先日、囲炉裏があるところに宿泊した。
囲炉裏の中には炭が燃えた後の灰が堆積している。
灰というのは、植物動物限らず、骨のようなものを除いた有機物を燃焼した際に最後に残るものを指し、カリやカルシウムといったミネラル分を指すことが多い。
※灰は物が燃え尽きた後の不燃焼の鉱物質
だから、肥料袋の裏にどれだけミネラルがあるかの指標として灰分という表記があったりする。
この灰は酸化物、もしくは炭酸塩の形をしているため、水に溶かすとpHを高める効果がある。
例:酸化カルシウム(生石灰)
CaO + H2O → Ca(OH)2
Ca(OH)2 + 2HX(水素を含む何かの酸) → Ca2+ + 2X- + 2H2O
例:炭酸カルシウム
CaCO3 + 2HX(水素を含む何かの酸) → Ca2+ + 2X- + H2CO3
H2CO3 ⇆ H2O + CO2
囲炉裏に溜まった灰は次作の作付けの際に、肥料として畑に入れるというのを良く聞くけれども、
農学が入ってくる前の栽培において、現代農学でいうところの石灰によるpH調整の役割を灰が担っていたのだろうなということは簡単にイメージできる。
灰には様々なミネラルが入っているので、pHを調整しつつも、極端な石灰過剰という障害は発生しなかったのだろうな。
このような文化を現代で活かせれば色々と良いよな。