ネズミがドングリを食すの記事で、アカネズミはドングリの化学性防御であるタンニンの作用を無効にして食す事が出来る内容を記載した。
この内容を前提にして、
京都大学学術出版会から出版されている原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略のどんぐりと哺乳類の章で、森の小型の哺乳類は食べ切れないドングリを貯蔵し、そのまま貯蔵され続けたものが発芽するという記載があった。
ネズミ等がドングリをすぐに食べるものと貯蔵するものとして、小さくてタンニンが少ないものを積極的に食べ、大きいであったり、タンニンが多い(渋みが強い)ものは貯蔵に回すという記載があった。
大きいドングリとして連想するのが、
コナラ属コナラ亜属のアベマキやクヌギがすぐに思い付くので、大きさ的に運べるのであればこれらのドングリは貯蔵に回るのかな?と
次にタンニン量だけれども、検索をしてみたら、ドングリの利用技術と澱粉の特性 | AgriKnowledgeに各ドングリのタンニン含有量の記載があった。
傾向として、
コナラ、アベマキやクヌギが属すコナラ属コナラ亜属や
シラカシ等のコナラ属アカガシ亜属ではタンニンは全体の3%前後と多く含まれていて、
マテバシイ属は1%とタンニンは少なめで、
シイ属のドングリにはタンニンは含まれていない。
シイ類のドングリといえば、
写真では分かりにくいが、他のドングリ(写真左)と比較して小さい。
小さくてタンニン量が少ないということは、森の小動物にとってまっさきにシイ類のドングリが狙われるということか?
個人的なイメージも含まれているけれども、シイ類は極相種(深い森の構成の主の木)であるため、深い森ではドングリにタンニンを蓄えてもあまり意味がないのか?
ブナ科の木から得られる知見は多いなと。