巷でよく見られる「ポリフェノールの抗酸化作用」の謳い文句。


caffeic_acid


最初に合成されるポリフェノールのコーヒー酸の記事で触れたコーヒー酸を題材にして、抗酸化作用を見ていくことにしよう。




ポリフェノールの抗酸化作用に関して、本田沙理等 ポリフェノール、化学反応を基盤とする機能性物質 抗酸化反応から成分間反応まで - 化学と生物 Vol. 53, No. 7, 2015に詳しい記載があるので、この内容を参考に話を進める。


ポリフェノールが還元剤として働く際に重要となるのが、


polyphenol


ベンゼン環(六角形の箇所)にヒドロキシ基(-OH)が二個以上付与された箇所になる。


還元剤として働く場合、還元剤は何らかの物質に電子を与えるわけで、還元剤自身は酸化される。

酸化されやすい、つまりは電子を放出しやすい箇所が上のベンゼン環に複数のヒドロキシ基が付与された箇所で、酸化されることによって、


quinone


キノン体となる。


この際、各々のヒドロキシ基から1つずつ(計2つ)電子が放出される。

ポリフェノールが酸素を還元する場合、

PP + O2 → Q + ・O2- + 2H+ → Q + H2O2

のような反応になる。

※PP : ポリフェノール Q : ポリフェノールが還元されたキノン体

※・O2-とH2O2は活性酸素

銅から活性酸素が生成される仕組みを知りたいの続き


この反応は栽培で非常に重要になるが、話が長くなるため、次回にする。


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