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カカオ豆の活用の歴史の前にカカオパルプについて触れておこうまでの記事でチョコレートの歴史について触れていて、前回の記事でチョコレートの原料であるカカオ豆はもともとは渋くて苦くて利用されておらず、


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カカオパルプという果実内でカカオ豆を包んでいるカカオパルプというものを食していたそうだ。


では、渋くて苦いカカオ豆が現在は主で利用されているのか?

そこには生化学的な話題があった。


というわけで、今回はカカオ豆の利用の歴史について触れていきたい。




カカオ豆の利用の初期段階で発酵という工程があるそうだ。

ここでいう発酵というのは、紅茶の製造にある発酵という名の酵素的褐変といった生化学での発酵とは異なる現象ではなく、文字通り微生物の働きに因る発酵で渋みや苦みを軽減させるという工程がある。


このカカオ豆の発酵が面白くて、


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カカオ豆をバナナの葉に包むことで行われる。

バナナの葉にいた常在菌がカカオ豆に移って、カカオ豆の発酵を行うのだろう。


カカオ豆の発酵は乳の発酵(ヨーグルトの製造)の話と似ている。




ここで気になるのが、カカオ豆は渋くて苦くて食用として利用されていなかったが、発酵によって利用されたということになると、渋みや苦みの成分が微生物によって分解されたということになる。


渋みや苦みはおそらくポリフェノールやタンニンであるはずで、これらの化合物を分解する知見をチョコレートの製造から得られる可能性があるということだ。

苦味や渋みのタンニン


チョコレートの科学を読み進める楽しみが増えた。


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