先月に投稿していた脱脂ダイズの利用までの記事で、国内のタンパク源を見てきたけれども、今後の情勢を加味して効率的な活用を見ておかないといけないと思い、
柴田重信著 食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病 - ブルーバックスを読んでみることにした。
時間栄養学とは、同じ食材でも朝食に摂取するか、夕食に摂取するかで体に対する反応が異なることを研究する学問だ。
例えば、
朝食の定番の納豆は、朝食に摂取すると昼の活動時間に向けてのタンパク源になるのが主だけれども、夕食に摂取するとカルシウムの定着や血に作用する傾向が強くなる。
血に作用するというのは、納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素が関与しているのだけれども、ナットウキナーゼは炊きたてご飯の熱で失活してしまうので、朝食はご飯の上に納豆をかけても良いが、夕食では納豆は単体で食すのが効果的といった事が見えてくる。
この本で頻繁に提示していた内容として、タンパク質の不足を挙げていた。
この飽食の時代にタンパク質が不足するのか?と思ってしまうが、タンパク質を多く要するのが昼の活動時間で、この時利用するタンパク質をいつ摂取しても良いというわけではないそうだ。
生活スタイルから朝食は低カロリー低タンパク、夕食は高カロリー高タンパクになる傾向があるが、夕食で摂取したタンパクは昼の活動時間で効率良く使われるといった事がなく、朝食でしっかりとタンパク質を摂取しておく必要がある。
前述するように朝食の低カロリー低タンパクは生活スタイルからくるもので、朝の忙しい時間に高タンパクの食事の準備をするのが大変という事情がある。
上記の本には昼の活動時間のタンパク不足に関しての支障の明確な記述はなかったが、塵も積もればなんとやらで、社会保険がどうにかなってしまう社会情勢において解決しておかなければならない問題であるのは間違いない。
食料や肥料といった海外資源の利用も先行き不安なので、おそらく低資源で栽培できるであろうダイズのフル活用はより一層注目しておく必要があるのだろうなと。