患いを無くすムクロジの木の記事でシャボン玉を理解するために界面活性剤を見ていたら、ムクロジという木から得られるサポニンの話題になった。
界面活性剤を更に理解するためには、現存する様々な界面活性剤を知っておくと良いことが多い為、工業的に作られた界面活性剤を見ていくことにする。
石鹸は高校化学で触れるので、その内容をさらっと触れてみる。
石鹸は牛脂や米油等の天然油脂をアルカリ剤で煮立てると出来る。
この過程を鹸化(けんか)と呼ぶ。
鹸化の詳細を見ていくと、脂肪の構造というのは、
※今回は動物性の中性脂肪について見る
グリセリン等に1〜3の脂肪酸が付与された形になっている。
この形では水に溶けにくい。
各々の脂肪酸は
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このようにギザギザの炭素鎖にカルボニル基(右:-COOH)が付与された有機酸になっている。
※脂肪酸によってギザギザの炭素鎖の長さは異なる。
※上の脂肪酸は炭素鎖が16のパルミチン酸
脂肪酸は左側の炭素鎖に電荷を持つ箇所がないので、疎水性となり、右側のカルボニル基は-COOHのHが外れ-COO−となり電荷を持つので親水性となる。
脂肪酸がグリセリンと結合する時はカルボニル基の方で繋がるので、脂肪では親水性の箇所がなくなる。
脂肪をアルカリ剤(水酸化カリウム:KOH)で反応してみると、下記の反応を示す。
コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Eloyだと推定されます(著作権の主張に基づく) - コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、投稿者自身による著作物だと推定されます(著作権の主張に基づく), CC 表示-継承 3.0, リンクによる
脂肪(上の図だとグリセリンに脂肪酸が二個付いたジアシルグリセロール)をアルカリ剤で処理すると、グリセリンから脂肪酸が外れる。
先程は触れなかったが、右側の炭素鎖が疎水性で右側のカルボニル基がイオン化して親水性となるため、この構造は界面活性剤になる。
以上の過程を鹸化と呼ぶ。
鹸化について改めて触れて、脂肪酸には様々な炭素鎖の長さのものがあるけれども、長さによって界面活性の機能が異なるのか?ということが疑問になった。