学術機関にいる人はこう言う。
ホウ素欠乏なんてほとんど発生しないよと。
元JAに勤めていた人や肥料関係の仕事をしている人はこう言う。
ホウ素欠乏なんて頻繁に起こりますよと。
教科書レベル、つまりは数値のレベルではほとんど発生しないと言われていても、現実では良くあることなんてたくさんある。
その一つがホウ素欠乏だろう。
元JAの職員が上の写真をホウ素欠乏の可能性があるという。
これはアブラナ科のカブの断面で、根の方が黒ずんでいる。
酷い症状だと、断面が真っ黒になるらしい。
で、なんで教科書レベルだとほとんど発生しないと言われているホウ素欠乏が、実際に栽培をしてみると欠乏症が乱発するのか?という話だが、
このカブの症状は土作りをものすごく頑張ったところで多発した。
とにかく根張りを良くするために障害が出にくい腐植を大量に突っ込んで土を柔らかくし、誰が見ても素晴らしい環境だと言われるところで多発した。
とりあえず、上の写真がホウ素欠乏ではないか?と言われたので、肥料で補う場合、何を入れるか?を調べてみたら、硼砂(ホウシャ)という鉱物を入れるらしいということが分かった。
(他にホウ素を含む鉱物として、小藤石がある)
これらの鉱物は日本にほとんど存在していないらしく、さらに言うと、カブやキャベツといったホウ素をたくさん必要とする作物は、元々ヨーロッパの方の作物で、そもそも論として日本という国での栽培に適していなかった可能性がある。
それ以外の肥料として、
ダイズ油粕の中にホウ素がたくさん含まれているらしいが、ダイズ油粕なんて高くて使えんよ。
そうなると、代替品として米ぬかを常に入れていかなければならないんかね。
この話からでも分かる通り、キャベツやカブで儲けている人は海外資源の依存率が異常に高いということは常に意識しておいた方が良いんじゃないか?