前回、植物、特にイネが利用できるケイ酸はどこにある?ということで、

一つのヒントになるかもしれない各種ケイ酸塩についてを記載した。

植物が利用できるシリカはどこにある?


ここからわかることは、

ケイ酸を含む鉱物といえ、一律して同じようにケイ酸として扱ってはいけない

ということで、


とある肥料にケイ酸が入っていると記載されていても、

それが植物のケイ酸吸収の面で期待した通りに働かない可能性があるということだ。


これを見ていくためには、

ケイ酸がどのように吸収されるか?

それは土壌中にある二酸化ケイ素が自然に溶けるのか?

それとも鉄吸収のように根から分泌される酸や酵素によって形を変えてから吸収されるのか?

葉緑素の合成で苦土と同じぐらい大事なものは?


ということで、

植物のケイ酸吸収を主題として検索してみたところ、

イネのケイ素トランポーター 蛋白質 核酸 酵素 Vol.52 No.14 (2007)というレビューがあった。


トランスポーターという用語はここでは体外にある物質を体内に取り込むタンパクが表面にある程度に捉えておいてもらうとして、


注目すべきはイネのケイ酸吸収の模式図で


図:イネのケイ素トランポーター 蛋白質 核酸 酵素 Vol.52 No.14 (2007) 1855ページより引用


根からの吸収や維管束の移動の際のケイ酸の形状がnSi(OH)4となっている。

4水酸化ケイ素を読むのだろうか?

検索しても引っかからないので読み方はわからないのが、

吸収前にケイ酸の形状が変わっている。


先程のレビューを戻ってみると、コラム1に


図:イネのケイ素トランポーター 蛋白質 核酸 酵素 Vol.52 No.14 (2007) 1850ページより引用


ケイ素の形態というものが記載されていた。

Si(OH)4の濃度に依るもの、pHに依るものでケイ酸の量が変化するらしい。


ここでいうシリカ(SiO2)というのは、

日本各地にあって、しかも砂地に行けば行くほど多くなるものなので、

鳥取砂丘で花崗岩質の砂を見た


左側の反応がイネを丈夫にする主の要素であるならば、

海岸沿いのイネ程、ケイ酸の恩恵を受けられることになる。


おそらくだけど、左側の反応の影響は大きくはないだろう。


となると、

右側のケイ酸塩から酸によってケイ素になる反応の方が有力になる。


だけど…、

ケイ酸塩のn(OH)3SiO-1は何の鉱物を指しているのだろう?




以前、可溶性ケイ酸にあるかもしれない底力の話題で

可溶性ケイ酸が水酸化アルミニウムと結合してアルミニウム障害を減らす

という内容を記載した。


この時の可溶性のケイ酸はオルトケイ酸(H4SiO4)の形状をしていて、

これであれば、そのまま溶ければSi(OH)4となる。


オルトケイ酸の形状をしたケイ酸塩といえば、


栽培にとっての苦土の基のかんらん石


単独型のかんらん石{(Mg,Fe)2SiO4}があり、

植物が利用できるシリカはどこにある?


このかんらん石と火成岩の鉱物の構成を照らし合わせると、


(株式会社誠文堂新光社 / 年代で見る 日本の地質と地形 190ページより引用)



苦鉄質の地質の栄村小滝集落で台風時の倒伏が少なかったという結果と合致する。

台風でも倒伏しないイネ


最後の話題はあくまで希望的観測だけど、

地質図を見ながら、イネの株が丈夫なところを見て、施肥を確認していけば、

何らかの答えが見つかるかもしれない。


補足

テクトケイ酸(アルミナケイ酸鉱物)の二次鉱物への変質時に、

水溶性のオルトケイ酸(H4SiO4)が生じるものがある。

黒ボク土は本当に良い土なのか?前編