノコが、
テングダケ科のキノコで、このキノコって毒キノコのイメージがあるよな?という流れになったので、今回は毒キノコで有名なベニテングダケの毒性について見てみることにする。
ベニテングダケは毒キノコとして有名なだけあって、Wikipediaの記述も充実している。
ベニテングダケで毒性を示す成分がいくつか挙がっているが、一番最初に記述されているのが、
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右側にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)があるイボテン酸というアミノ酸だ。
このイボテン酸が乾燥してカルボキシル基が外れて、
Edgar181 (talk) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
ムッシモールという安定な形になるらしい。
このムッシモールが人体の神経伝達系の抑制性(リラックスのイメージ)の方のGABAの作動薬として働き、GABAに期待する働きを抑制する。
痙攣あたりは上記の作用からくるものなのだろう。
ちなみにイボテン酸は旨味を呈するアミノ酸らしく、ベニテングダケは食べたら美味しいという記述をよく見かける。