前回の体内で乳糖が分解された先と前々回の牛乳とラクターゼ活性持続症の記事で、
乳糖が血中である一定以上の濃度を超えたり、
乳糖が分解された際に生成されるガラクトースという単糖がエネルギー以外の面で人体に何らかの影響を与えることを見てきた。
これらの話題を踏まえ気になってくるのが、
乳を乳酸菌等によって発酵させたヨーグルトは乳糖を分解しているのだろうか?
ということだろう。
牛乳と比較して、
腹を下したという話題が挙がりにくいヨーグルトはきっと乳糖を何らかの形に変えているのだろう。
というわけで早速調べてみたところ、下記の論文に辿り着いた。
ヨーグルトを造る乳酸菌共生発酵研究の最近の知見 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria Vol.26. No. 2
乳酸発酵を行う際、
乳酸菌(ブルガリア菌)は乳糖をグルコースとガラクトースに分解し、
グルコースを乳酸発酵に用い、ガラクトースを体外に排出するとのこと。
単純にヨーグルトを乳酸菌のみに発酵を行わせていた場合、
乳糖の濃度は減るけれども、ガラクトースという形で残る
と言えることになる。
乳酸菌は生きて腸まで届こうが、途中で死滅しようが、
腸内細菌叢を人体にとって良い影響を与えると言える。
乳糖が分解されているだけでもありがたいが、残留するガラクトースが気になるところ。
となると次に気になってくるのが、
ガラクトースを消費する菌についてだろう。
それがヨーグルト内にいるのか?
腸内細菌叢の改善で現れるのか?
そこらへんを調べてみることにする。
-続く-