温泉の成り立ちについてざっくりとまとめた上で、
有馬温泉の成り立ちが長い間謎であったことがわかった。
それを踏まえた上で今回の話を始めるとして、
有馬温泉街の案内センターに立ち寄った時のこと
建物内に有馬温泉の科学的なことが紹介されていた。
そこに記載されていた内容は温泉と地球科学 ナカニシヤ出版の最終章の有馬温泉の抜粋であった。
有馬温泉は非火山性温泉の化石海水型という分類に当てはまる。
化石海水型というのは、
温泉と地球科学 ナカニシヤ出版 166ページ(案内所にあった同一の図)より引用
今まで何度か登場したプレートテクトニクスにおいて、
重い海洋プレートが軽い陸のプレートに潜り込む際、
海水を含みながら陸のプレートの下へと沈んでいく。
前回の非火山性の話でもあった通り、
地下深ければ深いほど、地下水の温度は高まり、
プレートと共に沈み込んだ海水は熱せられ、「亜臨界」の流体となり、
温泉と地球科学 ナカニシヤ出版 174ページ(案内所にあった同一の図)より引用
石英流紋岩脈に沿って、様々なものを溶かしながら上昇してくると考えられている。
有馬温泉を訪れる前に読んでいた本では、
他にも調査の結果から考えられることが記載されていたので、
興味がある方は温泉と地球科学 ナカニシヤ出版を読んでもらうとして、
様々な調査結果によって考察されたモデルによって、
有馬という海から離れた山において、
高濃度の塩があるという話へと繋がっていく。
プレートテクトニクスが絡むとなると、
この話は時間の面でも壮大なものとなり、
それ故に化石海水型と名付けたのだろう。