鉄分不足の解消で野菜の摂取は期待できるのか?の記事で、人体において鉄が欠乏すると疲労感が抜けないという話から、(特に施設栽培)の野菜は栄養としての鉄の含有量が少ないのでは?という内容を記載した。
この話を投稿している時に頭に思い浮かんだ内容がいくつかあるので、これから触れていくことにする。
鉄鍋で料理をすると、鍋表面の鉄分が溶け出し、栄養として鉄が摂取しやすくなるという話題がある。
おそらくだけれども、この時の鉄は表面のサビであることが多そうなので、Fe3+になるのだろうけれども、酸化された鉄でも摂取して効果があるのだろうか?
なぜこう思ったか?というと、人体内での鉄の働きで真っ先に思い浮かぶのが、
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血を赤くする要素のヘモグロビンで、ヘムの中心に還元された鉄のFe2+が配位している。
還元されるというのは酸化よりも遥かに大変なことであるイメージが強いので、酸化された状態で摂取しても効果があるのだろうか?ということが気になった。
先に植物の話題を挙げておくと、鉄吸収戦略という用語があって、Ⅰ型とⅡ型がある。
鉄吸収戦略に関しては下記の記事で詳細を投稿したので今回はこれ以上触れないことにする。
話は人体において、酸化された鉄を摂取しても効果があるのか?だけれども、高後裕等 「微量元素製剤の長期投与における問題点:鉄過剰」 鉄代謝の整体に及ぼす影響 - 外科と代謝 - 栄養49巻2号 2015年4月に血中での鉄の存在様式についての記述があった。
血中ではFe3+(3価鉄)として、トランスフェリン等のタンパク質と結合していて運搬されている。
3価鉄と2価鉄(Fe2+)の移行は平衡状態にあるため、2価鉄は自然に発生ていると捉えても良いはず。
還元(電子を頂く)なんてそう簡単に起こるのか?という疑問が生じるけれども、思い当たる節が多いので、自然に発生するのだろう。
とにかく、今回の疑問であった鉄鍋から料理に移った鉄を摂取すると、人体内で有効に活用されるのか?に関しては、有効であるという事がわかった。